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決算内容から見た「note」の現在地📔

僕たちが普段お世話になっている「note」が先程第3四半期の決算短信(PDFファイル)を発表しました。noteは昨年末に株式上場していて、約3ヶ月ごとに一連の決算情報を開示しています。
株価とは違い、決算結果が直ちにユーザーの利便性等に影響を及ぼすことはないと思われますが、本サービスと長く上手に付き合っていくためのヒントが散見していると思われるので、投資家目線だけでなくユーザー目線でも今回の内容を確認していきたいと思います。
ちなみに以後何度も出てくる「決算説明資料」(PDFファイル)のリンク先は全て同じなので一旦別タブで開いていてすぐに確認できる状態なら毎回開く必要はないです。また「〇〇P」はページ数です。(例45P=45ページ)


noteが目指すのはインターネット上の「街」

当社はnoteというプラットフォームをインターネット上の「街」と捉えており、個人・法人に関わらずあらゆる人が集まり、インターネットにおける創作・ビジネスをはじめとしたあらゆる活動の本拠地となることを目指します。直近決算説明資料45Pから引用、PDFファイル)

とあります。一方で、「ご利用規約」の一つ「noteクリエイター規約」(リンク先中段~)の「9.禁止事項」には、合法であってもいわゆる18禁的な内容はNGとしているようなので、「あらゆる」という意味は現時点では法令よりは少し狭い範囲内に限定しているとも解釈できそうです。

また、同社のMission(使命)として、
だれもが創作をはじめ、
続けられるようにする。

ということを掲げていて、クリエイターを支援することに注力すると読み取れると思います。(同決算説明資料52P)

他に、いわゆる中の人々に注目すると、直近の有価証券報告書(PDFファイル)によると(12P)、中規模で社員は少し若め、給料は割りと良さそうな会社であると推測されます。

従業員の状況

決算内容ピックアップ

個人的に気になった内容に限りますが、売上が伸びたこととコスト削減強化で赤字額が大幅に縮小されて黒字転換までもう少しのところまで来ているように見えます。(決算説明資料5P)

赤字の大幅縮小(決算説明資料より)

noteの業績は、3者(クリエイター・コンテンツ・読者)の相乗効果で自律拡大するモデルに基づいて順調に伸びているようで、この記事もnoteの無償広告宣伝活動に一役買っているのかもしれません(笑)。また、課金している読者や利用者の推移も順調そうなので、この点も赤字の解消が見通せる大きな要因の一つだと思います。(決算説明資料18P-23P)

成長モデル他

また今後は個人のクリエイター向けの「note」自体の成長を土台にしつつ、「note PRO」への注力も加速させていくように見えます。(決算説明資料44P)

今後は法人向け情報発信プラットフォーム「note PRO」にも注力

他には、記事や画像等のコンテンツ作成が容易になる各ツールの提供、個人や法人だけではなく各自治体や高校等の教育機関とも連携してユーザー層の裾野を広げようする取り組みを拡大、ポイント制の導入予定等々への言及があり、野心的にビジネスチャンスを伺っているように感じます。

上場以降の株価の値動き

1年足らずなのでチャートは短くなっています。右側のギザギザの灰色部分は無視しても良いです。

上場以降の株価の推移(週足、下の数字は日付、例えば23年1月。右の数字は株価、単位は円)

値動きを後追いした限りでは、一時期加熱して上昇して行った株価が投資家の失望と共に初値付近まで売り込まれ、現状は再上昇の機会を伺いっているようにも見えます。

決算と同時に通期業績予想修正(PDFファイル)も発表されていて、予想利益額(経常利益-4.5億円=4.5億円の損失)はマーケットコンセンサス(同-4.49億円)と同程度のようですが、内容はまちまちで決算発表明けの月曜日の値動きが正直どうなるかはわかりません。個人的には今回の売上高予想が前回予想の下限での伸び幅な点が少し気がかりです。

-4.49億円のリンクから飛べるSBI証券のページの内容

終わりに

今回の決算を確認して感じた点は、業績は伸びているとは言ってもまだ利益は出ていないので投資対象としての可否のバリュエーションは難しく、投資家目線としては「よしイケるぞ」というような確信は個人的にはまだ持てません。投資したとしてもせいぜい打診買い(少額投資)程度かなという感じです。ユーザー目線としては、利用者の裾野がますます広がって行き、さらなる利便性向上や収益化の機会も拡大されて行きそうな感じが見受けられたので、「いずれは僕のコンテンツもマネタイズされちゃうんじゃないの?」という淡い期待を抱きつつこの辺で終わりたいと思います。

この記事をご覧になっているということは、みなさんも何らかの形でnoteをご活用されていると思うので、企業業績から見るnoteの現状確認として、また、活用する上での何かしらのヒントが転がっているかもしれないので、比較的見やすい「決算説明資料」(PDFファイル)だけでもざっと目を通してみてはいかがでしょうか。
☆了☆


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