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ミドルこそ外に出て学べ〜情シス目線のプロジェクトマネージメントTips#64

世の中にプロジェクトマネジメントに関するコンテンツは非常にたくさんあるのですが、よく見てみるとどうしてもSIer目線のものが多いように思えます。SIer目線の場合だと、どうしても利害が一致しないせいか事業会社というか情報システム部門目線から見るとピンとこないものも多く、ちょっと腹落ちしないことが多くあります。
というわけで無いなら作ろうということで「情シス目線のプロジェクトマネジメント」なるものを書いてみようかと思い不定期だとは思いますがシリーズ的に書いていこうと思います。

今回はちょっとインプットがあったので情シスのマネージャー位の人のの学びについてチョット書いてみます。

ある勉強会でのお話

前日、オンラインでのアジャイルに関する勉強会での出来事です。セッションやライトニングトーク、そしてディスカッションという勉強会のメインのイベントが終了して、主催者を中心に雑談した時の話です。そのときはアジャイルを始めたり続けたりする際の大企業においての様々な課題みたいなものが話題になっていたのですが、そのなかで一つのコメントが有りました。テーマ的には外部で勉強する(実はアジャイルにとってははじめの一歩的取り組み)ことに関する話です。

一番外で学ばないのは実はミドル(中間管理職)層

ミドル層が学ばないから、上からのトップダウンも、下からのボトムアップもそこ(ミドル層)がネックになって伝わらない、潰えてしまう。

なるほどな

その話のお陰で、いままでもやもやしていたものが(解決化していないけど)スッキリと腹落ちすることができました。このときはアジャイル導入の話でしたが、これはDXにも当てはまったりします。


たしかにミドルがすべての癌

結果の方から掘り下げると、たしかにミドル層がネックだと世の中100%うまくいかない。

例えば

1)トップがだめな場合  トップ ー ミドル ー 若手

トップはDXに関心がない場合、トップダウンのDX化は到底望めません。しかしながらボトムアップの場合にはそれなりに勝機があります。ミドル層がうまくコントロールして、すでに導入されているサービス、無償のサービス、非常に安価なサービスを使って、上層部の決済にならない範囲でPoCを断行し、結果を出してしまってから承認をしないといけない状態にしておいてから決済をもらって広く展開する・・・・そう簡単にはうまくいかないかもしれないが、いちおうシナリオは考えられます。

2)若手がだめな場合  トップ ー ミドル ー 若手

若手が全然やる気がなくても経営層がなんとか覚醒すれば、トップダウンで命令してしまえばいいのです。決裁はすでに行われているので、その内容をミドルが若手を指導して、いやいやでもやらせればいいのです。最後まで、うまくいくかどうかはわかりませんが、とりあえず活動はスタートします。あとはうまく洗脳をしてやる気を出させれば可能性はあります。

3)ミドルががめな場合  トップ ー ミドル ー 若手

トップ、若手がダメでもアプローチ(トップダウン、ボトムアップ)さえ変えればなんとかなるのはすでに説明しましたが、ミドルがダメな場合にはどうにもなりません。若手の訴えるボトムアップは押さえつけられ、握りつぶされてしまい、トップから来たトップダウンはテキトーに骨抜きにされて、ごまかされてしまいます。つまりはどのアプローチであってもミドルがダメならばDXはうまくいかないどころか、下手をすればスタートすらしないのです。

井の中の蛙のミドル

このようにアジャイルでもDXでもミドルがダメでネックになってしまうとどうしようもないことが明白です。

しかし、このミドル層は「もっとも井の中の蛙」なのです。つまりアジャイルもDXも遠い世界のことで、自分ごとになることがないのです。

トップはなんだかんだ言っても普通は外からの刺激が継続して存在します。経営者同士の集まりもありますし、お客さんともあって話をします。ベンダーとかも当然トップにはアプローチしてきますので、よっぽど頑固者ではない限り外からの情報が入ってきます。

そしてまだ責任あるポジションにいない若手はなんとなく「勉強しろ」ろ言われてセミナーやらIT展示会などに出かけていきます。そして新しい技術やビジネスなどの外の話を持ち帰ってきます。

しかしミドルは忙しいのです、やれ会議だ承認だと何かと忙しいので直近の必然性のない外部からの情報収集は後回しになります。これが営業部門であったりすると、否が応でも外部情報に触れるのですが情シスの場合は、あっても何も提案しないいつものベンダーさんとしかふれあいません。

外部化エアの情報が入らないのですから、DXがなんだかわかりません。その結果面倒くさいことを言ってくる若手を潰し、外で聞いてきた無茶な話をするトップの言うことはサボタージュするのです。

組織を変えるならミドルを外に出せ

よくDXが根付かないと嘆いているトップの話を見かけますが、結果やっていることはコンサルみたいなのを読んできて下に無茶振りしたり、若手2勉強させたりしていますが、どちらもアプローチとしてはあまり効果的とは言えません。なぜならミドルが邪魔をするからです。

組織の文化を変えてDXを推進したいなら、一番最初にスべきことはミドル層を外の空気に無理矢理でも触れさせることなのです。たとえ頑固であっても昇進試験を乗り越えてきたのですから、無理にでも外の情報に触れるようになれば、ちょっとは危機感を覚えるはずです。(はずだよね)



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