テコ入れ作業 企業規模による内容の違い
時々、このような質問をいただきます。
【中小規模企業】
理論やハウツーによる指導や提案・サポートに加え、一番大きいのが「困難な意思決定の後押し」です。いくらいい提案を聞いたところで、それを実行するのに簡単には受け入れがたい決断を伴うものだと前に進みにくいです。
特に事業整理と人員削減が発生する内容の意思決定は、当然ですが難しいです。
不採算部門の整理によって売上が大幅に落ちるようなケースでも、理屈では不採算事業は整理したほうがいいのは分かっていても、これまで続けてきた仕事や取引先との関係、従業員のことを考えるとなかなか決断に踏み切れないというのはあります。
心情は理解できますが、立場上こちらが最優先しないといけないのは資金の毀損によるさらなる財務の悪化防止で、これ以上決断を引き延ばすともう資金的に立て直しも清算も困難になるラインというのもあるので、何が何でも決断してもらわないといけません。
決断をもう少し先延ばしにしてもまだ猶予はあるだろうと考える経営者の方も多いですが、困難な決断が選択肢に入る時点でさほどの猶予はなく、完全に猶予がなくなってからの決断は、より大きな心理的苦痛や経済的デメリットが発生します。
基本的にテコ入れというのは既存のやり方や考え方、体制を大きく変えることなので、意思決定周りの後押しは必要で、プランニングやハウツーの紹介よりも重要です。
【大規模企業】
指導やサポートといったニーズはほぼありません。保有している理論や経験、ハウツーを使って実際に壁を突破できるかの個人能力が求められます。
1プレイヤーとして組織が直面する壁を壊せるかということなので、問題抽出力、問題解決能力、社内外での情報収集能力、社内外での交渉・調整能力、抵抗勢力への対応力、マネジメント力、根回し、話力・プレゼン力、などなど総合的な戦闘力を求められます。
伝統的な日本式社風を持つ会社や、何かを問いかけられたら右の人を見て見られた人はそのまた右の人を見て...という会社だと、抵抗勢力が強くて政治戦の様相を帯びてきます。
業績不振は役員やマネジャーの単純な現場管理不足、なんてのが発覚したらそれはもう大変なことになります。下手に問題を露呈させると抵抗勢力と化して問題解決どころではなくなるので、該当役員やマネジャーとの水面下での合意や事前の根回しが必要になります。
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