7月28日の記録

夏になった。蝉がデカい声をほうぼうに発するようになった。僕は昆虫が好きなので蝉やらクワガタ、カブトを探したりもする。17歳にもなって小学生の時となんら変わらない。ダサかっこ悪いまま生きていくのだろう。それでも何かを楽しく行えるのならそれでいい。

僕はカッコいいものが嫌いだ。カッコいい物は絶えず嘘を孕んでいる。カッコいいものよりも生々しいものが好きだ。カッコいい奴は全員くたばっちまえ(古風な言い回しを使ってみた)。生々しく本気で物事を行えば汗もかくだろう。そして、鼻水も垂れるだろう。涼しいものなんかいらない。生が剝き出しの状態が僕は好きだ。誰からも好かれなくていい。ただ絶えず死の裏側で生に徹する。それが生なのではないか。今生きている人間よりも今まで死んでいった人間たちの方が遥かに多い。実は地球は生者の為になんかなくて死者の為にあったりするのではないかと勝手に妄想している。生の外部に剝き出しの状態を晒す事。それが生に徹するという事なんだろうと思う。

先程から使っている生に徹するというタームは何なのかを説明すると、これは昔から日本の武術の世界で大切とされてきた概念だ。何かを成し遂げるのではなくただ生きる。それが大切なのだと武術の世界では言われている。僕の表現のテーマは生の営みの表現である。ここで自分の建築の思想とも繋がる部分がある。人間が生きるという事の答えを物質的な方法で解を出す。それが僕のテーマである。

11時くらいに目が醒めた。最近眠れない事と起きれない事で悩んでいる。生活リズムをぼちぼちと直していきたい。そこから朝ごはんを食べて映画を観る。鈴木清順「殺しの烙印」。ナンバーワンを競う映画だ。それよりも昔の映画特有の隠喩のかっこよさに痺れた。暗いトンネルを歩いているシーンに僕は少し感動を覚えた。僕も演劇をやりたいなと思っている。劇団でコメディーをやりたい。まずは一人コントでも始めてみようかな。最近何かと話題の小林賢太郎が僕は好きなので彼みたいな舞台をやっても面白そうだ。最近はずっと映画とドローイングとギターをずっとやってる。いつか自分の表現を確立する表現者になりたい。そこから少し運動をした。ものすごく身体が鈍っている。頭だけ鍛えても意味がないので身体を鍛える決意をする。パフォーマンスをやる為にも身体は必要である。身体を鍛えよう。自分で建物を建てるにも身体はやっぱり大切だ。

六時に一人で夕ご飯肉炒めを食べてSRホールへ。友達のアートビルディングのドラマー仁志君がライブをするらしいので僕も行く事に。自転車で行くもSRホールの場所が分からない。一見パチンコ屋みたいな佇まいだったので勘違いして通り過ぎていた。駐輪場に自転車をとめてSRホール七階へ。鹿児島ドラム協会主催のイベントだったらしくて協会の人がいっぱい居た。学生は1000円プラスドリンクで600円。財布には2000円しか入ってなかった為400円だけしか残らなかった。そのうち100円は駐輪場の料金でなくなっていく。ドラムのダブルストロークを女性の方に教わった。その女性とイベントが終わった後20分ばっかり喋って楽しかったのだが大人の女性だったのでline聞くか迷って結果的に聞くのをやめた。もう一度会えたらいいな。アートビルディングの前田くんも来てそれなりに僕の事興味深く思ってくれた人なんかもいて満足のいくイベントだった。前田くんと仁志くんと北山くんで焼肉を食べに行きたい。イベントが終わって22時にホールを出る。鹿児島ドラム協会の人たち、前田くん、仁志くん、他の音楽やっている人たちと楽しく喋る。自分の考えに共鳴してくれる優しい人達がこの世界に居る事に驚く。これからどんどん自分の考えを伝えていきたい。夕闇に包まれた町を自転車で駆け抜ける夏休み。今までの悩みが結ばれるような気がした。僕はまだ17歳だ。いつか自分なりの仕事をして人々を救いたい。その過程として今がある。今を大切に、今も大切に。今日がきっかけで自分の進むべき方向も少しみえた。頭を揺らす。音楽を鳴らす。絵に落とす。そして街を歩く。それら全てが自分なのだ。いつも考えている事を口に出して他人に伝える事は本当に大切だ。

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