ダブルジョーカー

こんばんは、大島です。

全日本インカレ標準の締め切りもいよいよ今週末ですね。
4継の標準切れたことは正直ほっとしています。

六大から最前線でリレーチームを牽引してくれている菅原、ハムを千切りながらも決勝を走った岩政、そして関東選手権のためにダイエットを頑張った岡村には本当に頭が上がりません。
他にも、関東インカレや慶同戦で沢山迷惑を掛けてしまったにも関わらず、支え続けてくれた方々には感謝しかありません。

とはいえまだスタートラインに立てただけなので、出場して終わりにならぬよう、最高の結果を求めてここからは攻めに攻めまくってやります!
それが自分にできる最高の恩返しだと思うので。

さて本題です。

関カレや全カレで標準締め切りが迫る度に、毎回自分が気になることがあります。

それは部員がその大会の出場を「目指す人」と「目指さない人」に極端に二分化される事です。
このどちらに分類されるかは、SB/PBがいくつといった統一された定量的な水準に達しているのかではなく、過去の記録がどうであれ、標準を切ったりリレーのメンバーに入れる様なタイムを出して「出場してやる」という気概を本人が持っているかどうか次第だと思います。

もちろん怪我だったり、そもそも重視している大会が違ったりと、事情があって後者に属する人もいるので、どちらが良いかなんてお節介を言うつもりは到底ありませんのでそこは誤解しないでください。

ただずっと出場することを目指していたのに、今シーズンの記録がいまいち伸びないとか、格上が何人もいるとか、自分の限界を決めつけて諦めている人にはこのブログを読んで頂きたいのです。

人間って「流れ」から自分の将来を予測する癖がありますよね。

バスケのフリースローで連続得点していれば次も入ると思い込みますし、カードゲームで自分の手札がずっと良ければ、きっと次も良い手札が回ってくると思い込います。
反対に調子が悪ければ、その悪い流れがずっと続くと思ってしまいますよね。

カードゲームと言えば、大富豪を御存じでしょうか?
カードを全てプレイヤーに均等に配り、手持ちのカード順番に出して行き早く手札を無くすことを競うゲームです。

この時、場に出ているカードよりも弱いカードは出せないので、ピュアなプレイイングの実力だけでなく、手持ちのカード運にも勝敗は左右されます。特に、トランプ1セットあたり2枚入っているジョーカーはどのカードとしても適用される強力なカードなので、ジョーカーが2枚とも自分の手元にあったときは勝利を確信します。これを「神引き」と言います。

しかし、ジョーカーを全く引くことが出来ないことが何試合も続き、連続負けすることも多々あります。
人間はこういうとき、「この先何回やってもどうせジョーカーは自分の手元に回ってこない」と決めつけ、勝負を降りたくなるものです。
しかし、結果への執着があれば、決して諦めることなく、如何なる悪い流れにも抗って何回でもドローを続けます。

全カレ出場を諦めるということは、この大富豪の例と同様に、過去の結果からこの先の自分の未来を決めつけて、出場できるか否かという勝負から降りる事を意味します。
ただ冷静に考えてみれば、過去はあくまで過去に過ぎず、そこから今後なにが起きるかなんて正確には誰にも分からないですよね。
もしかしたら10%、いや0.1%の奇跡が起きて、自分にチャンスが回ってくるかも知れません。

何故こんな話をするかというと、結果はピュアな努力だけでなく、運によっても大きく左右されるものだと、つくづく感じるからです。

運要素の大小はカードゲームと陸上競技では当然全く違うのですが、陸上競技においても運が結果を左右させることは少なからずあります。
極端な例ですが、計測では+1.0mなのに、選手の走っているレーンでは実際+3.0m吹いていて記録が爆伸びするとか。格上の選手がDQやDNFになるとか。

問題なのは、そういうチャンスが巡ってきた時に、それを活かせる準備ができているか、つまり「結果=自助努力+運 (+α)」における自助努力を最大限引き上げることが出来ているかです。

東京オリンピックでも、チャンスを自分のモノにした選手がいました。
男子走り幅跳びで、6回目の試技で下位から一気にトップに立ち、逆転金メダルを獲得したテントグルー選手(ギリシャ)です。
優勝第一候補のエチェバリア選手(キューバ)、それに次いで5回目まで2位だったマッソー選手(キューバ)の両者が足を痛め、6回目をパスしました。
エチェバリアがベストコンディションで6回目を飛べていたとしてもテントグルーには届かなかったかも知れませんし、キューバ勢の怪我をチャンスというのは少し不吉かもしれませんが、様々な条件が奇跡的に揃い、且つ最後まで己を信じ続けたからこその結果なのだと思いました。
男子100mのジェイコブスの勝利も誰が予測していたでしょうか。

つまり、結局は最後の最後まで物事がどう転ぶかなんて分からないんです。
現状と目標にどんなに差があるとしても、もしかしたら達成できるかもしれません。反対にどんなに頑張っても結果は出ないかもしれません。
ただ確実に言えるのは、諦めたらその瞬間に道は自動的に閉ざされます。

それなら、人事を尽くして天命を待つ方が余程良いのではないでしょうか。

僕も100mの全カレ標準まであと0.2秒以上と中々に遠いですが、尽くせる限りの努力を尽くした上で、どんな奇跡にでも縋って神引きしてやるつもりです。

もし、少しでも全カレに出たいという気持ちがあるのであれば、ダブルでジョーカーを引いた時に、それを最大限活かせるように準備しておいてはいかがでしょうか。

以上が本日のブログです。次回は26日の岩浅です。

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