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TOKYO2020 フリートドライバー日記(14)パラリンピック開幕

いよいよパラリンピックが開幕しました。オリンピック同様にブルーインパルスが揃うため、盛大な開会式も開催されました。今日からいよいよ本格的に競技が始まります。
晴海選手村のフリートオフィスへの通勤はこれで2回目。前回は車に乗る事はありませんでしたが、今日はどうなるでしょう。

少し出遅れ

選手村には8時ごろ到着。早速2階に上がって手続きを開始。シフト変更の場合は7時にスタートらしく、常にフィルムの方が当たっていたとのこと。申し訳ないが先に行ってしまったと言う話なので、待機席に座ってます。やはり開幕すればそれなりの輸送需要がありそう。

待機して待っているとすぐにタイの国の人の担当がわり当たりました。

しかしながらスマホに全くログインできません。なんかバージョンアップがうまく出来ていないときにこうなってしまうようです。一昨日来た時にスマホは使い物にならないという話は聞いていたので焦らずに諦める事にしました。

駐車場の場所を確認して戻ってきたら窓口のところでチュニジアの担当に変わるように言われ、2階で再び手続きをしてから駐車場間のシャトル便に乗ってA駐車場に行きました。到着して車の駐車場とボードを見てみると、なぜか番号札はなく自分で探すことになりました。たくさんの車から探すのは困難なのですが、周りのボランティアに聞いてポーチの中の台帳を確認しました。一週間くらい前に番号があったので、そこを探してみると車は見つかりました。停まっていたのはプリウスて、番号も一致しています。

しばらくしてプレハブのオフィスに戻ると、出入り口の前に車椅子の方達が4〜5名いて、ちょうど車に乗り込むところでした。アクセシブルカーには車椅子は1つまでしか乗らないので、どう乗せるのか心配になりましたが、すぐ別の2台が到着。でもプリウスなのでちょっと大変そうです。少し手伝いましたが何台かの車に分乗してもらって、車椅子をたたんだり分解したりしてなんとか乗せて出発しました。パラリンピックは選手の数は少ないのですが人数が、いろいろな障がいがあるので乗り降りが大変です。駐車場のスタッフの人が言うには、忙しさはあまり変わらないとのことでした。
乗り場で見ていると車椅子にもいろいろなタイプがあります。通常の車椅子に取り付けるタイプのハンドル付き電動ユニットなんかもあって、事前にやっていたアクセシブルカーの研修とは勝手が違います。

また、ここA駐車場の様子で違うところは、車の出入り口周辺に子供達が集まって、選手たちに手をふっているところ。いつも来ている子もいるみたいでサインなんかももらっています。応じてくれる選手も結構いるみたいで、ささやかながらの交流が行われていました。こういった風景は選手村ならではの光景です。

待っているあいだ男性のボランティアの方と少し話をしました。築地デポから移ってきたと話をしたら「築地とここのどっちが好きですか?」と聞かれました。築地は運転ができるのはいいけれども、ステークホルダーとの交流がほとんどないから、こっちも良いと答えると少しうれしそうに笑っていました。男性はオリンピック期間中は選手村で活動していましたが、パラリンピックは築地となったのですが、選手村の方がいいと変えてもらったそうです。交流がしたい人にとっては車に乗りっぱなしのT3では物足りないようです。

代々木練習場へ


しばらくして初老の男性が到着。チュニジアと言っていたので手を挙げて待ってもらえました。車を寄せて乗ってもらってスタートした途端にシートベルトのアラームが鳴ってしまいました。どうやら男性の重い荷物が人間と判定されてしまったようで少し荷物をずらしてもらって再スタートしました。首都高に晴海インターチェンジから乗り、レインボーブリッジを越えて新宿線に乗り代々木で降りました。ただ代々木の練習場の入り口が非常にわかりづらく、間違えてNHKの地下駐車場に入ったり、何回も道を間違えて到着しました。男性も若干イライラしていたようで大変申し訳ない気持ちでしたが落ち着いて練習場に到着しました。ここは陸上競技系のトレーニングをする場所です。フィールドで選手たちが走る様子が遠巻きに見えたりします。


男性の方は何かをスタッフに聞いているようで慌てて何人かの人たちに話しかけていろいろ調べていたりしました。警備の人の配慮ですぐ側に荷物を乗せたまま車を停車してもらい様子を伺います。移動した場所も認識していてくれたようなので、少しひと安心です。

バス乗り場にはたくさんの選手たちがバス待ちをしていてかなり賑やかになっています。いろんな国の音楽や選手の話し声が聞こえてきます。大きな観光バスが何回も来て選手たちを乗せていきました。

しばらくして男性は日本人スタッフを連れて再び車に帰ってきました。どうやらWi-Fiを探して電話をかけたいようで、それを聞いていたようです。海外のキャリアの場合は電話通話ができないので、Wi-Fiが重要になるのですが、この競技場だとWi-Fiのスポットは無いらしく、モバイルWi-Fiを使って通話をしていました。しかしながら「ハロー、ハロー」と言っても声が聞こえていないらしく、悪戦苦闘している様子。車のスマホを使ってもらおうとしましたが、それでもつながらず・・

男性の努力の甲斐もなく、相手先とは連絡がつかなかったようで、暫くしてから帰ることになってしまいました。申し訳なさを残しつつ、そのまま高速に乗り来た道を戻って晴海選手村の駐車場に向かいました。男性は高速に乗って東京タワーの横を通過するあたりでごそごそし出したと思ったら突然バナナとりんごをくれたりしました。行きでもコーヒーとジュースをくれていて、サンキューと言いつつ、持って来たカバンが小さいのでどうやって持って帰ろうと考えながら選手村の駐車場に到着して、男性を降ろしました。
最後は握手をしてのお別れです。

いったん任務終了です。果たしてお役に立てたのでしょうか?

ドライバーは若干飽和状態?

ここでA駐車場とは別れシャトルに乗ってC駐車場に戻りました。帰る途中ドライバーと少しお話しをしました。東京都のコロナ感染が拡大した影響もあって、選手たちが自分たちで運転するセルフの運行が多くなっているようです。確かに駐車場にも外国人の姿がたくさん見られます。やはり感染が多い日本人との接触は怖いのでしょう。

オリンピックのドライバーをパラリンピックでも再度募集したようですが、セルフの率が非常に高くなかなか車運転できない状況が続いているようです。この辺はなかなか予想ができないので、ちょっと大変かなと思います。




戻ってきたら、待機所にはたくさんの人が溢れていて、外のテントにも溢れる位のボランティアだ話をしています。2階に上がってみてディスパッチのところで次どうするかと聞いてみたら、今もすでに待機が非常に多くなっており、さらに2時からボランティアに参加する人たちがこれから増え今日は1度も行ったと言うことでもう終了して良いと伝えられました。

仕方がないのでもらったバナナを食べて帰ることにしました。

今日の業務終了します。



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