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【参加レポ】第59回 MVPをうまく作るためには?〜アジャイルひよこクラブ #agile_hiyoko

今回は2024年10月25日(金)にオンラインで参加した「アジャイルひよこクラブ」に参加してきましたので、その感想をレポートします。今回はいつものOviceではなくDiscodeでの開催ということで、そのあたりの感想もしてみたいと思います。

そもそも「アジャイルひよこクラブ」とは?

「アジャイルひよこクラブ」はいわゆる「アジャイル」や「スクラム」関係の勉強会コミュニティのひとつです。ターゲットはその名の通り「アジャイル初心者」で、アジャイルを実践し始めた人や、実践しようとしている人や始めたけどうまく行かなかった人達(ひよこ)をアジャイルを実践している人達(にわとり)がサポートしてアジャイル実践者が増えていくようにする・・・というものです。
活動内容は2ヶ月1回に開催される勉強会イベントが中心で、イベントは前半セッションやライトニングトーク、後半は「お悩み相談会」で構成されています。この「お悩み相談会」がこのイベントの特徴で、だいたい進行はOSTなのですが、「にわとり」と「ひよこ」が存在する具体的な悩みを相談する場になっています。

アジャイル実践者が増えるの図

オンラインで行う時の進行はホワイトボードツールの「Miro」を使っています。これにより思考の整理や記録、そして音声で発言するのを躊躇しがちな参加者が相談や参加がしやすいようになっています。

アジャイルひよこクラブで使用されているMiroのボード

このコミュニティはとても歴史が古いのですが「よくいる人」と呼ばれる運営メンバーによって今日まで継続されています。コミュニティと言うと場合によっては特定の人のカリスマ性によって継続されている事がありますが、この「アジャイルひよこクラブ」はかなり前から参加しているのですが運営メンバーも自然に入れ替わっていたりして、コミュニティ的にもアジャイル的な感じです。

今回のセッションテーマは「MVP」

今回のセッションのテーマは「MVPをうまく作るためには?」です。テーマはイベントの最後に参加者みんなで選ぶのですが、前回選ばれたテーマは「MVP」です。

MVP(Minimum Viable Product)はプロダクトを作る際に顧客が必要としている必要な最低限の機能に絞って早く提供し、その結果や反応を得ることで早くフィードバックループを回していくという考え方で、アジャイルのなかでも重要な要素となっています。アジャイルというと、その各イベントの手法などに注目されがちですが、このMVPは「顧客に求められていること」「我々は何を実現するのか?」という本質的な部分に触れるものであり、実践するうえでとっても大事なことです。

そのMVPについてげんさんだいみょーさんが今回は話をしてくれました。このLTの組み合わせがなかなかの秀逸ぶりでMVPというものを理解するのには素晴らしい内容でした。

本日の登壇」

まずげんさんによる「そもそもなぜMVPを作るの?〜良いMVPを作るためのコツ」でMVPについて「MVPの目的」そして「良いMVPをつくるには」といった体ーまで整理して説明してくれました、

MVPを作る目的

目的としてはプロダクトを作る損失リスクを最小にするため、そしてフィードバックを得て少しずつ顧客が求めるものに近づけていくため、継続的な改善により顧客の期待や満足度を維持するためなどですが、それを踏まえて良いMVPを作るために必要なこと「早く届ける」「顧客の体験」「顧客の反応の観察」「気づきを早く活かす」ことができるようにすることが大事だという話でした。

良いMVPをつくるには

それを受けてのだいみょーさんのLT「プロダクト作ったらめっちゃはずしたのでMVPに立ち返った」というお話に入ります。
MVPの一般的な定義は「必要最小限の製品」ですが、それをさらに深堀りした話をだいみょーさんの体験をもとに始まります。

つまり実際のプログラムなどのプロダクトそのものと思って、作るプロダクトの最小限のものが「MVP」と思って作ってみたら、そのプロダクトを受け入れるニーズが存在しなかった・・・・というお話です。

つくった後の反応

この体験からMVPは「必要最小限の製品」ではなく「仮説検証可能な必要最小限の製品」であること・・・目的の仮説検証が重要で、そう考えるとアイデアを顧客に説明するための「営業資料」でも良いのではという結論に至ったという話です。

MVPが仮説検証ループを回し始めるための「最小限のもの」と考えると、それは「顧客にニーズが存在するのか」を確認するツールであるということです。

何が問題だったのか?

これ聞いて思ったのは、だいぶんまえに元AWS社員であるソラコムの多摩川社長が言っていた(と思う)このエピソードを思い出しました。

「アマゾンでは新サービスを作る前に必ずサービスローンチの際のプレスリリースを書かされた」というエピソードです。そのサービスが市場にどうやって受け入れられるものなのかを考えて経営陣にアピールするといった意味ではプレスリリースも「MVP」なのかも知れませんね。


というわけで、絶妙な順番でMVPを掘り下げて理解することが出来たあとは、いつもの後半戦「お悩み相談室」になりました。

今回は本格的なお悩み相談室

今回のお悩み相談室は、いつもよりその「お悩み相談」の性格が強いものでした。いつもは相談内容がわりと漠然としたテーマになりがちで、お悩み相談というよりも、ディスカッション(それはそれでためになるのですが)になったりするのですが、今回はガチで直面するお悩みが4つ出され、少人数ながらそれに対する4つものルームに分かれて「お悩み相談室」が行われました。

お悩み相談会のテーマわけ

つまりは1人の悩みを持つひよこ達に対して、我をと思う回答を持った(?)にわとり達がガチで悩みに答える場となりました。まるで「占いの館」か「法テラス」の状態です(笑)

贅沢にもそんな「お悩み相談会」になったそれぞれのルームでは、にわとりのノウハウや助言がでたようです。終了後の共有の場でもそんなコメントが聞けました。

ルームのホワイトボード

こんな贅沢な機会はめったにございませんので、ひよこの皆さんはぜひアジャイルひよこクラブに寄っていただきたいと思います。

Discodeでの初開催

アジャイルひよこクラブは前回までのオンラインイベントはoViceを使用していましたが、今回はDiscodeを使用しています。

アジャイルひよこクラブではDiscodeは初めての試みですが、アジャイル系のコミュニティではけっこう使われていて、複数ルームの運用もZoomのブレイクアウトルームよりも運営的には楽なツールです。最初に入る「ロビー」での案内もわかりやすく準備されていたので、あまり迷子になっている人はいなかったみたいです。

「ロビー」での案内

ボイスチャットも昔に比べるとUIもわかりやすいし、拍手なんかもできるのでいい感じで参加することが出来ました。
感触的にはすごく良かったと思います。

そのまま雑談に移行するのも自然な感じで良かったです。

まとめ

という感じで今回のアジャイルひよこクラブも学び深く、そして楽しく過ごせました。Discodの運営もいい感じでした。

次回は12月に開催ということなので、ぜひconnpassに登録して次回を見逃さずにお願いします。

次回テーマはこのあたりだそうです



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