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外資テック企業の技術面接(英語)を突破する英語力を最強コスパで身につける方法

「外資系のテック企業など、英語が公用語の会社では、それはそれは高い英語力が求められるのではないか…」

このような誤解を撲滅し、日本人エンジニアを世界にもっと輩出していくために本noteを書きました。

僕は新卒のときに英語でのコーディング面接のある会社を3社受けましたが、英語力の不足が原因で落ちることはなかったです(=初回の英語面接で落ちることはなかったので、英語力の足切りラインは超えていたと考えてます)。

僕自身、英語が公用語の会社でエンジニアとして1年以上やってきた中で、社内で求められる英語力がどのぐらいなのか肌感を持って語ることができますし、周りの日本人エンジニアの話も聞いた上でこのnoteを書いているので、それなりに信頼性はあるはずです。

本記事で伝えたいメッセージを集約すると、

「エンジニアがBigTechの日本法人の選考を突破するのに必要な英語力はとても低いので、ギリギリの英語力を身につけて面接に挑戦してほしい。英語力は入社したら嫌でも身につくし、英語力の不足でクビになることはほぼないので、心配しないでOK。Just do it!」

です。

必要な英語力については、僕はマジで以下の要素を満たせば十分だと思ってます。

  • TOEIC700点程度の英語基礎力(リスニング力、リーディング力など)

  • 自分のプログラミングの知識・経験の英語化する(これがめちゃくちゃ重要)

  • シャドーイング(YouTubeなどで生の英語に触れ、それを題材に練習する)

  • 使い勝手のよいフレーズをいくつか覚える(困ったらそれを繰り出して時間稼ぎ)

  • 瞬間英作文で中学・高校レベルの構文を使う”瞬発力”を鍛える

  • 体系的に発音を学び、伝わる発音を習得する

少なくとも日本の外資系テック企業においては、上記の英語力があれば、英語が原因で面接を落とされることはないはずです(米国などは除く)。2023年現在の日本では、求められる英語力のハードルはとても低いです。もちろん、会社によって水準は違います。例えば、GoogleとAmazonでは、Amazonのほうがより英語力を求められるようです。

実務で求められる英語力 >>> 面接で求められる英語力

僕自身、周りにほぼ日本人のいない環境で半年から1年以上働いてきました。その経験からも言えることなんですが、面接と実務では必要な英語力には大きな差があります

超ざっくりな体感ですが、面接に必要な最低限の英語力を20とすると、実務では30-50ぐらい必要で(これは入社時のポジションにより変化します)、英語非ネイティブの海外出身の同僚たちは平均して英語力50-70ぐらいある気がします。

しかし、日本にいながら日本人が、実務が余裕で回せるまで英語力(≒スピーキング力)を引き上げるのは、とても大変です。モチベーション、必要な学習量、英語アウトプットする環境づくり、などなど、挫折する要素がいくらでも出てきます。

リスニングリーディングに関しては、日本にいながらでも能力を向上させることは比較的容易ですが、スピーキングはちょっと難しいですよね。

日本にいながら実務レベルまで英語力を引き上げるのは難しい

僕の結論は、幅広い実務に対応できる柔軟なスピーキング力を、入社前に身につけることは難易度が高いので、そこに執着する必要はない、ということです。

考え方を変えましょう。

まずは何とか、ギリギリ、本当にギリギリ足切りを食らわないレベルでいいので、最低限の英語力を身につけます。そして選考を受け、気合で突破し、BigTechに潜り込むんです。

一旦会社に入ってしまえば、実務を通して英語慣れ&英語力アップしていく

各チームで必要とされる英語力は異なります。例えば、英語ネイティブの人が少ない環境では、「第二言語としての英語」が共通語となるので、比較的求められる英語力は低いです。対して、周りに英語ネイティブが多ければ、英語のスピード・語彙のレベルは高くなるでしょう。

入社したばかりの頃は、英語力の不足を感じるはずです。ですが、エンジニアとしてのスキルがあれば何とかなりますし、基本的にみんなとてもいい人なので、意外となんとかなります笑。この意外となんとかなるというのがミソです。

なんとかサバイブする方法

ヘルプを待つのではなく積極的に求めに行く、というスタンスが大事ですが、自分から声を上げる、アクションをする、というところを守っていれば、なんとかなります。もしくは、マネジャーに1on1で英語でのコミュニケーションの不安を伝えるなど、やりようはいくらでもあります。

また、不名誉なことではありますが、「日本人は異常なほどに英語ができない」というのはBigTechの日本法人においては共通の認識なので、周りからの英語に関する期待値もそんなに高くないです笑

一旦入社して業務をこなしていけば、英語力はいつの間にか上がっていきます。面接で足切りを食らわない最低限の英語力を身に着けたら、後は面接対策をして、実際に面接を受けてみましょう。逆説的ですが、英語に時間はかけすぎないでOKです(TOEFL 110点とか、IELTS 7.0を目指すのはやりすぎ)

ちなみに…

体感ベースですが、実務を十分に回せるようになると、そこからの英語力の伸び幅は小さくなっていく気がしてます。使う表現の幅が広がっていかないからですね。さらに上を目指す場合はそこからさらに、自分で負荷をかけて学習する必要があると思ってます。

「BigTechに行きたいけど英語力に自信がない」という不安は、今日、今この瞬間に捨ててください!

実際に面接でどのぐらいのスピーキング力があればよいのか?

自分の会社の同僚など、BigTechで働く日本人を10人以上見てきましたが、IELTS 6.0 前後あれば、日本法人の英語面接は足切りを食らわないはずです。

以下の動画で出てくる彼女ぐらいの英語力があれば、個人的にはむしろ、お釣りが来るレベルだと思います。参考になるのでぜひ見てみてください。



こちらのcoding interviewの実践動画も勉強になります。実際にどういう英語表現を使っているのかとか、どういう説明をすれば面接官が理解・納得しているのかとか、解像度が高まるかと。



とりあえず英語面接を受けてみることが大事

マインドブロックを破壊することが大事

「マインドブロック」こそが、日本人がBigTechに少ない要因なのかなと僕は思ってます。

一番日本人が多いはずの日本法人ですら、日本出身のエンジニアは3割切るぐらいなのではないでしょうか?(データのない体感ベースですが)

単なる英語力の不足というよりも、そもそも「自分には無理なんじゃないか」、「英語を話すことができないから、そもそも視野に入れてない」といった心の問題。試合をする前から諦めている状況です。

マインドブロックを解決するための手段として、強制的に英語を喋る環境を作ることがおすすめです。

会社に英語ネイティブのエンジニアがいたら話してみるとか、LinkedInで英語圏のリクルーターと話してみるとか。コーディング面接のシミュレーションを英語でするプラットフォームもあります(Pramp)。DMM英会話などのオンライン英会話サービスを利用して、ネイティブと25分や30分ぐらいざっくり話してみてもいいですし、最近だと、Speakというアプリが面白くて、AIと音声を通して英会話の練習ができます。

実際に英語を話してみると、「思っていたよりも自分が英語を話せるな」とか「英語全然話せないな」とか、手応えがわかります。

自分のスピーキング力が低いと感じた場合、それは自分の実力を見つめ直すきっかけになるはずです。英語の勉強により一層身が入るでしょうし、モチベーションの維持も容易になるのでは?と思います。

僕の友達にGoogleのインターン面接を受けた人がいます。その時に出されたコーディングの問題は簡単だったそうで、もし面接が日本語だったら簡単だったのに、と言っていました。しかし、英語が思うように口から出てこず、全然コミュニケーションがうまくいかなかったそうです。結果、彼は面接に落ちました。

彼はめちゃくちゃ悔しがっていました。なんであんな簡単な問題なのに、英語で説明するとなるとうまくいかないんだろうと。しかしそれがきっかけとなり、英語をより勉強するようになったみたいです。

必要にならないと学習に身が入らない(パラシュート式勉強法)

人間、必要にならないと何事も身が入らないと思ってます。強制的に英語を喋る機会を作ることで、いつの間にか英語学習が習慣になるはずです。

勉強が苦手な人向けの「遅延評価勉強法」

勉強法概要


TOEIC700点程度のリーディング力・リスニング力になんとかもっていく

英語力をリーディング力リスニング力ライティング力スピーキング力の4つに分けます。英語面接ではこの4つの力がそれぞれ必要になります(リーディングだけできてもダメ)。

このうち、リーディングとリスニングに関しては、TOEICで700点程度の力があれば、BigTechの日本法人で、エンジニアが英語面接を突破するのには十分だと思います。BigTechで働いている日本人を10人以上見てきた上での結論です。

海外の場合はわからないです。英語ネイティブが多くなると、求められる英語力の最低限のレベルも上がるのかも?と思っています。海外のBigTechは英語力以前にビザの問題がありますし、僕自身知見がそこまでないので、海外法人での英語面接については、このnoteでは取り上げません)

TOEICの点数をKPIに置くことで、リーディングとリスニングに関しては効率よくレベルアップが可能です(ただし900点以上からはコスパが悪くなるので非推奨)。

巷にTOEICの点数アップのノウハウはいくらでも転がっているので、どうにかしてこのレベルまでの英語力を上げましょう!!

TOEICが600点台程度の英語力でも、英語面接を突破できた場合もあるようですが、そこに関してはあまり確実なことは言えません。プログラミング力が鬼のようにあれば、英語力は本当に最低限でもよさそうですが、再現性を持たせるためには、700点程度はほしいですね。

自分の知識・経験を英語化する

リーディング、リスニングに関してはTOEIC700点程度でOKです。次はスピーキングです。一体どうやって対策してばいいのでしょうか。リーディングは文章を読めば力がつきますし、リスニングは英語の音声を聞きこんでいけばなんとかなります。

スピーキングは相手の返答によって、会話のパターンが無限に分岐するため、「ありとあらゆる会話のパターンに対応できる汎用人工知能的なアドリブ力(即興力)を身につけよう」と思ってしまうかもしれません。

ですが、この「万能なアドリブ力」って身につけるのはめちゃめちゃ難しいです。僕も英語が公用語の会社で1年以上働いてきましたが、まだまだ全然で
す。

発想を転換しましょう。「万能なアドリブ力」は、日常的に英語を使う環境に身を投じ、インプットもアウトプットもバランスよくしていくことで身につく力です。その力をつけるのは、BigTechに潜り込んだあとでも遅くはないです。まずは、まずは「面接を突破できるだけの最低限の英語力」、これにフォーカスしましょう。

当たり前のことを言います。

英語面接におけるスピーキングで一番大事なのは、

「喋る内容を予め用意しておく」

ということです。ぶっちゃけこれさえちゃんとできれば、スピーキング対策は半分終わったようなものだと思います。

コーディング面接で聞かれるような内容、もしくは行動面接(Behavioural Interview)で聞かれるような内容は、予めリストにしておきましょう。そのうえで、自分の回答を英語で用意しておいて、それを音読して、淀みなく喋れるようにしましょう。

ここの章に関しては、自身もBigTechを3社受ける過程で身につけたノウハウがあります。今はChatGPTなどのテクノロジーもあるため、ネットさえあれば、英語面接の対策に関しては情報格差、英語力格差もほぼなくなったと言っていいでしょう。もし需要がある場合は、もう少し掘り下げたものを別記事、もしくは本章に書きます(いいねが100超えたら書くよ?)。

シャドーイング(YouTubeなどで生の英語に触れ、それを題材に練習する)

シャドーイングをする目的は以下の2つです。

1. 英語ネイティブの人がプログラミングをするときに、どのような英語を喋るのか知ること
2. 英語面接で使えるフレーズを自分が喋れるようにすること

シャドーイングのやり方に関しては、ここでは解説しません。

ただし一つだけ注意してほしいのは、シャドーイングをする前に、英語の発音の基礎知識を学ぶことです。

間違った発音の型でシャドーイングをしてしまうと、フレーズは口から出てくるのにそれが伝わらないという悲しい事態になってしまうので。

発音については後の章にて解説しています。

シャドーイングの教材について、僕が実際に使っていたのは以下です。

  • Clément Mihailescu のYouTube (元Google, Facebookのエンジニア)

  • AlgoExpert (↑で紹介したClementのサービス。有料。プロモコードはclem、創業者の名前です。僕はこのサービスの中の解説動画に出てくる表現をひたすら真似てました。coding interviewもbehavioural interviewもカバーしてあるので、僕はこの教材だけでほぼいけました)

  • CS50 Lectures 2022 (新しくなっていたので、そちらを紹介してます。プログラミングに関する英語表現の肥やしにしてました)

  • How to: Work at Google — Example Coding/Engineering Interview(同じく、コーディング面接でどのような英語表現が使われるのか解像度が高まります。シャドーイングという感じではないです)

  • Computer Science - CrashCourse(コンピューターサイエンスの学問でどのような英語表現が使われるのかざっとおさらいできます。シャドーイングという感じではないです)


使い勝手のよいフレーズをいくつか覚える(困ったらそれを繰り出して時間稼ぎ)

枝葉のテクニックになりますが、自身の経験や知識を英語化することと同じぐらいに、基本フレーズを覚えておくことが、意外と英語面接で効いてきます。

基本フレーズを覚えておくことで、より多くの脳のリソースをコーディングに割けます。ただでさえ、英語を喋るという負荷がかかっているわけなので、極力省エネでいきましょう。

例えば「今、考えるから1分程度静かにしてもいい?」とか、「これまで自分が説明したことは、理屈が通ってる?」 みたいなフレーズです。

面接で使うであろう、全ての英語表現をカバーすることは難しいです。多かれ少なかれ、即興で英文を組み立てるときは訪れます。

そういうときに、

覚えているフレーズ

脳内で今組み立てたフレーズ

覚えているフレーズ

と織り交ぜていくと、スピーキングがちょっとは楽になるのかなと。

シャドーイング、瞬間英作文の過程で自然とフレーズは身体に染み付くはずですが、本章の内容を意識しておくと、定着度はかなり変わってくるはずです。

瞬間英作文で中学・高校レベルの構文を使う”瞬発力”を鍛える

これまでで、英語面接を突破するために必要なリーディング力、リスニング力、そして面接で話すネタを作ってきました。

実際の面接は人間と人間とのコミュニケーションなので、常に想定していない事態が起こります。会話のパターンも無限にあるので、自分の脳内で瞬間的に文章を作る瞬間が必ずあります

そういう場合に対処できるように、英語を話す時の瞬発力を鍛えます。

僕が実際にやっていたのは、瞬間英作文です。中学や高校レベルの文法でよいので、それを元に、自分の中の英語のストック(プログラミングの知識やエンジニアの経験)を使うことで、面接レベルなら大体言いたいことが言えるようになります。

僕が瞬間英作文の練習に用いていたのは以下の教材です。使い方は本に書いてあるので、特に教材を持っていない人にはこれをおすすめします。結構英語学習のモチベが上がる良い本なので、読んでいただけたらめっちゃ嬉しいです

僕は家の近くの公園で、深夜に瞬間英作文をやっていました笑


体系的に発音を学び、伝わる発音を習得する

発音はめちゃくちゃ大事なので、シャドーイング、瞬間英作文の練習をするときに同時にやってください

コミュニケーションは、相手に伝わらなければ意味がないです。面接では、面接官が可能な限りこちらの英語を理解しようと努力はしてくれますが、きれいな発音ができれば、それだけコミュニケーションは円滑になります。

ちゃんと体系立てて学習しておくと、その後の英語学習において複利でめちゃくちゃ恩恵受けられます。ぜひ、ぜひともこれを機会に体系立てて発音理論を学習してもらえたらなと。

おすすめ書籍、動画、アプリを紹介しておきます。

  • 英語耳

俺の英語人生を変えることになった本。読み物としてめちゃくちゃ面白いです。書籍という媒体の制約上、これ一冊だけだと発音を体系立てて学ぶのは難しい気がします。ですが、1) なぜ発音を学ぶ必要があるのか2) 発音を学ぶことで得られるメリット については非常にためになる解説があるので、ぜひ一冊持っておきたいですね。


  • だいじろーさん

YouTubeだとだいじろーさんの解説が超わかりやすいです。
ぶっちゃけ、この動画で座学 → ELSAで実践(補足で英語耳)で英語面接には十分だと思います


  • がっちゃん


・動画が体系立ってまとめられていない
・発音をちゃんと勉強しようと思うと有料教材に課金する必要がある(面倒くさい)

という2点から、大手を振っておすすめはできないのですが、説明が超絶うまいですし、トークがバチバチ面白いです


  • ELSA

発音は練習しないとうまくなりません。その練習に最適なのがELSAです。僕は永久ライセンスを学生の頃に購入して、BigTechの面接の前にも一通り練習しました。

ELSAが神アプリたる所以は、AIが相手なので、24時間自分の好きなように発音を練習できること発音に関する精度・フィードバックの質が高いことです。

紹介コードを持っていないのが悔やまれますが、そんなの関係なく紹介したくなるぐらいの神アプリです。

UPDATED: 2023/07/01
僕は大学3年生ぐらいの頃から永久会員でELSAを使っていたのですが、ついにELSAの案件が来たので、この場を借りてリンクを紹介させてもらいます。


僕は大学時代にフィリピンに6週間ほど留学して発音のトレーニングを受けたことがあり、比較的発音に関しては練習してきた方のはずです。そのときに学んだノウハウも持ち合わせた上での情報なので、精度は高いのかなと。

最後に

本記事の内容をまとめると以下のようになります

  • 英語力も大事だが、プログラミングの能力やエンジニア経験があってのもの。(コーディング面接に通る)技術力があって初めて、英語力が生きる

  • BigTechの日本法人で求められる英語の能力は、みんなが思うよりかなり低いので、あまり英語に時間をかけすぎず、とりあえず面接に突撃してみるべし

  • 多かれ少なかれ、BigTechへの入社後に英語力の不足で苦しむことはあるかもしれないが、周りのみんながきっとサポートしてくれるので、なんとかなる。業務をこなしていく過程で、英語力もガンガン上がっていく

このnoteで皆さんのキャリア選択が広がり、より良い人生が歩めるようになれば幸いです。僕もこんな一丁前に英語の記事を書いてはいますが、まだまだ英語力を高めていきたいですし、日々勉強中です。一緒に頑張りましょう。道は開けます!


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