究極のプロジェクトツール「おやつ神社」

この記事はBacklog Advent Calendar 2019の12月10日の記事として書いています。JBUGに参加させていただいたご縁で書かせてもらいました。

1.プロジェクト管理のプラクティスの課題 

 とりあえず好き勝手なことを話そうかと思います。

 プロジェクト管理と言えば、ウォーターフォールベースのPMBOKとか、そしてスクラムとかアジャイルとか、世の中にはたくさんの手法が存在しています。わけわからん。

 その中でも日本人特有の気質なのか、そのベースとなる思想というよりも、どうやったらいいかというツール、それっぽく言うとプラクティスにこだわって紹介されたりしています。自分自身はどちらかというと思想好きなので、こういったプラクティスにはちょっと距離感を感じるのですが、とにかく日本の人たちはプラクティスを忠実に実行するのが大好きです。スクラムにおいてもカンバンとかデイリースクラムとかを、とにかく忠実に実行しようと無理をして、本来はエンジニアとかクリエイターがし幸せになるはずなのに、日々苦しい日々を過ごしていたりする話を聞いたりします。自分自身はアジャイルの基本はメンバーが幸せになって、興味がわいて、能力を発揮して、成長して・・・その結果として生産性というかアウトプットが増加するというのが本質だと思っているので、ツール中心の考え方はすこし違和感を覚えちゃったりします。(とはいえ競争の厳しい自社プロダクトの開発ではしかたがないのかもしれませんが)

 というわけで自分が一番大好きなプラクティス(認められているのかどうかわかりませんが)は「おやつ神社」です。これにはメンバーの負担はなんにもありません。負担があるのは責任あるマネージャーだけです。


2.おやつ神社とは

 アジャイルの基本は、無駄の排除、サイクルの短期化、目的の明確化などなどいろいろありますが、その中の一つに「集中」があります。アジャイルの中心的な手法「スクラム」では人間はシングルタスクで集中すればマルチタスクに比べて圧倒的にベロシティ(アウトプット量)が上がると考えられています。

みなさんリアルに考えてください

もしあなたが集中して仕事をしている最中に突然「すいませーん、ちょっといいですかぁ」って質問されたら、どう感じますか? 集中していた意識は中断し、考えていた事は空中にどこかに消え去り、もうちょっとで出てきそうだったアイデアも天国に召されてしまいまうでしょう。・・・集中している最中に話しかけられるという事はエンジニア個人にとって非常に大きなロスとなります。当然プロジェクトにとっても大損失です。・・・非常にもったいない。

 この問題を解決するのが「おやつ神社」またの名を「お菓子神社」です。

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実際にやることはとても簡単です。仕事場の端にお菓子をデプロイするだけです。せいぜい一週間に1000円くらいの投資をして仕事場の片隅にお菓子を鎮座させるだけです。そして「みんな食べてねー」って言うだけです。お菓子が好きか嫌いかは別にして、それだけでメンバーの士気はあがります。少なくとも異議を唱える人はいないんじゃないかと思います。

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これの効果は士気が上がるという単純なもの以上に「質問のタイミングを見える化する」という側面があります。なぜならお菓子取りに行く間は、集中が途絶えても問題はない状況にあることを明確に表しているからです。お菓子を採りに行くという単純で本能的な行為が自分の今の状態という「状況の見える化」を同時に実現するというスペシャルな事を実現しているのです。

 ただお菓子を職場の片隅に置くだけでこれだけの事が実現します。しかも安価で!だって週に一回の補充しかしなくても神社は、まるで海水に沈む厳島神社のようにお菓子であふれかえります。

 実際に自分も、厳しめのプロジェクトでは必ず実施しています。マジな話,、これはマイナスはありません。

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3.進化系、アイス専用冷凍庫

このあいだケンブリッジテクノロジーパートナーズさんのセミナーで紹介された事例の中で、おやつ神社のさらなる進化系を見かけました。

それはアイス専用冷蔵庫です。

紹介されたプロジェクトではプロジェクトルームの中にアイスを入れる冷蔵庫を持ち込んだそうです。マネージャーがアイスを買ってきて補充し、メンバーが食べたいときに食べるというものです。おやつ神社の役割をアイスを入れる冷蔵庫が果たしているものです。あとで聞いたら「おやつ神社」の事は知っていたそうです。明らかにおやつ神社の進化形です。

何処がすごいのかというと、普通のお菓子に比べてアイスは「その場で食べる」率が高いという事です。アイスの汁がぽたぽた落ちる可能性があるのでPCが壊れてしまう・・・アイスは冷蔵庫の近くで食べることになります。こちらこそ完璧におやつ神社の機能が果たせます。

4.おやつ神社その後

個人的欲望を語ると「おやつ神社」の商品化を望みます。箱におやつがいっぱい入っていて、箱を点線に沿って解体すると神社の形になる・・・・そんな商品があると素晴らしいかなと思います。自分がもうけようというのはないのでこれを作って商標登録をしてもらうとすごくうれしいです。とにかくITプロジェクトの差し入れに最適な「おやつ神社セット」だれか考えてください!!

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