「結果論で後から言われるとむかつく!後知恵バイアスの真実とは?」

はじめに

「皆さんも経験があると思います。何かがうまくいった後で『やっぱりこうなると思ってた』と言われると、『後から言うのは簡単だよね』と思ってしまいますよね。実は、これには心理学的な理由があるんです。それが『後知恵バイアス』というものです。この後知恵バイアスについて詳しく見ていきましょう。」

エピソード

今の時期の押井営農組合は田植えの真っ最中。田植えのための苗をライスセンターの前の広場で管理しています。でも、ここ最近は鹿が増えすぎて、置いてある田植え前の苗が鹿に襲われるということが発生しています。たまらず、夜にブルーシートをかけて守るという対策をするようにしています。

そんなある日、二日間雨が続いた日がありました。通常の晴れの日であれば、昼間にブルーシートを剥がして日に当てるのですが、二日間の雨の日はかなり雨も強くて気温も寒かったので、ブルーシートを剥がしたほうがいいかなと思いつつも、そのままにしておきました。

雨が明けた翌日の朝、ブルーシートを剥がしてみると、一部の弱った苗がカビていることに気づきました。うわー、やらかしたと思って、一緒に働いているH氏に言うと、『カビるに決まってるじゃん!』と言われました。その時、僕は『はぁ?』とむかついたので、『だったら、どういう状況でどういう基準で判断したか教えてくれん?』と問いました。H氏は『朝開けるときに、もわっとするもん』と言いましたが、『でも、それは晴れた日の朝の話であって、昨日までの状況とは違うじゃん。結果論じゃないの?結果論で言わんでくれん?』と返しました。

結果論でさもわかっていたかのように、後からどうのこうの言ってくるとむかつきますよね。こういうのが、後知恵バイアスの典型的な例なんです。

後知恵バイアスとは?

後知恵バイアスとは、出来事が起こった後に、その結果を予測していたと誤認する認知バイアスの一つです。

:例えば、試験の結果が出た後で、「この問題が出ると思ってたんだよね」と言われることがあります。でも、本当に試験前にそう思っていたかどうかは疑わしいことが多いです。

なぜ後知恵バイアスが起こるのか?

心理学的背景

  • 記憶の歪み:結果を知った後で、過去の予測を正確に思い出すことが難しくなります。

  • 認知的一貫性:人は自分の過去の判断が正しかったと信じたい傾向があります。

  • 自己防衛:失敗や誤りを認めたくないため、過去の自分が正しかったと信じることで自己防衛を図ります。

後知恵バイアスが人間関係に与える影響

:結果が出た後で「やっぱりそうなると思ってた」と言われると、まるで自分の努力や判断が無視されたように感じることがあります。これが繰り返されると、人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。

後知恵バイアスへの対策

  • 客観的な視点を持つ:出来事を客観的に評価し、過去の予測と実際の結果を区別する。

  • 記録を取る:予測や意思決定のプロセスを記録しておくことで、後から正確に評価できる。

  • 他人の視点を取り入れる:他人の意見や視点を取り入れて、自分の認知バイアスを修正する。

  • 反省と学習:自分の誤りを認め、そこから学ぶ姿勢を持つ。

  • 状況の再確認:相手にその時の判断や予測の根拠を問いかけ、具体的な状況を再確認する。

実際の対処法

:例えば、会議やプロジェクトの前に、予測や仮定を明確に記録しておくと、後で結果が出た時に後知恵バイアスを避けることができます。また、他人の意見を積極的に聞くことで、自分の視点が偏らないようにすることも重要です。また、状況が発生した際には、相手に具体的な判断や予測の根拠を確認することで、後知恵バイアスを防ぐことができます。

おわりに

「『やっぱりそうなると思ってた』と言われるとイライラすることは避けられませんが、後知恵バイアスについて理解し、その対策を取ることで、より健全な人間関係を築き、正確な意思決定を行う手助けになります。次回、同じような状況に直面したときには、今回紹介した方法を試してみてください。」

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