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KEITAの短答回想記

はじめに

こんにちは。KEITAです。
先日論文備忘録を書いて、公開したのですが思った以上に好評でして、「短答勉強法のnoteを書いて欲しい!」という意見も数多くあったので、書くことにしました。タイピング練習にもなるので一石二鳥です!笑
そこでKEITAの短答回想記というタイトルで始めたのですが、この記事では僕が2回の短答を経験してきた中で、「この勉強ダメだったな。」「この勉強を見直したおかげで成績伸びたな。」みたいなのを書いていきます。なので、「この科目はこう勉強すべし。」みたいなものではないのでご注意ください。少しでも悩める方の参考になれたら嬉しいです。

記事の流れとしては、大きく科目ごとに記入していきたいと思います。そして科目ごとの記載の流れとしては、1回目と2回目の短答を受ける上でのそれぞれの勉強の流れとそれに対する反省点やポイントを記載していきたいと思います。(1回目:令和3年短答、2回目:令和4年第1回短答)

大学一年の10月から本格的に勉強を始めて、大学3年の5月に初めての短答を受験して不合格になり、大学3年の12月の短答でなんとか合格し、その後、大学4年の8月で論文に合格することができました。

※1回目と2回目の短答を受けた際に利用した予備校が異なっているので、注意してください。(1回目:クレアール、2回目:CPA)
※学習時間はアルバイトをしていたというのもあって、1日平均5,6時間でした。

1科目目:企業法


短答企業法の問題のランク付け推移

1回目の短答(75/100)

⇒講義⇒TACの市販の一問一答を5周⇒レックの一問一答を5周⇒本番75点
(平行で答練で間違った肢も回転していました。)
パワープレーで暗記していました。とにかく1つずつ肢を丸暗記していました。

2日目の短答(90/100)

キング高野短対の講義⇒レジュメをひたすら回転(10周)⇒本番90点
(平行で答練で間違った肢も回転していました。)
レジュメを上手く使っていました。レジュメは左ページに重要事項がまとめられてある表があり、右にその範囲の肢別チェックが並んでいます。肢はすべて過去問で10年分の肢が掲載されていました。
やり方は肢別の回転を中心でした。その際に間違った肢があった場合にはその該当箇所を左ページの表で確認していました。正答した肢についても「この規定はこうだったけど、ほかの場合だとどうだっけ?」みたいな違和感が少しでもあった場合には即座に左ページのまとめでチェックしていました。

反省点とポイント

反省点は、1回目の短答時に全体像をあまり意識できていなかった点です。やはり、体系的な理解と暗記ができていないと、暗記する際に漏れが生じます。肢別問題集と似たような選択肢が出ても、自信を持って裁くことができなかったのが1回目の短答でした。一方で、2回目の短答は体系的な暗記を心がけていたので、暗記の精度が高まり、レジュメに載っている肢と同じような選択肢を自信を持って裁くことができました。
 
ポイントは、肢別演習から入ることなのかなと思います。(賛否両論ありますが。。。)そして、その際にその肢が原則なのか例外なのかを常に意識することです。

肢別演習というと、賛否両論あるのでここで僕の考えを記載しておきます。
まず肢別チェックの最大の欠陥が、「知識が断片的に身についてしまう。」ということにあると思います。ただ、実際にアウトプットベースでの学べるので知識が定着しやすいというメリットがあります。

そして、このデメリットですが、原則と例外の意識をすることで解消することができます。ある程度、法律というのは原則と例外で体系立っています。なので、原則と例外を意識することで肢別演習を繰り返す勉強でも、ある程度体系的に知識を定着することが可能になります。一つ一つの選択肢を見て原則規定なのか、例外規定なのかをしっかりと抑えた上で、マルバツの判断ができて、なおかつその周辺知識を頭の中で思い浮かべられるレベルになっていれば、短答企業は高得点が望めるのかなと思います。まず、1つ目のステップとしては、原則と例外を抑えた上でマルバツの判断ができるレベルを目指しましょう。そのあとで、2つ目のステップとして、周辺知識の習得に移行するのがオススメです。

2科目目(①):管理会計論(理論)


短答管理理論の問題のランク付けの推移

1回目の短答(30点/40点)※1問解なし含む

レックの一問一答ぶん回し。肢をひたすら覚える。6周ほどしました。

2回目の短答(35点/40点)

池邊先生の短対講義を受講し、池邊レジュメをひたすら回す。池邊レジュメは、章ごとに本文(論点解説)と肢別チェックで構成されているのですが、僕は、本文の読み込み⇒肢別チェックという流れ(気分によって順番を入れ替えたりしてました。)を約4周ほどしたと思います。

反省点とポイント

1回目の短答の勉強は全科目に総じて言えますが、かなりパワープレー(悪く言えば、脳筋)な勉強が多いですね。これは反省点なのかなと。笑

2回目の方が手応えが断然良かったのですが、ポイントは「原文の読み込みを大事にした。」という所ですね。
1回目の短答は、レック一問一答の回転により選択肢の誤り部分を見抜くことができるようになったのですが、正しい文章について「正しい」といいきれない状態でした。
一方で、2回目の短答は池邊先生の講義でひたすら理解をチェックした後、肢別チェックに加えて原文の読み込みを行ったことから、正しい文を正しいと言えるようになりました。池邊先生も言っていることですが、原文の読み込みが非常に大切な気がします。ただ漫然と読み進めるのはなかなか頭に入らないと思うので肢別問題を解くのと交互にやるのがオススメです。
 
正しい文を正しい文と言えるようになれば、解くスピードも安定感も倍増します。それがなかなかできないと本当に合っているのかというのを読み直したりする必要が多くなり、時間との闘いである短答管理においてはこれは非常にもったいないです。短答管理は理論が鍵になるかと思いますので、原文の読み込みも肢別演習と併せてしっかり行いましょう。

2科目目(②):管理会計論(計算)


短答管理計算の問題のランク付け推移

1回目の短答(21/60)

7回分の答練を一通り解けるようにして望みました。

2回目の短答(21/60)

池邊レジュメをひたすら理解という視点からじっくり回転していきました。大体5回転ぐらいはしたのかなと思います。ボリューム感は短問のA,Bの問題からさらに厳選したイメージです。

反省点とポイント

反省点は、本当に時間がない焦りからとりあえず頭ごなしに「答練の問題を解けるようにだけしておこう。」という姿勢で1回目の短答を臨んでしまったことです。

ポイントは、「単元ごとの典型問題の演習」が大事なのかなと思います。

「単元ごとの典型問題の演習」を行うことによるメリットは2つ有ります。

まず1つ目のメリットは、単元ごとの理解が深まります。例えば、標準原価計算のパーシャルプラン、修正、シングルプランの3つの違いがどこにどのようにあるのかということについて、標準原価計算の問題を一通り解くことによって理解しやすくなるのかなと思います。しかし、「今日は標準の問題2問と個別の問題を3問解こう」というように勉強してしまうと、なかなか上記3つの違いが掴めなくなります。
僕の場合、1回目の短答の勉強で答練を回していたことから、なかなか単元ごとのそういった理解が掴めず、問題を解いたけど「答え出たけどこれでいいんかな?」みたいなのしかなかったです。笑
一方、2回目の短答ではそういった単元ごとの理解が進んでいたために、開始20分で理論全てと計算2問(個別と標準)を解ききって、「よし、足きり絶対ないわ!あと40分ロト6と解ける問題解いて点数伸ばすぞ!」と思えたことを今でもよく覚えています。
 
そして、2つ目のメリットは、典型問題を嗅ぎ分ける嗅覚を養うことができるということです。典型問題を繰り返し解くことによって問題の外観を見た際に、「いつもと違うな。。。」や「見たことあるわ!これ解ける!」と直感的に気づくことができるので、誤って地雷問題(時間がべらぼうに掛かる問題や誰も解けない難しい問題)に手を出すリスクを最小限まで下げることが可能です。また、地雷問題に手を付けてしまったとしても、「これ思ったんと違うから、他のやつを解いてみよう!」というように離脱することができます。短答管理は問題が多いのにも関わらず、1時間という限られた時間の中で典型問題に適切に時間を配分する必要があるので、典型問題を嗅ぎ分ける嗅覚は非常に重要だと思います。

3科目目:監査論


監査論の問題のランク付け推移

1回目の短答(70/100)

過去問3年分を全力で回しました。あと、TACの市販のベーシック問題集を4回ほど解きました。

2回目の短答(75/100)

松本先生の短答対策講義を受講し、そのあとは短答対策レジュメを回転しました。本文はマーカーを引かれた部分を中心に読み込み、そのあとに肢別チェックをやるというのを大体5回転ほしたのかなと思います。

反省点とポイント

前に通っていた予備校のテキストに載っていない内容や整理されていない内容が多すぎて、1回目の短答は全力で過去問と問題集に齧り付きました。不正のスリーステップ(兆候⇒示唆⇒疑義)も過去問を回す中で自分なりに理解していました。こんな感じで1回目の短答の勉強は異色すぎる勉強だったので、割愛させて頂きます。
逆にこれでも70点取れたので、これが短答式試験なのだなという印象です。運も絡むというか、ほとんど理解できていなくても、暗記だけで乗り切れてしまう部分は少なからずあります。
 
そういったこともあり、2回目の短答の勉強をする際に松本先生のわかりやすい講義を聴いて、めちゃくちゃ感動した記憶があります。
 
そこで、2回目の短答の反省点は、レジュメの本文の暗記を怠っていたと言うことです。レジュメを読み込む際にマーカー部分ばかり読んでいたため、少し知識に偏りがあったなと思います。なので答練でも点数が安定しなかったです。監査論で安定して高得点を取る人はマーカーの周りの部分の読み込みを行っている人だなと周りの受験生の話を聞いていて感じます。
 
例えば、内部統制の固有の限界(4つ)あって、マーカーの箇所は「経営者が内部統制を無効化するリスクが存在する。」という部分に引かれてあったとしましょう。その際に僕はその経営者が無効化するリスクを何度も確認していましたが、他の固有の限界である、「従業員の手作業に誤謬」であったり、「外部環境の変化への対応」等といった部分をあまり反復できていませんでした。監査論で安定して高得点取れる人というのはこういった他の3つも整理して暗記している人だと思います。
 
ただ、短答の監査論は過去問と似ている選択肢が出題されることが多い()とされていたため、「出やすい箇所」というのはある程度決まっていて、その箇所については松本先生がマーカーを引いてくださるので、その部分を何度も見るというのは決して悪い勉強ではないかと思います。ですので、「マーカーの箇所を中心としてその周辺を抑えていく」というのが非常に重要なのかなと思います。
※僕が受けた短答の時の傾向を踏まえているので、必ず新しい傾向にアップデートしましょう。

4科目目(①):財務会計論(計算)


短答財務計算の問題のランク付け推移

1回目の短答(60/120)

答練のぶん回し。
テキスト例題が「仕訳を切りましょう。」というような問題でして、実践的ではなく効率が悪いと感じました。なので、実践的に問題ベースで回したいと考え、答練を軸に回すことにしました。

2回目の短答(88/128)

まず、理解(特に連結と構造論点)がボロボロだったので、国見先生の圧縮講義を一通り見て、例題を一通り解きました。そのあと、バイトをしていたこともあり例題を回すのは時間的な厳しさを感じたので、1問に様々な論点が集約されてある短対レジュメを全力で回しました。
 
ここで1つ注意したいのはCPAのどの教材を使っても到達レベルは同じなので、途中で教材を変えるのは遠回りになるため、本当にオススメしないです。笑
特に上級コースで入学した過年度生は、講義の選択肢が非常に多くてなかなか悩ましい部分はあるかと思いますが、迷ったら「短答対策講義」にしましょう。時間的な制約、そして科目間のバランスを徹底的に分析された教材とカリキュラムになっているからです。

反省点とポイント

1回目の短答は、とにかく答練を回す勉強は最悪だったなと思います。笑
答練は網羅性が低く、回転しても論点に穴だらけでなかなか成績も向上しなかったです。教材をやるにあたってはとにかくその教材がなんのために作られているのかというのは常に理解しておく必要があるなと感じます。なので、予備校によっては答練が回転用に作られている場合もあるので、しっかりと予備校ごとの方針の理解はしっかりとしておく必要があります。
 
2回目の短答では、紆余曲折ありながらも、短対レジュメに落ち着いて良かったなと思いました。一番ダメなのは回転教材が2つ有るような状況です。テキストと短対レジュメを両方回転するようなケースが一番最悪なのかなと思います。ただ、短対レジュメをやっていて理解できないところはテキストに戻ってやってみるというように、部分的に理解の補完として使うのはありなのかなと思います。

4科目目(②):財務会計論(理論)


短答財務理論の問題のランク付けの推移

1回目の短答(32/80)

本番の4ヶ月前から、克己先生の短答対策講義を買って始めました。
4ヶ月前から始めたと言うこともあって、若干消化不良のまま本番を迎えてしまったと思います。

2回目の短答(32/72)

短答対策講義を時間的な制約から、講義を受けないという選択を取りました。これは良かったのか悪かったのかは少しよくわかりません。(笑)
理由としては、短答の財務理論は最後の最後までどう勉強したら良いかわからずに、フワフワした状態で本番を迎えてしまったからです。結果の分析しようがないのが本音です。

反省点とポイント

反省点とポイントはちょうど僕の失敗の表と裏のような関係になっています。その僕の失敗というのは、「範囲を満遍なく対策してしまった。」ということです。そのことで2回目の短答は、うろ覚えの知識が多く、二択で迷って間違うみたいな問題が2問ほどありました。

財務理論は範囲がかなり膨大です。ただでさえ1単元につき覚える会計基準の結論が多いのに、全ての単元を網羅的に抑えることは科目間のバランスも鑑みても、不可能です。これは2回の短答を経験した上で強く感じました。

よって、ポイントは範囲をある程度絞ることなのかなと思います。その際には何個かの単元をまるごと切るのではなくて、単元の中の論点ごとに切る切らないを決めるのが良いのかなと思います。
 
当時の僕にアドバイスするなら、注記のページは水性の黒ペンで大きくバツ印を付けて、一切見ないようにするべきだとアドバイスをします。そして次に、単元ごとに出題可能性を小中大で表などで分類して、大についてはC論点(注記を除く)まで抑えて、中はBまで、小はAだけを抑えるという方法をとるのかな思います。

おわりに


短答難易度分析

上の表は、年度ごとのランクA,B,C(CPAのランク付けです。)の問題の数がまとめてあります。そこから換算後得点を割り出して、その得点を合格ボーダーと比較しているものです。令和3年は強制ゴッパチの回で合格者数を無理矢理増やしている異色の回だったので、灰色で塗りつぶしてあります。この換算後得点等は、科目ごとのA、B、Cの問題の数さえぶち込めば、算出できる仕組みになっているので、他の年度も出して欲しいというのがあれば、DM等でそのデータを送ってください。
※換算後得点は、A問題を8割、B問題を6割、C問題を1.5割取れたと仮定した場合の得点です。

表を見ていると

  • A問題の割合は直近2回が多い。

  • 換算後得点では合格できない回が令和4年第1回からスタートしている。

という2つが主に見て取れるのかなと思います。換算後得点も直近2回が7割に近いです。ただ、ここで注意したいのは、ランク付けが過去のものと今では異なる可能性があるということです。傾向に沿って予備校のテキストのランク付けも変動するからです。噂によると、22/23目のテキストで連結でCと表記されていた箇所が23/24目のテキストで根こそぎAになっているということもツイッターで見たことがあります。なので、例えば、令和2年でCとランク付けされた問題が今ではAとランク付けされることも十分にあり得ます。

これを踏まえると短答の難易度は過去と比較すると格段に難しくなっていると言えます。

また、換算後得点では合格できない回が始まっているという事実から何を学び取るかは、人による気がします。大きく3つなのかなと思います。

  • A問題の精度を高める。

  • B問題の精度を高める。

  • C問題をロト6に任せず取れるようにする。

の3つなのかなと思います。
ただ、感度的には一番上のA問題の精度を高めるというのが一番トータルの点数の伸びに繋がるのかなと思います。なぜならば、どの年度もA問題の割合が一番高く、精度が1割上がることによって伸びる点数が他のランクの問題よりも大きいです。そして、A問題の精度を高めることは、同時にB問題の精度を高めることにも繋がります。したがって、A問題の精度を高めるというのは最良な選択である気がします。

ランクAの守備範囲が広くなっていて、なおかつ、その高い精度が必要とされるのは、非常に厳しい現実だと思います。これを読まれている方は、おそらく短答生で何かヒントを得たいという人が多いと思います。そういった人は、まず戦う相手というのをこのデータからしっかりと理解して正しい戦略をとって欲しいと思います。

そして、ここまで1回目と2回目の短答の勉強のやり方について書いてきましたが、1回目と2回目で自分の中で大きく変わったことは「理解」を大切にするということです。僕の場合、明らかに暗記偏重の勉強のやり方に1回目の不合格の要因が詰まっておりました。よって、その反省を活かして理解に徹する勉強にシフトしました。

何が言いたいかと言いますと、人によって敗因は異なるので、短答で悔しくも不合格だった方は自分なりの戦略を立てて合格を勝ち取って欲しいということです。

短答に合格すれば、世界が変わります。周りの応援の本気度や自分の視界が受かる前と後で大きく変わったことはよく覚えています。今、会計士受験生で先行きが見えずに辛い思いをされている方がいらっしゃるかと思いますが、短答に受かれば一気に視界が開けるので安心してください!まず短答合格を勝ち取れるよう、心より応援しています!

ご精読いただきまして、本当にありがとうございました!
少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです!

では、また!


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