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【イベント案内】『地下出版のメディア史』展──珍書屋から辿る軟派出版の世界

今年(2022年)の3月に出版され、各所で紹介され話題となりました『地下出版のメディア史』ですが、この度、本書に掲載されている本などの実物を見ていただける展示企画が決まりました! 

■開催概要
『地下出版のメディア史』展——珍書屋から辿る軟派出版の世界
[主催]慶應義塾大学出版会 [共催]東京都古書籍商業協同組合

【日時】11月30日[水]—12月14日[水]
【休館日】日曜・祝日 
【開館時間】10:00~18:00 ※土曜17:00 まで 
【会場】東京古書会館 2階情報コーナー アクセスマップ
【料金】無料

 本展示は、大尾侑子『地下出版のメディア史──エロ・グロ、珍書屋、教養主義』(慶應義塾大学出版会、2022年)の刊行を記念して、著者の家蔵史料のなかから、戦前昭和の「珍書屋」が頒布した軟派出版関連史料(書籍、雑誌、内容見本、チラシ類)、とりわけ梅原北明(1901-1946)とその周辺人脈にかかわる媒体を公開する試みです。
 1920年代、日本社会では書物の大量生産が可能になり、従来は一部のインテリのものであった読書行為が大衆にも広く普及していきました。そんななか、書店に流通する公刊本が満たすことのできない特殊な欲求を満たしたのが、会員限定で頒布された媒体でした。なかでも検閲により発禁の対象となった「エロ(性・風俗)」や「グロ(猟奇・犯罪)」といった内容を扱う媒体の執筆、編集、印刷、製本、広告までを一手に担い、公刊流通のルートとは異なる独自の流通網を作り上げたのが「珍書屋」です。
 現在でも「エロ・グロ」といった内容を扱う雑誌や書物は「低俗」な「低級文化」と見なされることが珍しくありません。しかし、それらの歴史を遡ると、まったく異なる一面、すなわち単なる「猥本」とは切り捨てられない近代日本を“裏道”から支えた知的水脈が広がっていました。本展示では、「エロ・グロ・ナンセンス」という言葉が都市文化を席巻した時代の前史としての「軟派出版」の世界と、そこで活躍した書き手や出版人の営みを、稀覯資料の数々から振り返ります。

共催の東京都古書籍商業協同組合(以下、東京古書組合)さんは、一般の方がよく利用されている古書検索サイト「日本の古本屋」を運営しています。

今回、東京古書組合さんに会場として提供していただいた「東京古書会館」は、通常は、プロの古本屋さんが本の仕入れを行う「古書交換会」が行われていて、「古書交換会」には一般の方は入れません。今回は、そちらの2階の情報コーナーにて、特別に展示を開催できることになりました。実は、いろいろなイベントが開催されているところです。→お知らせ一覧

展示とともに、関連プログラムの開催も企画しています。詳細が決まりましたらお知らせいたします。

関連プログラムの開催が決まりました!

【関連プログラム】
大尾侑子『地下出版のメディア史』展開催記念トークイベント 
「地下出版のなかの珍書・奇書を語る!――自由の探求/抑圧への叛逆」 
島村輝×大尾侑子 

【日時】2022年12月10日[土]14:00〜(13:30開場)
【会場】東京古書会館 7階
【料金】無料
【申し込み】申し込み期限は、11月14日 10:00です。
【定員】50名限定(お申し込み多数の場合は、抽選となります。)
 定員に達しましたので、申し込みは終了しています。
 諸事情により、録画配信は中止となりました。

 戦前の日本の地下出版文化において、梅原北明を中心とするさまざまな「裏」知識人たちが珍書・奇書を世に送り出し、全国の読者に届けようとしました。そのエネルギーの源は何だったのでしょうか。そしてその珍書・奇書はどのようなもので、現代のわたしたちにとってどんな意味をもつのでしょうか。『地下出版のメディア史』著者の大尾侑子さんと、プロレタリア文学研究を中心に、エロ・グロ関連雑誌『変態・資料』『グロテスク』『談奇党/猟奇資料』等の復刻を監修した島村輝さんのお二人に濃厚な地下出版トークを繰り広げていただきます! 乞うご期待! 

島村輝(しまむら・てる) 
フェリス女学院大学文学部教授。日本近代文学会代表理事。 専門は日本近現代文学・藝術表象論。 
主な著書に、『臨界の近代日本文学』(世織書房、1999年)、『アジアの戦争と記憶』(共編著、勉誠出版、2018年)、『小林多喜二の代表作を読み直す (読み直し文学講座)』(かもがわ出版、2021年)などがある。エロ・グロ関連雑誌『変態・資料』『グロテスク』『文藝市場』『カーマシヤストラ』『談奇党・猟奇資料』の復刻版を監修。 
 
大尾侑子(おおび・ゆうこ) 
東京経済大学コミュニケーション学部准教授。2014年、東京大学大学院学際情報学府博士後期課程満期退学、博士(社会情報学)。 
主要業績に、「デジタル・ファンダム研究の射程──非物質的労働と時間感覚にみる「フルタイム・ファンダム」」(『ポストメディア・セオリーズ――メディア研究の新展開』ミネルヴァ書房、2021年)、「「白ポスト」はいかに“使われた”か? ──1960-70年代の悪書追放運動におけるモノの位相」(『マス・コミュニケーション研究』100号、2022年)など。 

↓本書の「序章」の一部を「試し読み」できます。

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