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レン子とカメ爺 写真の話 その7 月例コンテスト

レン:カメ爺ィ〜。いないの〜ぉ。

カメ:なんじゃ?

レン子:あのさぁ、私、コンテストに応募しようと思うんだよね。

カメ:なんじゃ美少女コンテストか?うちわ作って応援するぞ!

レン子:何言ってんのこのボケジジィが!写真のコンテストだよ。月例コンテストってやつね。ちょっと時代つくちゃおうかと思ってるんだよね。

カメ爺:あゝそっちか。頑張れよ。じゃあな、ワシもいろいろ忙しいから今日はこれまでかな。またな。

レン:ちょっとちょっと、本題はこれからだよ。でさぁ、どんなの選べばいいのかわからないので、お知恵を拝借したいわけよ。

カメ爺:そりゃなんじゃ。失敗したくないってことか?時代を作るんじゃろ。それならチャレンジあるのみじゃ。当たって砕けてこい。

レン子:すいませ〜ん。なんか初めから失敗するみたいに聞こえるんですけど。違いますかね〜ぇ。

カメ爺:今日はなかなか鋭いのぉ。その感覚があれば大丈夫だな。それじゃぁな!

レン:なんかさぁ、初めから聞く耳持たぬって感じだよね。今日はご機嫌斜めなのかな。特別に金平糖あげるから機嫌なおしてよね〜。

カメ爺:レン子よ。お前さんの特権はなんじゃ?若さじゃろ。その若さの強みは失敗しても取り返せることじゃな。それなのに初めから保険かけるようなことを言うな。失敗したくても失敗できない年寄りを悲しませるなよ。ワシらはお前らのチャレンジを見ながら、力を分けてもらうのが生きがいなんじゃからな。恐れず進め。

レン:なるほど、勇気のお裾分けってことね。そこまで言われたら頑張るっきゃないね。でさぁ〜、どのコンテストがいいと思う。ちょっとだけ参考までに教えてたもれ。

カメ:確かにどこにだすかで、結果は違ってくるよな。ちなみにどのくらい見とるんじゃ。

レン:あははは、実は全く見てないんだよね〜。コンテストってのも良いかもって思っただけなんです。すいません。

カメ:なかなか素直でよろしい。なわけないだろ。顔洗って出直してこい。せっかくなら新年度から1年間じっくりというのも良いと思ったが、その感じだと無理そうじゃな。とりあえず審査員を片っ端から見てみぃ。そして、面白そうだと思うところに全力投球じゃ。

レン:ちょっと、ちょっと、そんなにのんびりしてたらトップトップ取れないじゃない。時代を作るからにはテッペン取らなきゃダメでしょ!

カメ:まぁそれもそうじゃが。途中から追いつけんようじゃぁ時代どころじゃないの、箸にも棒にもかからんぞ。そんな弱気でどうする?それよりお前写真はあるのか?

レン:ないよ。これから撮るんだよ。審査員さんの好みを学んでしっかり対策練って頑張るよ。

カメ:お前さん、月例なめとるな。そんな小手先で勝てるほど甘くないぞ。そんな好みで選んで順位が決まるような審査員の相手なんかしてたら時代どころじゃないのぉ〜。まぁ、初心者やビギナーの方が自由に楽しめると思うぞ。上位になると強者がたくさんおるし、ザ・コンテスト写真というのじゃないとなかなか勝てんしのぉ。上の方は結構保守的な場合が多いから、下のクラスの方が自由度は高いと思うぞ、そもそも初心者のお前さんが勝てるほど上は甘くないぞぉ。

レン:そんな弱気で良いの。そんなの初めから上位狙いだよ。時代だよ時代。

カメ:その心意気は良いぞッ。さっき保守的と言ったのは選び方が保守的になるってことじゃ。新しいことを始めるなら下のクラスの方がいいんじゃ。そこでお前の世界を見せてみろ。1年終わってなんか凄いのが来たね。と、思わせれば良いじゃろ。まぁ、できればの話じゃがな(笑)それとな、応募する雑誌が決まったら定期購読を申込めよ。ただで写真を見てもらうんじゃからそれぐらいは礼儀じゃ。

レン:定期購読なんて応募規定にないよ。そんなお金ないし。

カメ:そんな気持ちでどうする?初めから負けておるな。何事にも物語が必要なんじゃ。それにそれぐらいできんと写真は続かんぞ。コンテストだって所詮は勝負じゃ、己を知るのも大事じゃが敵を知ることも大切じゃぞ。

レン:なんか江戸時代的な話になっているような感じだけどとりあえず承知致しました。

カメ:分かったささっと撮りに行かんか。写真なんてまずは撮ってなんぼじゃ。

レン:は〜い。またくるねぇ〜。


前回のお話 金平糖

レン子:スマホが必需品の今時女子。流行っているものにはとりあえず飛びつくが、話が難しかったり長くなるといつのまにか消えてしまう。語尾を伸ばすクセがある。

カメ爺:年齢不詳。小さなカメラ屋をやりながらフィルムをこよなく愛す頑固ジジイ。なぜか?女の子は金平糖で機嫌が直ると考えている。実はレン子の影響でデジタルにも目覚めつつある。

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