悪質な探偵業者を避けるための4つのポイント


悪質な探偵業者を避けるための4つのポイント


はじめに


「探偵に依頼したい」と思っていませんか?

医者や弁護士とは違い、探偵は国家資格ではないです。
誰でも探偵業を始められるので、サービスの品質などにバラつきがあります。

市民に知識がないのをいいことに、詐欺まがいなことをする探偵もいます。
自治体の消費者センターと似た名前を使い、契約まで誘導するところさえあると言います。

また、国民生活センターの調査によると、2016年4月~11月における探偵業者に関する相談件数は、4430件に及びます。

今回は契約前を中心に悪質な探偵業者を避けるためのポイントを、4点紹介します。

ぜひ、最後までご覧ください。

1、できないことを謳っていないか

まず、探偵は何でも屋ではありません。

探偵が行う業務は探偵業務と言い、警視庁のホームページでは次のように説明しています。

“・他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として
・面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い
・その調査の結果を当該依頼者に報告する

この枠から外れたものは、探偵業務ではありません。あくまで探偵は調査を実施後、依頼者に結果を報告するだけです。

また、警視庁では、詐欺被害の解決や返金を謳う探偵業者への注意喚起をしています(※)。

探偵はワンクリック詐欺や不当請求の返金はできません。
ひどいものには、「特定の女性と交際できる」と言って、金をだまし取ったケースもあるようです。

こうした被害を受けないためにも、調査と結果報告だけをする探偵を選んでください。

(※)https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/higai/tantei_trouble.html

2、もぐりの探偵ではないか


依頼するときは、足を運んだ探偵の営業所に「探偵業届出証明書」があるかを確認することが大事です。ない探偵は、いわゆるもぐりです。

そもそも、探偵は警察署に届け出をしないと、始められません。都道府県の公安委員会に警察署を経由して探偵業の営業開始を届け出ることが必要です。
受理の証明書が「探偵業届出証明書」となります。

届け出には資格が必要で、次に該当する者は、探偵業務をできないと定めています(探偵業法第三条)。


1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2.禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
4.暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
5.心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの(精神機能の障害により探偵業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者をいいます。)
6.営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記1~5又は下記7のいずれかに該当するもの
7.法人でその役員のうちに上記1~5までのいずれかに該当する者があるもの

5年という制限はあるものの、前科のある者や暴力団員は、営業の届け出が受け入れられません。
届け出が無い場合は、こうした保証さえありません。

そのため、営業所に「探偵業届出証明書」があるかを確認することが重要です。

同じく警視庁のホームページに、


探偵業者は、探偵業届出証明書を営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。また、探偵業者は、契約を締結しようとするときは、あらかじめ、依頼者に対し、探偵業届出証明書の記載事項について、書面を交付して説明しなければなりません。

とあります。営業所に行っても「探偵業届出証明書」が確認できないところは、候補から除外しても良いです。ちょっと探して見当たらない場合は、現物を見せてもらえるように頼んでみてもいいかもしれません。

また、「探偵業届出証明書」は、本社を含めた全営業所で発行する必要があります。

そのため、足を運んだ営業所に「探偵業届出証明書」がないことは、ありえません。
探偵と契約する場合は、FAXや電話などではなく、直接営業所に足を運び、しっかりと確認しましょう。

3、契約時の書類は揃っているか


契約時の書面をよく確認することが必要です。探偵業法(第7条~10条)では、契約時に書面を交付することが義務付けられており、その内容も規定しています。

不備がある、もしくは書面が揃っていない場合は、その時点で法律違反をしています。悪質な業者の可能性があると言ってもいいでしょう。

では、具体的にどのような書面が必要なのか。
一般的には、①誓約書②重要事項説明書③委託契約書の3つとされています。
順に説明します。


  • は、依頼者が探偵に誓約する書面です。調査結果を「犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない」と誓約する内容です(探偵業法第七条)。


  • は、契約前に探偵が依頼者に交付する書面です。「重要事項説明書」には、探偵業者の名称をはじめ、探偵業務の対価や契約の解除に関する事項が書かれています(探偵業法第八条)。契約前によく確認することが重要です。


  • は、契約書です。締結後に交付する書面で、調査結果の報告方法や契約金額、支払方法などが書かれています(探偵業法第八条)。

契約時には、①から③の書面が全て不備なく揃っていることが必要です。

なお、書面の交付がなかった場合は、交付から8日までクーリングオフ制度の利用ができます。
不備があった場合も、探偵業法に従った書面の交付から8日間が、クーリングオフの対象となります。

また、②の重要事項は、交付義務はもちろん、契約前に説明する必要があります。説明がない場合は、同じくクーリングオフ制度が使えます。言ったかどうかの水掛け論にしないためにも、録音をしておくと安心です。

4、成功報酬型の料金プランに注意

候補を探しているとき、「調査がうまくいかなかった場合は、報酬を払わなくて良い」と謳う探偵業者を見たことはないでしょうか?

この料金プランを成功報酬型と言い、違法ではありません。
「成功」を謳っているだけあり、料金設定も割高なところも多いです。

いかにも良心的なサービスだと思うかもしれません。
しかし、成功報酬型は、トラブルが発生しやすいと言われています。

原因は、「成功」の定義が探偵と依頼者の間で違うケースがあるからです。

例えば、浮気調査。依頼者は「浮気の決定的な証拠」を求めているとします。探偵業者は依頼者が思うより弱い証拠で「成功」と見なしてしまうかもしれません。
「ラブホテルに入るところ」や「手をつないでいるところ」を抑えてほしかったのに、「喫茶店でお茶を飲んでいるところ」を提示されても困りますよね。

こうしたトラブルのリスクが、危険と言われる理由です。
契約方法によっては、成功報酬と言っても、着手金など別途費用がかかるケースもあります。
契約時にしっかりと、「成功」の定義や料金の確認をして、トラブルを回避しましょう。

また、勤務先調査や住所調査など、探偵にとって難易度の高くない調査で、成功報酬型の料金プランを提示し、相場よりも遥かに高い料金を請求するケースもあると言います。

複数の探偵業者を当たり、相場感覚を身に着けてから契約に進むことをおすすめします。

・おわりに

以上、探偵に依頼したい時に気を付けたいポイントを4点紹介しました。

悪質な業者も多く、良い探偵に出会うのは、簡単ではありません。
問題解決のきっかけになる調査が、トラブルのもとにならないことを祈ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?