プライベートファンディング: 無名のうちから、任期用途に制限のない自前の研究費を創ろう

若手研究者が長く安定して研究に取り組める環境を創りたい。

今33歳のポスドクである私が提案する、研究費を獲得する試みです。研究にはお金が必要ですが、その獲得方法は若手かつ有名になっていない状態では限られます。また、いろんな巡り合わせで、獲得できる実力を持ちながらも、運に見放されている場合もあるでしょう。獲得できたとしても、実施上の制限があり、不正などを働く例も報告されます。ちろん生活のためにもお金は必要です。ある程度実績が揃うまでは、立場 (身分)、研究資金ともに充分に担保されない場合もあるので、私の知り合いの中にも、安定して研究が続けられないため、自身や家族の将来を天秤にかけ、不本意に研究を断念した人が多いです。このような現状に一石を投じるべく、私は「プライベートファンディング」というやり方を提案します。加えて、私自身で研究費を獲得し、研究を行った経験、投資家の経験、副収入源の不動産やブログ等の経費を税理士に監査を受けて確定申告できる立場等を全て活用して、私が人柱として「一つの実例」を提供できればと思います。

なぜプライベートファンディングか?既存の研究費とクラウドファンディング、法人化と比較して。

 私は、本記事で提案するプライベートファンディングは、科研費等の既存の研究費と、academist等のクラウドファンディング等と併用するものとして考えております。既存の研究費は用途が限定される (故に研究タイトル等を要求する) ものが大半です。故に研究費獲得には本職が認めるある程度の研究実績、クラファンには公開しても大丈夫な結果を提示する必要があり、研究を始めて早い段階で成果を出さないと不利になる傾向があります。プライベートファンディングでは、プロジェクト支援に加えて研究者に対する人として支援する枠を提案します。この枠であれば公開できる成果等を必ずしも示す必要がなく、学生等でも活用できるのではないかと思うのです。通常の研究費に加えて用途に融通が利きやすいので、時に失業時に生活費に充てるなり、小回りが利く枠組みになれば良いと思います。とはいえ、前例が極めて少ないことですので、誰かが前例になり、結果の如何に関わらず公表するのが皆のためだと私は思います。私は、自身を人柱に提供します笑

1: もらった場合は税金は? 兼業規定等に反さない?

 プライベートファンディングの場合は、もしもらった場合は受付先は個人の「所得」の枠となります。従って、多くもらえば税金が生じることとなります。通常の研究費のメリットは、税金が生じないことです。次の項目で紹介しますが、研究費として所属機関に寄付するような場合でも、受け取った時点では所得なので、税金を払う必要があります。税金を支払った後に残る金額が研究費として活用可能です。研究者番号をもっている人は文科省高等教育局、お金の取り扱いについては納税先税務署に問い合わせると良いでしょう (窓口等は官僚の友達に教えてもらいました)。

 兼業規定ですが、大学等の研究機関は、職務 (研究、教育活動) に関係ないことをするのは規定違反です。一方、一般企業の場合は、通常職務に関係したことをするのが規定違反 (同業他社に技術指導する等) です。プライベートファンディングは、本職が研究の場合、ないしは学生である場合は問題ないと考えられます。企業所属の場合も、所属の意思と異なることをする場合、所属にあるものを一切使わず所属と切り離してしまう等の方法で運用可能かもしれません。

 補足ですが、もし継続的にプライベートファンディングで安定して年間1000万円程度の活動資金を得られる場合は、法人化してしまうと税制上有利になるのでお得です。実際に、NEDOやAMED等の経産省系の大型研究費に応募するような先生方等は、資産管理のためのペーパーカンパニーを活用されている場合があります。この場合、ベンチャーキャピタルによる支援やベンチャー向けの経産省系の研究費助成からも資金調達が可能になるメリットがある反面、法人化に伴う税金が生じます。ベンチャーキャピタルによる支援を受ける場合、将来研究費が売り上げとして回収できるというビジネスモデルが必要になります。このような場合は、利益追求 (会社経営) 方向に進むのも選択肢となります。最も、方向性の違いでチームが分裂しやすいタイミングではあるので、マネジメント力が問われる局面になるでしょう。

どうやってそのお金を得るかについては、note等で事実上の寄付を募るほかにもいろいろやり方があるでしょう。例えば、誰でもやれそうな方法としては、私は楽天ROOMを提案します。楽天アフィリエイトの機能で、広告を張り、商品が売れたら収益が発生する仕組みです。楽天アカウントさえあれば誰でもできるのがポイントです。有益な本であったり、場合によっては実験機器 (例えば、純水製造装置やクリーンベンチ等も一部変えてしまいます) 等を紹介し、同じようにプライベートファンディングを行う人が活用できるツールにするやり方もあるでしょう。「自分が買うかもしれないものを張る」といった使い方です。うまくすると売れるかもしれないし、売れなくても自分用のメモになるし、維持費と手間はかかりません。売れたら1%前後 (条件によってはボーナスあり) の収益が入ります。販売者と購入者、両方にポイントが入る仕組みでお得です。ポイントは様々な方法 (楽天ペイ等) で現金同様に使用できます。そのぶんの現金が浮くと考えましょう。

2: どうやって使うのか? 寄付金? 私的管理?

結論から言うと、獲得したお金はの使い道は2通りです。①研究試料や実験機器等は大学等の所属の研究機関に「自分への寄付金という形の研究費」として寄付する形を想定しています。②旅費や論文投稿料やパソコン代等については、私的管理することを想定しています。

 ①については、研究機関を通すことで、資産が個人の所有物ではなく、公的なものとして扱われ、減価償却等の手続きを行わなくて良いメリットがあります。(今回は適応外ですが、大学の就学支援事業に寄付した場合、寄付控除が受けられます)。多くの研究費は使用期間等の縛りがありますが、「寄付金」の形でお金を用意できれば、使用期間の縛りもなく、積み立てることも可能となります。資金の出元が通常の研究費の場合、業者等に所謂プール金を依頼するのは不正利用となりますが、「自分の個人資産等から、自分の講座への寄付を積み立てる」、という形はルール上OKです。「寄付金」の扱いの研究費については、複数を合算し、年度をまたいで使うことが可能です (私自身で実施し、確認しています)。ただし、その対価として取引先企業等に便宜を図る事は禁止されているので注意が必要です。毒物や劇物等を初め、研究試薬等は研究機関を通さない状態で購入、所有、管理することはそもそも難しいです。従って、研究試料や実験機器等は①の形態が望ましいと思います。この場合使用については、公的な研究費の利用規則に則る必要があり、総額が事務経費等のぶんだけ減額されることも踏まえておきましょう。自分宛の寄付を受け付けてくれるかは所属研究機関次第となるので、事前に所属に問い合わせ、確認、ないしは交渉することをおススメします。

 ②は名目上は究者が自腹を切る形です。経費にするとすれば、確定申告時の経費の枠となります。事務経費等が生じないため、②のほうが金額自体は大きくなり、有利です。出張等では、(多くの研究費が税金や企業の出資金から賄われていることもあり) 基本的に私的な予定を挟むことは望ましくありません。また経費を少なくするため、過酷な旅程となってしまうことが多々生じます。例えば、ビジネスクラスで出張する等は、金額的に可能ではあれど、許可されない場合が多いです。例えば旅程を分割し、~はプライベートファンディングで (この枠でも、遊びにいくような用途等にあてるのは倫理的に問題があると思います)、~~は自腹、等とすれば、旅程の融通が利きやすいと思います。遊ぶ日程を組み込むような場合は 、その日だけ初めから仕事は休日扱いとし、旅費は公的な研究費から一切出さなければ、不正には問われないでしょう。書籍、パソコン等のような換金性の高い資産は不正利用を疑われやすく、公的な資金で購入すると所属機関の所有資産となりますが、私的なルートを活用すると、個人の所有物として扱うことができ、管理、運用、廃棄が容易となるメリットがあります。また、家族の雇用 (研究者の配偶者が秘書や技術職員等) は、規定上雇用できない等の制限がある場合があるのですが、この方法であれば問題なく雇用や、それに準じるお金を提供できると考えられます。

 時と場合によっては②の方法は、生活費に充てる等、ある意味失業保険に似た使い方も候補だと思うのです。人事異動等の結果、所属で内輪もめが起きたり、極端に相性が悪い場合などで、場所を変えなければそもそも仕事ができない場合が生じるリスクが考えられます。酷い場合は、何かしらの弱みを握られる等で、使い捨ての駒のように使われる場合もあるでしょう。時には、嫌がらせなどでありもしない事実をねつ造され、失脚させられるようなケースもあると言います。このような不運な状態から一旦離脱し、別の場所へ仮避難するようなことをする場合、サポートする制度は恐らく存在しないと思います。クラファンするにも説明は必要なので、ハラスメント等に起因する件で募集すれば、募集できないばかりか名誉棄損等 (罪) に問われる場合もあるでしょう。穏便に活路を開く一手として、私的にお金を調達する方法を保険に持っておくのは悪くないのではないかと思います。

3: スポンサーへの対価 (報告書、報酬等) ~ 個人への支援枠とプロジェクトへの支援枠

 スポンサーから出資を受ける場合はどんな形であれ、その対価を払うのが必須です。これは、研究費に限った話ではなく、資本主義の大原則です。株式会社が投資家に活動報告を行い、配当等で利益を還元するのと同じことが必要ということです。政府や財団からの支援を受ける場合は、その規定に則った報告をアウトプットとして提出する必要があるでしょう。もし一般レベルでファンディングするなら、出資者の要求になにかしらこたえる必要があるでしょう。故に、アウトプットを分ける意味で、個人に対する支援とプロジェクトに対する支援を 分割するほうが望ましいと思います。

 個人に対する支援、というのは、研究者自身に価値を感じた人が応援する枠です。valu等に近いものでしょうか。このような研究費は非常に少ないです。用途を問わずに使う場合や、生活費等、通常の研究費では賄えない個人支援が該当すると思います。

 プロジェクトに対する支援は、プロジェクトを説明し、当該のプロジェクト限定で支援してもらうものです。多くの研究費がこの形です。使用用途が限定されますが、アウトプットが分かりやすく、結果 (研究成果) をもって示しやすいです。

4: 私が提供できる対価

 本申請に対して、私の提供するアウトプットは以下です。(前項目の「私個人への支援」に対する対価です)。ここでは、主としてB to C方向に重みをつけた内容としています。

I. プライベートファンディングの人柱として活動し、本記事の有料項目でアウトプットすることで情報を共有します。1口でも支援を頂ければ見える状態になります。
II. (2,000円) 過去の研究成果を含む口演、または解説を行います。
III. (4,000円) 生命科学関連等、研究に関連した分野の説明等を行います。アウトリーチ活動や解説等を行います。
IV. (50,000円) 記事等のデータや内容の目利きを行います。科学者としての知見に基づき、明らかに信憑性を欠くないようであれば指摘します。
V. もし支援総額と投資家活動等の合算金額が、3,000万円を超えた場合は、寄付講座を開き、PIとして独立し私の研究室を持ちます。その際に通った過程も全て有料項目内で提供します。
VI. もし支援額と投資家活動等の合算金額がが年間1,000万円、もしくは総額1億円を超えることがあれば、若手向けの研究支援を私が行います。個人に対して年間600万円、研究費に100万円以上 (寄付金) をつかうことを条件に、生活費等にも充てていい融通の利いたものを想定しています。採択されれば、5~10年は継続するものとしたいです。特に、通常ルートで採択されにくい、何らかの事情で不運な目にあった人を救済し、通常ルートを再度活用できるようなものになることを考えています。

※注意、免責事項等
(全般). 内容、金額は当初のもので、当方の都合のみで変更する場合がございます。(II~IV). 当該の枠で重複した場合、金額が多い人を優先します。設定金額は最低値であり、内容を伺ったのち、受けるか否かの価格を決定いたします。内容によってはお受けできない可能性もございます。(II~IV)の経費は支援金額から引く形とさせていただきます。例えば、3000円の支援を頂いた方がIIで2500円の依頼をされた場合、500円ぶんの枠が残ると考えてください。

自身の買いたいもの等を紹介するとか、他の人のプライベートファンディングの支援として、このようなこともします。

5: 人柱としての私の価値: 前例の提供と、税金と嫌がらせ対策

 そもそもこのようなやり方は、一般のレールから外れるやり方なので、前例が少ないです。あえて言えば、可もなく不可もなく的なポジションの人に向いた方法です。若手のころから研究費等を総なめにしてどんどん出世するタイプの人はこのような方法をそもそも必要としないです。逆に、研究以外の方法で生活費を得るだけで精一杯とか、研究活動を行えていないような人もそのような余裕はないと考えられるので、対象外でしょう。

 私は不動産を所有しており、確定申告時に他の所得や経費等についても税理士に指導を受けられる契約をしています。従って上述のような税金などに関する知識が必要な案件に対して対処可能であり、得られた結果を報告できると考えております。

 個人で活動しているので、所属機関や同業者等は責任を問われません。私自身はブロガーであり、悪質な噂を流す等された場合は、情報の裏を取る方向に人が動き、ブログ等から私の収益に貢献する可能性があります。加えて、悪質な相手に対しては、訴訟、通報、探偵による調査等、身を守るために私はできることはやることは記載しておきます。私は下のリンクのように、口答えするし、泣き寝入りするタイプの人ではないです。

6: 1円たりともお金を出さずに、神庭圭佑を支援するには? 私の活動の趣旨に共感はすれど、お金を出す気はないという方へ

 私の活動、特に、プライベートファンディングに共感された方がおられましたら、ブログを訪問、宣伝していただければ嬉しいです。この場合は、一切お金等はかかりません。ブログの閲覧数が増えれば挿入してある広告から収益が発生する仕組みです。この広告からの収入についても、「私のプライベートファンディング」の一環として扱います。すなわち、ブログの閲覧と宣伝が事実上の私への支援となります。口座振り込み等で支援を行いたい方は下記ブログ記事を参照してください笑

S1: 実際の獲得金額と、実施報告について

実際にいくら獲得し、いくら使ったかを報告します。一口でも支援を頂ければ、報告部分を見れるようにしておきます。支援が増えれば値上げする予定なので、同じように支援をお考えの方であれば、早い方がお得になります。ちなみに、現時点で既にプライベートファンディングを活用して実施できる部分を確認しています(チーム含め、研究費でカバーできるため行っていないですが、必要に応じて実施します笑)。

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