50/30/20/10ルール

自宅待機が続き身体を動かさない日が続いています。緊急事態宣言の解除の光が見え、いずれは同じ生活に戻れると期待してしまいますが、なかなか元あった状態に戻ることは難しいかもしれません。
新たな生活様式を取り入れ、働き方や学び方など社会環境の変化の波に合わせるようにライフスタイルを進化させていくことが必要になるでしょう。

自宅待機の狭い環境下で生活していた影響は多方面に亘り、運動機能の低下も東京など大都市を中心に全国的に顕著になっていくでしょう。
リモートワークの普及も進み在宅勤務ができるようになり便利になっていくはとても良いことですが、一方で運動不足・日常活動量減少がさらに進むことは肥満などの生活習慣病を加速させます。
そのためにも早期の運動機能回復に向けた手立てや新たな運動を継続する・させる仕組みが必要になっていくことでしょう。

さて、今回の表題のルールについてですが、具体的な運動の内容ではなく、復帰に向けたマインドについてのお話です。長期の自粛生活の影響で運動機会が大幅に減少され、皆さんの体力は思いのほか大きく低下しています。それは軒並み下半身に顕著に現れてきます。
自宅トレーニングを習慣化できていた方でさえも、日常活動量は大幅に減退し体重が増えた方も多いと思います。体重維持を心がけた方では食事量が減り筋肉量の低下が起きているはずです。心肺機能の低下も合わさり、体力はかなり衰えを感じることでしょう。駅まで走ったら息がすぐ切れた、階段の登りの動悸が激しく感じたなど今後体感もすることもあるかもしれません。

このコラムを読むみなさんは日頃より運動意欲が高い方も多いと思いますので、運動不足の精神的ストレスから緊急事態制限の解除とともに大きく身体を動かしたいと思うでしょうが、錆ついた身体はすぐさま元の状態には戻りません。その中で、急激な強度変化はかえって体調の悪化を招く危険性があります。
そのため、徐々に身体を戻すように気をつけていきましょう。
そこで今回皆様にお伝えしたいのが掲題の50/30/20/10ルールというものです。
このルールはNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)が提唱したもので一般的な方であれば
自粛前の元々を100%としたときに
1週目を50%(50%ダウン)
2週目を70%(30%ダウン)
3週目を80%(20%ダウン)
4週目を90%(10%ダウン)
5週目を100%
と段階的に約1か月ほど時間をかけて元に戻していきましょうというガイドラインです。(アスリートの方向けのは別途ガイドラインがあります)

インストラクターやトレーナーの方なども解除とともに今まで以上に『お客様へ元気を』であったり、落ちた体力を早く取り戻そうと急にハリキリすぎると同様にオーバーワークに陥ります。
お客様の1週間前倒しで進めていく考えで、自分のカラダも安全に管理しながら共に回復していきましょうと道筋をお伝えしていくことが良いのではないでしょうか?

対複数のお客様へのご案内することがある方には、急に頑張りすぎないようにと伝えるだけでなく、ぜひ個人に応じた復帰ガイドラインを推奨していただき、『運動復帰1週目の方は50%程度ですよー』『復帰2回目の方は70%を目安に』などの声かけをして安全なカスケードをご案内ください。
身近な方々と共に安全にライフスタイルを取り戻すためにはみんなの力を合わせて行くことが大切です。
昨年の流行語にもなりましたが『ONE TEAM』今こそみんなが力を合わせて大きな壁を乗り越えていくことが求められています。

『きっと誰かがやってくれる』そのような考えでは何も変わっていきません。みんなが大変で自分のことに精一杯の中、誰かの助けを待つことはむしろ孤立するだけです。
1人で頑張るのにも無理があります。ぜひこの機会に、家族・同僚・友人と連絡を取り合い互いに支え合い認め合いながら絆を深くして、コロナ収束後の新たなライフスタイルを自分の手で作っていきましょう!

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