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EP「LIFE」対談 こぼれ話

2022年、すっかり新しい気持ちになっていますが、昨年残していたものがありました。対談記事に載せきれずカットされていた部分です。

昨年6月、EP「LIFE」についてプロデューサー・キーボーディスト宮川純くんとの対談記事を音楽メディアMikikiと、Blue Noteのウェブに掲載していただきました。インタビューアーは、instagramを中心に”音楽を紹介するひと”として活躍する、はろーさん。世代もシーンも私たちのとても近いところにいる、はろーさんだからこその視点で、想いを引き出してくれました。長いけどぜひまた読んでください。

Blue Note版: 前半は同じですが、後半は演奏面について語っているMikiki未収録の部分を掲載しています ↓こちらもぜひ。

はろーさんにとって、インタビューのオファーは初だったそうで、趣向を凝らして準備をしてきてくれました。驚いたのは、おもむろに取り出されたスケッチブック2冊。純くんと、互いについての質問をフリップボードで回答するコーナーを用意してきてくれたのです!これは今回の記事で、サウンド面だけでなく私の人間っぽい部分や、同世代の仲間と作った今作の背景にある絆みたいな部分を引き出せたら、と工夫してくださった嬉しい試みでした。かなり盛り上がったのですが、文字数と構成上でカットに。。。
いつかnoteとかで紹介します、と言ったままだったので、その未収録部分を下記に掲載します。(話の流れ上、公開版と重複してるところもあります)
それではどうぞ。


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Cotton Club併設のレストラン”Resonance”にて / photo by 三浦えり

未収録トーク

 ― ここからはSSW大和田慧の魅力、プロデューサー宮川純と、参加メンバーとの信頼関係についてさらにフォーカスしていきます。(フリップを渡しながら)こちらのフリップにお答えください。【お互い人としての素晴らしさはどこ?】

宮川:【諦めないところ】本当に諦めない。音に対してもそう、追求をやめないんです。自分の理想の音に近づくために、メール一本入れて、LAのライブハウスまで行って憧れのジョン・ブライオンにプロデュースを直談判しに行くんですよ?友達でも知り合いでもないのに、、、、。彼女の尊敬できる所の一つです。妥協が全くない。

― 初めて一から一緒に作り上げていく中で、今回も感じましたか?

宮川:完成間際の最後の最後まで、メロディーラインや、メロディーの起伏にあわせて言葉が乗っているかどうか、微調整や確認をしていました。音と言葉のマッチングに拘った作品ですので、我々トラックを作る演奏する側もそれに応えたいと思うので、自ずとブラッシュアップされていくんです。

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― なるほど、僕まで嬉しい気持ちになってきました。慧さん、どうぞ。

大和田:【相手のために自分がどんな力になれるのか、ものすごく考えるところ】です。 どのプロジェクトでもきっとそうしてるんだろうと思うんですけど、自分がもう一歩先、何をもたらせるか常に考えてくれている。これは本当に凄いことです。私は自分の活動において、「私自身が常に迷わずビジョンを明確にしていないと、サポートしてくれるみんなを困らせてしまう。全て自分でできるようにならなきゃ」と思っていたところがあって。なんでも抱え込みがちでした。そんなあるとき、ライブのあとで「もっと俺たちを頼って、任せてくれてもいいんだよ」と純くんが言ってくれたことがあって。その言葉が本当に有り難かった。確かに、たとえば私の頭のなかにイメージがあっても、ライブやレコーディングで具体的にどう演奏したらそうなるのか、どう伝えたらいいのか方法がわからないことも多く、辿り着くのに時間がかかっていました。それ以来、百戦錬磨の純くんにバンマス(バンドマスター)をお願いするようになり、私もみんなも格段にやりやすくなりました。一回一回のライブやレコーディングが終わったそのあとも、そのもう一歩先へ、「もっと良くするにはどうしたらいいんだろうか?」と一緒に考えてくれる心強いメンバーに出会えたんです。だからこの作品も一緒に作りたいとお願いしました。

―今作以前は、(大和田は)基本的には作り込んでから、お願いするスタイルがほとんど。とおっしゃってましたもんね。

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宮川:うーん、これはモノンクルにしても、荒田にしてもkiki vivi lily にしても、そう言う仲間ばっかりなんです。馴れ合うとは違う意味で、「お仕事」のスタンスで来てる人や現場が少ないんです。みんなで作り上げていく音楽の素晴らしさを様々なプロジェクトで経験してきていて、プロデュースをする立場としても還元すべきだと思っています。自分にとって特別なことをしていると言うよりは、僕も助けてもらうことが沢山ありますし、築き上げた関係をここに持ち込んだと言う形です。単純にプレー以外でもどれだけ貢献できるかということは、プレーヤーとしての価値にもつながっていくと思います。なので、もっと背負い込まないで気楽に接していいんだよ、と言うことを話しました。

― 素晴らしい信頼関係が伺えます、、、もうひとついいですか?【音楽面でのお互いの素晴らしさはどこ?】

大和田:【洗練されたものの奥に、秘められたもの】です。そもそも、まずプレーがスペシャルじゃないですか?笑

―間違いないです。大好き。

大和田:それに尽きるとは思うんですけど、一見すると現代的に洗練された感じがするけれど、その裏にある情熱や色気。古き良き音楽のフィールや尊敬、人間臭さがにじみ出る魅力があるんですよね。それに、シンプルな中、魂を注いでるバッキングが本当に素晴らしいんです!

宮川:いいソロが取れないよりも、いいバッキングが取れなかった方が凹みますもん。主役の聞こえ方に大きな影響が出るのが伴奏ですから。だけど、自分にしてもドラムの伊吹くんにしても、隙さえあればいいことやってやると言う野心は持っているんです。立てるだけの演奏は結局ボーカリストのためにならない場合も。

大和田:その発言を受けて、シンガーにとって一番ありがたいのは、ボーカルを生かしながら、裏での凄まじい差し合いに、私もエモーショナルになって体温がガーッとと上がるんです!その熱がお客さんにも伝わってると思うし、このバンドの魅力!

― なるほどな〜、ボーカリストの視点ならでは!

宮川:音楽面の良いところは、【メロディー、詩の強さ。ずっと聴いていられる声の心地よさ】です。慧ちゃんの歌には、シンプルでスッと入ってくる分、いい隙間があるんです。全部埋めちゃうやりきる形のシンガーもいるんですけど、周りを巻き込む、いい余白がある。だからと言って、演奏はやたらめったら埋めに行くのではなく、難しいことなんですけど、息遣い、グルーヴ、シンプルなプレー、そこにこだわりがいがあります。演者としても非常にやりがいを感じる。僕が彼女と音楽を作り上げたいと思った大きな理由のひとつです。参加してくれた全てのメンバーも同じ気持ちで挑める、大和田慧の楽曲の懐の深さなんです。全員歌のことをとっても大事にしてくれました。

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― 素晴らしいチームですね。慧さんはメンバーについて溢れすぎていて、話が止まらなくなるって伺っていて。笑

大和田:嘘偽りなく、本当にみんなが大好き。同じ曲でも、このメンバーで演奏すると思いを届けられる量が全然違って、魔法のような事が起きると感じています。出会えて本当に嬉しい。

―(中略) ありがとうございます!作品を作り上げる歳月など、総括いただければ。

大和田:今回、ほぼすべての録音を宅録(=セルフオペレーションによる自宅録音)で行なったのですが、メインボーカルまで全部宅録するのは初めてで。めっちゃくちゃ何度も歌いました。完全に自分との戦いです。最初「Seasons」を録り始めたのが、去年の1月なので、、、、、、一年五ヶ月くらいじっくりじっくり戦っていました。時間の制約なく作れるのが宅録の利点ですね。

宮川:うん、コロナ禍だからできたことでもあったよね。全てのプレーヤーが宅録りに力を注いで、それぞれがサウンドメイキングの部分でも技術が熟したミュージシャンというのも大きかった。宅録りのメリットはとことんフルに使えたので、、、、、、、

大和田・宮川: やり切った!!!!!


(未収録トーク おわり)interview: はろー / photo : 三浦えり

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はろーさんも一緒に。ありがとうございました!



また「LIFE」と、インタビュー本編、楽しんでくださいね



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