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Keita's talk その242 モノクロとレンズ


  モノクロはシンプルな白から黒のトーンで光を再現するので、レンズの違いも楽しみやすい。

 レンズで一番大切なのは透過率という光を透過する性能。透過率が100%というのはないので、限りなくそれに近づけるために、より良い材料やコーティングが開発されてきた。

 色消しレンズと呼ばれるEDレンズもそんな材料(削材)のひとつで、特別な性質をもたせているので、特殊削材と呼ばれている。特殊削材の研究が進むことでレンズの透過率も上げやすくなる。

 色消しレンズというのは、色収差を抑えてくれるレンズの俗称。色収差は光の波長の違いで起こる色のズレ。これがあると透過率が高くてもレンズを通ってきた光が一点に集まらないので像が滲んだようになる。

 この滲みが少ない方がスッキリした印象の写真になる。色収差以外の収差もあってサイデル5収差というのがレンズに関係する主な収差。ただ、この滲みは味わいという深みを与えてくれる元になる。

 と、これ以上はちょっとややこしい話しになるので、割愛。

 結局、レンズの前と後ろのキャップを外してのぞいた時に綺麗だと感じるレンズは透過率が高い。見た目に綺麗なレンズは感じた光をそのままカメラに届けてくれるので階調の再現力も高くなる。

 そんなレンズをファインダーをこだわっている一眼レフカメラで覗くと目の前の光が一段と輝いて見える。

 大口径レンズはたくさんの光を取り込んで一番美味しい部分だけ使うことが出来るレンズでもあるので、綺麗なレンズが多い。結局ある程度お高いレンズが良いというのが基本。


 その最高峰は特殊削材オンパレードのOtus 1,4/55。


 このレンズの凄さはその美しさやレンズ性能だけでなく扱いが難しいこと。被写体や撮影距離に合わせて絞りをコントロールして、ピント位置も選ばないといけない。お高いレンズなのに、買うだけでは撮れないというオマケが付いている。


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Otus 1,4/55 F2.5

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Otus 1,4/55 F2.5


 そこまで気合の入った選択をしなくてもそこそこ楽しめるのが、01 STANDARD PRIME というPENTAXのQシリーズ用のレンズ。PENTAXのQシリーズはセンサーサイズも小さいのでレンズもコンパクト。


 その特徴は程よい切れ味と柔らかさ。


 Qシリーズというコンパクトサイズなカメラでも味わいを残してあるのは作り手のこだわりだと思う。ミラーレスなので、液晶画面を見ながら……それは愛嬌と割り切る(笑)


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01 STANDARD PRIME F2.8

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01 STANDARD PRIME F2.5


 ファインダーも含めてトータルで楽しいのは、PENTAX FA Limited の 77mm。


 このレンズはフィルム時代に作られて、デジタルでもそのまま使える類稀な1本。その特徴は味わいと言われる独特の切れ味の中にある柔らかさ。K-1の極端にいうと少しざらつきを残してあるファインダーとの相性も良く。この組み合わせで撮影していると光が一層愛おしくなる。


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smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited F4.5

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smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited F2.5


 他には……と、語り始めるとキリがないので今回はこの辺で終わり。


 そんなこだわりを感じるレンズを持つのも写真の楽しみのひとつ。そのこだわりはプリントで感じていただきたい。



 また、次回

オリジナル Keita's talk その242 モノクロとレンズ  2017年11月21日

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