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リベリア出身、ノルウェー在住のエモラッパー"WPK"

最近、この曲をヘビロテしている。

この曲にたどり着くまでの経緯を書いてみたい。

ハイパーハードボイルドグルメリポート



個人的に興味があって、リベリアという国について調べていた。

きっかけは、

ハイパーハードボイルドグルメリポート」という番組をNetflixで観たこと。

これを観るまではこの国の存在すら知らなかったのだが。

番組にはこんな映像があった。

リベリアの内戦で戦った元少女兵には身寄りがなく、同じ境遇の者が多く集まる、とある場所で暮らしている。

その場所は、大きな共同墓地である。

比喩ではなく、実際に墓で寝ているのである。
日本の墓だとイメージしにくいが、その墓地は地面に穴が掘ってあり、そこをカプセルホテルのようにして寝泊まりしているのだという。

(引用:テレビ東京HP内 番組ページ)

治安の悪い国は数あれど、この映像にはかつてないパンチがあった。何より、墓で寝る人が実在するという事実に。

一応、該番組はグルメリポート番組なので、

一般家庭の「コーンポタージュ&フライドフィッシュ」や、

エボラ出血熱サバイバーが食べる「オクラとパイプフィッシュのネバネバご飯」や、

少女兵が食べる「ジャガイモの葉っぱカレー」などの食レポもするのだが、「人が墓で寝る」ということのパンチが大きく、あまり入ってこなかった(美味しそうではあった)。

リベリアって、どんな国?

というところで、俄然、リベリアという国に興味を持ち、いろいろ調べてみた。

サミュエル・ドゥミという前大統領が人々の恨みを買い、非業の死を遂げたこと、現在は元サッカー選手が大統領であること、「リベリアの白い血」という、日本人が監督したリベリア映画があることなど。 

また、

「ラリー・チャールズのデンジャラス・ワールド・オブ・コメディ」のシーズン1、パート1の後半にもリベリアが登場する。

この番組のコンセプトは、

「笑う理由が1つもない場所のコメディーについてさぐっていく
その国のコメディーについて知れば
その国の過去 現在 そして未来がわかる」


とのこと。

ラリー・チャールズはリベリアについてこう語る。


「完全にイカれた国だ 
解放された米国の奴隷が建国し 
逆に現地人を奴隷化した
やがて現地人はキレ始め
大統領と大臣13人をビーチで銃殺
しかも公衆の面前で」
「これは残虐極まる内戦の発端となった
常軌を逸し 呆れるほど残酷
限界を超えた まるで傑作のホラーコメディのようだ」
「笑うべきか 叫ぶべきか?
危険なお笑いには最適の国だ」

番組では、極限の状況をユーモアに変えて笑い飛ばすリベリアのコメディアンが登場する。

「ハイパーハードボイルドグルメリポート」では見られなかった、リベリアのお笑い文化という一面を見ることができた。こちらも興味深い番組なので、ぜひ観てほしい。

そしてWPKと出会う

さてこの曲だが、いつもチェックしている"Bandrec"さんが作成したspotifyのプレイリスト"Release Radar|Hiphop & Rap"で知った。

juice wrldっぽいエモさがあるので、個人的に好みだなぁ、と思ってWPKのプロフィールを見てみると、

「リベリア生まれ、ノルウェー在住のミュージシャンである。」とある。

ちょうど、リベリアに縁があるお気に入りのミュージシャンを探していたところだったので、タイミングが良く、彼には勝手に縁を感じた。

彼の声は、憂いがあって良い。

彼のinstagramのプロフィール欄には、こう書いていた。

Broken,Suicide,Pain,Hate,
Be strong,you're not alone

ヒップホップは近年、怒りや憎しみ以外にも、それまではロックが担っていた、憂いや悲しみも表現しているが、彼は後者の有望な旗手のひとりとなろう。

リベリアの食文化、お笑い文化、そして音楽を知ることができた。

WPKの新作が楽しみでならない。

https://note.com/qbcqbc/n/n3bd34ef3ef04

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