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敵は敵の顔をしては向かって来ない

こちらは Backlog Advent Calendar 2021 18日目の記事です。

某メーカー系保守サービス会社で情シスをしているフクイと申します。JBUGさんには感謝しても感謝しきれないくらいのいろんな事があるのですが、とりあえず昨年末に正式にBacklogユーザーになったので少しは恩を返せたかな・・・なんて勝手に思ってます。

・・・・でネタを考えたのですが、新規導入したときのネタは昨年書いちゃったのでいいネタがありません、・・・・ということで少しBacklogからは離れたネタを書いてみます。


抵抗勢力は必ず居る

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プロジェクトマネジメントに関する教科書には殆ど出てこないけど、実際のプロジェクトでは非常に深刻な課題となるのが「抵抗勢力との対応」です。

現実にはプロジェクトが始まるときに完全ににゴールのイメージというか仕様が完全に決まっている場合というのは現在のITシステムの開発ではほとんどありません。なぜかというと開発プロジェクトにはたいてい「改革」を伴うからです。改革というものは前例とかは基本的に無いので、最初から確定しているのは目的や課題しかなくて「どうすれば良いのか」という仕様、実装は確定していないことがほとんどです。

しかも改革というからには改革される元の業務なりシステムがあるわけで、これを改革・・・すなわち大胆にチェンジして新しい業務プロセスやITシステムをする必要に見舞われます。


当然そうなると「抵抗勢力」が必ず存在します。しないわけはありません。

なぜなら関係するステークホルダー全員が「変革したい」と思われているのなら、その業務プロセスもシステムもとっくに変革されている筈です。今の今まで業務プロセスもITシステムも変化していないということは。関係する大多数の人が「今のままでいいじゃん」とか「今の状況嫌だけど苦労して変える必要はないよね」と思っているということになります。

人間って「毎日のちょっとした苦しみ」よりも「一瞬だけど強烈な苦しみ」を本能的に避ける傾向にあります。システムを変えて大混乱するくらいなら「苦しいけど今のままがいいよね」って考えるのが普通です。

だから改革系のプロジェクトに「抵抗勢力」がいない訳はないのです。


昔、なんかの記事で見たのですがこういう言葉がありました。

「4割の人が賛成するようでは、それは改革ではない」

本気で組織を変えたいと思ってプロジェクトを進めるなら少なくとも7割の人が抵抗勢力となるわけです。

辛いですよね


抵抗勢力は表立って抵抗しない

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このプロジェクトがきちんと経営層の指示である、または支持を受けている場合には抵抗勢力というのは抵抗勢力の顔をして抵抗しません。

「こんな改革必要ない」

「今のやり方を一切変える必要はない」

世の中の景気が上昇傾向にあった昔なら、堂々とそうやって抵抗した人達が存在しましたが、今の景気が悪い状況、お客様や市場の傾向が激しく変わっている状況、先が見えないビジネス環境の中でそんな事を言える人はなかなかいません。

さすがに「VUCAの時代」を知らない管理職はいないですよね・・・・

DXなんてうちの会社に関係ないと堂々と言える経営者いないですよね・・


・・・・ですよね(汗)


でも、本音は自分の仕事が変化するのはイヤなんです。今の仕事がどんなに辛くても人間は「慣れる」んです。「いつもの慣れた痛み」よりも「未知の痛み」のほうが怖いんです。

だけど、経営者や管理職に表立って堂々と逆らう人はなかなか居ません

居たらむしろその人のほうが「改革者」ですよね(笑)


だから抵抗勢力は真っ向からは立ち向かってきません。


横から正論を言ってきます


「お客様に迷惑を掛ける可能性があるならやるべきでないよね」

「関係者する人全員に合意を取って決めたほうがいいよね」

「現場が混乱しないようにリスク対策を徹底的に行うべきだよね」

「極力リスクを避けたほうがいいですよね」

「関係部門全部の合意を取ってから方針を決めましょう」


・・・・大抵は、このような正論でやってきます。
まぁこれらの台詞のあとに「だから自分がやっておくよ」というのが続くなら良いのですが「だから、プロジェクトでやってください」「自分はやりません」というスタンスがほとんどです。

もちろん、これらの一言一言はすべて「正しいこと」で「やるべきこと」なのです。・・・・・個別には。


でもプロジェクトというものには期間とコストの制約があります。

プロジェクトの先にある「目的」を達成する改革には覚悟が必要です。


つまり、末端まですべて正論で進めるわけにはいかないのです。

死んでしまってから「完璧な手術」をしても意味がありません。
大抵の改革にはタイムリミットが存在します


どの場所で抵抗勢力と向かい会うか

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こういった正論で攻めてくる抵抗勢力と向かい会うのには何処で戦うかが重要になってきます。

絶対にやってはいけないのは「密室で向かいあう」です。

具体的には「電話」と「メール」です。この場合は話あった当事者とかそれぞれ都合の良いメンバーにしか内容が共有されません。

この場所を主戦場にするのは絶対に避けるべきでしょう。

なぜなら個別の課題としては向こうのほうが個別最適には「正論」だからです。

そして忘れてはならないのはプロジェクトメンバー以外の人にはスケジュールもタイムリミットも関係無いということです。
プロジェクトのスケジュールが遅れても相手は何も困りません。何日でも粘れます。
しかしプロジェクトには納期があります。そうなれば圧倒的な不利になります。



「電話」と「メール」がだめならば次はEXCELでしょうか。
これも厳しいですよね。冷蔵庫の話ではないですが実質「密室」ですし、書き込める内容も限度があります。ようやくは書けるけど実質的なやりとりはメールや電話ということになります。


大事なことはできるだけオープンな場でコミュニケーションをするということ。

大事な事は「衆人の前に晒す」こと。そして本音が透けて見えるくらい徹底的にオープンに記録化することしかありません。


オープンな場所であれば抵抗する手段は大きく制限されます。
抵抗したい人の目的は「変えないこと」ですので密室であれば手を変え品を変え抵抗を続けたりします。プロジェクトメンバーが根気負けするまで続いたりします。

当然、客観的に見たら「純粋に変わるのが嫌なんでしょ」と見えたとしてもプロジェクトメンバー側はそれを指摘することができません。だから密室では絶対的な不利になったりします。

これをオープンな場にするだけで「純粋に変わるのが嫌なんでしょ」と判断するのが相手のプロジェクトメンバーではなく「衆人の目」になります。
もしかしたら偉い人たちの目に入ってしまうかも知れません。


たいていはそこまでして抵抗は出来ません。

純粋な課題の範囲でのやり取りになります。そうなればダメージも少なく対応出来たりします。


という事で、この主戦場・・・・つまりプロジェクト管理ツールはたくさんテキストが書け、沢山の人が低コストでアクセスできるものが最適ですよね。


何ていうツールなのかは言いませんが(笑)
















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