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男子チアのための進学先〜男子チア物語第2話〜


男子チアを携帯の画面越しに初めて見たあの日以来、俺の気持ちは、時間が経っても変わることはなかった。


常に頭の中に、男子チアのことが巡る。

いわゆる、好きな女の子に恋をしているような感覚なのだろう、きっと。


それから毎日のように男子チアについて調べた。

パソコンや携帯でYahoo! JAPAN を開き、「男子チア」で検索をかける日々。

1週間ほど毎日のように検索して調べていると、あることに気づいた。


「男子チアのチームが全国にほとんどない!」


検索して出てきたのは、高校生のチーム1つと大学生のこの早稲田男子チアリーディングチームSHOCKERSのみだった。


(SHOCKERSホームページより引用)


つまり...

大学で、男子チアをするなら早稲田大学に行くしかないのか?


その後も徹底的に調べたが、大学で男子チアのチームがあるのは、早稲田大学だけだった。


「決めた。俺、早稲田大学に行きたい」


知った途端、俺の志望校は早稲田大学に決まった。もちろん、全ては男子チアがしたいがためだ。


家族にも報告したが、父マサトと母サヨミは、顔をしかめた。


「早稲田?!あんた、舐めとったらいかんよ。そんな簡単にいけるとこじゃないよ」


もちろん、今の自分の学力からしたら到底、及ばない。今の自分の偏差値が55くらいだとしたら、早稲田大学は70近くの偏差値だ。

(高校3年の秋)

今は秋。
ここから勉強をしてなんとか受かってみせる。


「どうしても行きたくてさ!頑張るから、早稲田を受験したい!」


家族の前で言い切ると、両親は「それなら、頑張りん!」と背中を押してくれた。


部活に明け暮れていた男の、机と向き合う生活がスタートした。


残された時間はない。

「絶対に、早稲田に行ってやる!」


そう言い聞かせ、勉強の秋が始まった。


つづく
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第2話の登場人物 整理

ケイタ(俺)=筆者であり、主人公。愛知県・蒲郡市出身。豊橋東高校卒業。

マサト(父)=真面目で、固く、昔から厳しかった。読書家で勉強熱心。

サヨミ(母)=社交的で、勉強も遊びも大事にしなさい派。常々、友達は大切にしなさいと言う。好きな言葉は「かわいい子には旅をさせよ」

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