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2度目のセンター試験!〜男子チア物語第11話〜

月日が経つのは本当に早い。


長いトンネルをもがきながら進み続けてきたが気づいたら、本試験はすぐそこに迫っていた。


2013年1月。

年明け、家族で豊川稲荷へ初詣に行った。


願い事はただ一つ。


「早稲田に合格させてください」


やることはやった。

ここまできたら神にもすがる思いで、とにかく祈った。



今年は受験2年目だ。

リベンジへ向け戦い方は決まった。


昨年とは異なり今回はセンター利用で早稲田よりランクのやや低いMARCHと呼ばれる、明治、青山学院、立教、中央、法政を滑り止めとして受けることを決めた。


理想はこのセンター利用で滑り止めをおさえ、あとは早稲田受験に集中することだ。


つまり、全くセンター試験を重視していなかった昨年とは異なり今年は結果を残さないといけない。


とはいえ、普通に早稲田受験の勉強をしていれば、センター試験の出題レベルなら解けるはず。


大丈夫だと思った。



2013年1月19日。センター試験当日。


普段緊張しないはずの俺が、緊張していた。


胸の鼓動が聞こえてくる。


「いつも通り、いつも通り」と思ってもうまくいかないのが本番。

それでもなんとか平常心を保とうとした。


試験はあっという間に終わった。


正直、手応えは良くない。


終わった後、ずっとモヤモヤしていた。


「あの解答ってあっちで合ってるんだっけ...」


不安で頭の中がいっぱいになった。


自宅に帰り、自己採点を行った。


終えると体が震えた。



「こんなんじゃ...受かるはずがない」


結果は散々だった。


センター利用でおさえようとしていたMARCHは、儚く散った。


計画通りにはいかないものか。

俺には滑り止めがない。


この時点で、早稲田受験と同時に、それ以下のランクの私大の本試験も受験しなければならなくなった。


「こんなはずじゃなかった」


ただ、浪人を決めた際の父との約束は破れない。


許された浪人期間は1年だけだ。

「何としても受からないと。男子チアがやりたいっ」


だが、本命の他に確実に受かるであろう私大をはじめ、すべり止めを受験せねばならない状況となった。


正直、早稲田大学以外どうでもよかったが、両親と相談し、早稲田の他に学習院、立教、明治を受けることにした。


それに加え本命の早稲田は5学部受験することに決めた。


浪人として失敗できないというプレッシャーを背負ってきたが、さらにそれが重くのしかかった。


それでもやるしかない。


2月から始まる早稲田入試へ向けて、とにかく俺はペンを走らせるしかなかった。


つづく
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第11話の登場人物 整理

ケイタ(俺)=筆者であり、主人公。愛知県・蒲郡市出身。豊橋東高校卒業。

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