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「ふりかえらない世界」へのひとつだけの・・・

この記事は「ふりかえり(裏) Advent Calendar 2020」の12月20日の・・・・・と思ったけど過ぎ去った12月2日が空いているので、そこに埋めます。「ふりかえり Advent Calendar 2020」のほう(12月18日に登録)には、先ほど記事を書いてしまい、ネタはもうない・・・・

・・・・が、せっかくの(裏)という事で、裏っぽいことを書きます。いや書かせてください。

ふりかえらない世界

社内の業務ITシステムの導入とか入れ替えって、だいたいは1年間とかそういう期間をかけて、まぁ大金をかけて行われます。そういったプロジェクトって情シスの人とか業務側の人とか、SIerさんなど多くのステークホルダーやプロジェクトメンバーによって行われるのですが、こういったプロジェクトって意外なほどふりかえらないことが多いです。たぶん黙っていたらまったくふりかえりを行わないケースがほとんどかもしれません。たぶんSIerさんの中では行っているのかもしれませんがプロジェクト全体としては偉い人に提出するプロジェクト報告書の最期のほうに「反省」なるものをちゃちゃっと・・・しかも事務局的立場の人がテキトーに書いた言葉で書いておく・・・・その程度のものがほとんどだと思います。

それでもふりかえりは必要

そういった事もあって、組織として進歩が無かったりします。存在するのは意識が高い一部のメンバーの個々の内なるふりかえり結果しかなく、結果として同じ失敗が毎回毎回繰り返されることになります。・・・・まぁそれは仕方がない面もあります。そういったプロジェクトって繰り返しが少ないからです。今回は人事システム、来年は営業システム、その次は経理システムと、一つの会社で見ると違う開発テーマとなり、参加するプロジェクトメンバーもSIerさえも入れ替わるからふりかえったところで次にはつながらなかったりします。特に業務メンバーから見たら「一生に一度の開発プロジェクト」だったりしますし・・・・それでもふりかえりを行うのは大切ですよね。直接的な繰り返しはないとしても間接的に・・・例えば何人かは次のプロジェクトに移ったり、それを決裁する偉い人は同じだったり・・・・そういったわずかなつながりとはいえIT開発で経験したことをDNAを繫ぐように繋いでいかなければ、全く同じ失敗を繰り返すスパイラルからは抜け出せないと思います。

せめて少しでも近づけよう

でも、そんな人たちにKPTの話をしてもたぶんぴんと来ない。しかも肝心の人たちはプロジェクトの終盤から次々に役割を終えていなくなっていく。ウォーターフォール型のプロジェクトで全体のふりかえりをするのはとてつもなく難しい。・・・だからせめてもの試みとしては「反省」をなんとか「ふりかえり」に近づける事が大事です。さすがにこれを書いていないところはなかなかないでしょう。・・・・でも「反省」ってこんな事ばかりしか書かれません。

・リリース後にバグが100個見つかった。不具合が発生し、業務処理が遅れた。現場の習熟度不足で・・・・

・・・・これって次につながりませんよね。きっと「受入検査をしっかりしろ!」とか「訓練は充分に行うように!」とかありきたりの注意をされて・・・・そして帰ってくる途中ですっかり忘れられ、次にはつながらない。次のプロジェクトもお金と期間は限られているので、こんな後半の事を言われても知見を反映させるリソースも余裕もない。・・・・みたいなことになりますよね。

そんな状況でふりかえりに少しでも近づけることが最も簡単にできることは「反省に時系列(タイムライン)を設ける事」です。例えば計画の時、要件の時、基本設計の時・・・・とプロジェクトの進行にあわせて反省を上げていく事です。ちゃっちゃと書いた「反省」ではすっかり忘れられて見落とされがちな・・・というよりも確実に忘れられている「最初のボタンの掛け違い」がこれで少しは浮き彫りになります。例えば最後のバグの遠因は要件定義の遅れによる無理な開発日程の短縮だったり・・・と本当の原因が見えたりします。とくに時間がゆったりと流れがちなプロジェクト初期であるならば「反省」を生かす場もあります。・・・・なんとか次につながります。これだけでもずいぶん変わるはずです。

・・・・・ウチなんかどうせダメ、と思っている皆さんほんのちょっとした工夫で潮目は少しずつではありますが変わります。「夜は明ける、想いは不滅」、全集中でがんばりましょう。

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