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菊花

 朝鮮王朝前期明宗時代(1545~67年)の晩秋のことである。
 主上(国王・明宗)は弘文館に満開の黄菊がこんもりと植わった鉢を送り、詩を読むよう命じた。王宮図書の管理やその他学術関係の事柄を扱う部署である弘文館で働くものであれば即時に詩の一つくらい詠じられると思われたのだろう。
 黄菊を見て真っ先に詠じたのは宋純だった。
「風霜が降りる時にようやく花開く黄菊を
 美しい鉢に盛って玉堂に送って下さったのは
 桃李になるなかれ とおっしゃる御心からなのでしょう」
 この時調(朝鮮式短歌)を聞かれた主上は、我が意を得たりと微笑まれたのだった。

どこかで聞いたようなストーリーになってしまいました(苦笑)

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