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カフェに光がともった日。

過去に作った「みらいろ」を、こちらでもときどきランダムに記録として掲載していきたいと思います(内容は、2017年6月14日のものです)。
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2017年7月1日にオープンした綴café。
この日の感動は今でも覚えてる。
ここに至るまでに、まあそれなりにいろいろあった。迷惑もかけて申し訳ない気持ちとか、協力してもらえてうれしい気持ちとかいろいろな、名前のない感情をたくさん味わった。
まあ、迷惑はかけないに越したことはないけれど、こういうふうにこれからもいちいち感動したりしながら、みんなと何かを作っていけたらいいな。いい意味で、振り幅を大きく進んでいきたいな。

P.S.
小規模に飲食店を始めるにあたっての検討事項や注意点、さらに実際に経営するにあたってのことについては、経験ベースの話が多くなると思いますが、ニーズはありそうなので、記録的な意味も込めてこのnoteに順次残していこうと思います。(^-^)

カフェに光がともった日。
「今晩、カフェの照明に電気つけてみるので、ちょっと来られますか」
 2017年6月14日。綴カフェの設計・監理・デザインを手がけるエイチシンプルデザインスタジオ小山田さんから僕のスマホにメッセージがあったのは朝10時過ぎだった。
 この日は綴カフェの引き渡しの日。毎日少しずつ準備を進めながらここまで来たとはいえ、それでも時間のない中での突貫工事だった。前日も、仲間の手を借りて、遅くまで脚立に上って天井の雑巾掛けをしていた。そんないろいろな苦労を乗り越えて迎えた、引き渡しの日。
 「わかった、18時頃には行けると思う」
 僕はそう返事をすると、その日の仕事に取り掛かった─。
綴カフェの引き渡し。ここまでに至るには、短時間に考えるべきこと、やるべきことが山積みだった。
 もともとNPO法人ファイブブリッジの活動場所、コミュニティスペースであったこの場所を、その機能を拡張する形でカフェとして改装するという構想は、それまでここを活動拠点としてきた仲間のこの場所への関わり方やライフスタイルに大きく干渉することになる。そこに自分自身の考え方を伝えていくことの大切さ。そしてそれを快く理解してくれ認めてくれた仲間への感謝。
 ただのオフィス空間であったこの場所を飲食店にするために、必要な工事を許可してもらうためのビルオーナーとの交渉。それに伴い建物の用途が複合用途になるための防火対象物の用途区分の変更に伴う煩雑な費用面、手続き面での諸々。内装工事や、厨房設備を整えるために必要な打ち合わせと見積書との格闘、銀行等への融資の相談。店舗やお店のコンセプト作りと、提供メニュー決め、食器や調理器具の準備。そしてありがたい「椅子オーナー」の募集…。
凝縮した半年間に、さまざまな想いを巡らせながら、夜、HSGビルの1階に足を運ぶと、まだ椅子や、棚になる予定のリンゴ箱や、奥のオフィスに入れる机などもない、まだ工事の余韻が残る広い空間に、小山田さんと、店長になる大倉が来ていて、楽しそうに話をしていた。
「さあ、照明をつけてみましょう!」
 天井から吊るされて、おしゃれな傘をかぶったLED電球がパッと輝いた。そして、それはこれから新しくお店を始める大倉や僕の不安をつかの間、打ち消した─。
何事も、やってみなければわからない。そして何事も、一人では成し遂げることはできない。であるならば、何事も、あえて『波風』を立てて進むことだ。
 波風を立てるというと、ネガティブなイメージに捉えられるかもしれないけれど、その波紋は、実は周囲の人たちへ向けたラブコールだ。波を受けた人が、いろんな意味を持った打ち返しをしてくれて、結果として、ありがたい今がある。
 自分一人で、始めようとしないで、本当によかった。たくさんの応援という打ち返しを受けながら、このともる光を見られて、本当によかった。 

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