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『刺激×刺激=Lv.UP』 三輪 颯太

主務補佐兼サポートブロック長の竹内からご指名をいただきました。副将の三輪です。
竹内は僕の髪型をトレードマークと紹介してくれましたが、僕的にはその時その時でしたい髪型にしているだけなので、特に深い意味は無いです。今のパーマは、21年間付き添ってきたストレートと別れてみたくなった結果で、結構気に入ってます。

さて、2回目の幹部ブログとなりますが、テーマは「2023年最高の(もしくは最低の)試合」です。
僕の2023シーズンを振り返ると、六大優勝敢闘賞に始まり、関カレ3位入賞、布勢スプリントでPB、全カレ4位入賞、慶同戦優秀選手賞、日本選手権リレー優勝、エコパトラックゲームズでPBと、昨シーズンと比べて大きく成長できたシーズンでした。
そんな中、どの試合を最高に位置づけるかで悩みましたが、ひとまず六大学を最高に位置づけることにしました。
その理由を3つに分けて話していきたいと思います!ぜひ最後まで読んで頂けると幸いです!


1. 期間限定

六大学、学生個人、関東インカレ、早慶戦、全日本インカレ、慶同戦…
これらの試合に共通していることは何でしょうか? - そう、学生でなければ出られないと言うことです。

最高の試合を考える上で、自己ベストを更新できた布勢やエコパも考えましたが、これらの試合は社会人になっても出場できます。自己ベスト更新についても、これは社会人になってもできることです。しかし、前述の試合で優勝できるのは、学生の今だけ。そう、期間限定なのです。

僕は社会人になっても陸上を続けていく予定なので、自己ベストは今後永久に更新し続けることを目標にしている以上、2023年の自己ベスト体験を最高のものにするよりも、むしろ良くなかった部分を探してさらに上の記録を目指す糧にしなければいけません。そう考えると、学生の今しか出場できない大会で、最高順位である1位、すなわち優勝をすることの方が、価値があると言えるでしょう。

日本選手権リレーについても、社会人になってから同じ所属でメンバーを揃えて戦うということは難しいので、決勝進出チームは学生がほとんどです。そういう意味では日本選手権リレー優勝も学生期間限定の体験と言えるかもしれません。慶同戦についても優勝することができました。
しかし、この2つの大会を差し置いて六大学を最高の試合に位置づけた理由については、残りの2つの理由で語っていきます。


2.ジャイアントキリング

さて、2つ目の理由ですが、自分の中で大きかったなと感じた要因は、六大学という2023年シーズン最序盤に格上相手に勝利することができたということです。

前年となる2022年シーズン、当時の自己ベストは10"39で、事前の戦力分析によると僕の順位は6位でした。
1位の人とは0.2秒ほどの差。100mという種目において0.2秒の差とは、速度的に大体2m離れるため、決して小さくありません。
しかし、大会当日はその差を埋め尽くして有り余るほどの自信を持って臨みました。

その自信がどこから来たのかをお話しします。
まず、シーズンイン特有の不調を既に乗り越えていたという要因がありました。というのも、この六大学という試合は4月2日に行われ、多くの選手がこの大会をシーズン初戦にしていたかと思われます。しかし、私は3月5日に一足先に沖縄でシーズンインを果たしていました。追い風3.5mで10"52というあまり良い結果とは言えないもので、冬季練習でやってきたことが正しかったのか不安にもなりました。陸上経験者であれば、「シーズン初戦は仕方ない」などとよく言うと思います。しかし、そこで一度現状を確認できたからこそ、仕方ないで終わらせずに、冬季練を終えて尚残る課題と真摯に向き合えたことが六大学での自信に繋がりました。

沖縄まで来てくれた藤永

また、これは高校時代からの経験なのですが、何かの大会で優勝するには、圧倒的な自信が必要だと個人的に思います。勝負は水物というように、実力者においても「勝ち切ること」というのは非常に難しいです。僕も持ち記録で言えば部で1番ですが、練習では何度も負けることがあります。これは試合でも同じことが言えると思っていて、当日の調子や外部環境との相性などによって、結果は常に変動し得るものです。逆に言えば、事前の分析でいくら順位が低くても、同じ舞台に上がってしまえば結果はどうなるかは分かりません。僕は、格上を相手取る場合、この「勝負は水物」の良い側面をどれだけリアルに感じられるかが重要だと思うのです。

自己ベストは相手が上だが、自分は早めにシーズンインして課題もクリアしてきたし、冬季練習も後悔なく追い込んできたから、当日は絶対に負けるわけがない。というように、普段の練習などから絶対的な自信を見出すのです。
もちろん相手選手も練習を追い込んできたと思いますし、リスペクトは欠かしてはいけませんが、それを数ミリ上回る自信を自分の中で作り上げることが重要なのです。

そして、こうした自信の通りに事が進み、格上相手にシーズン最序盤に勝てたということが、今後の関カレや全カレへの自信にも繋がっていきます。このようにして、2023年シーズンの勢いをつけてくれたという意味もあり、最高の試合だったと感じています。

3.サポートへの恩返し

さて、3つ目の理由ですが、何よりもサポートへの恩返しができたという点で、間違いなく最高の試合だったと思います。まず、10年ぶりの国立競技場開催となった2023年の六大学ですが、右も左も分からない中、各大学協力し合って無事開催していただけたことに関して、一選手として本当に感謝しています。特に、慶應の主務系メンバーについては、竹内のブログでも何度か触れてもらっているように、インタビューで言ったことでもあるのですが、僕が合宿所に住んでいる関係上、部活の時間以外にも夜遅くまで開催準備の作業をしているのを1番近くで見ていたため、彼らに結果という形で恩返しができたことが非常に嬉しかったです。

そして、これは2つ目の理由で述べたことにも繋がる事なのですが、慶應のサポートは日本一です。朝早くベンチを取ったり動画を撮ってくれるマネージャー、選手と親身に寄り添って真剣に身体が抱える課題と共に向き合ってくれるトレーナー、的確な意見と信用の積み重なりで胸を張って送り出してくれるコーチ、誰よりも大きい声で心を奮い立たせてくれる応援、それ以外にもたくさんの人が見えないところでも僕たち選手を支えてくれています。

日本一のサポート

これらのサポートは他の大学でも行われている事なのかも知れません。しかし僕にとっては、普段から一緒に同じ目標に向かってすヽんでいる仲間が、心の底からやってくれていることというのを感じています。だから、僕も胸を張って日本一のサポートを受けていると答えられるし、日本一のサポートを受けているのだから、自信を持ってレースに臨むこともできるのです。

六大学ではそれを1番実感できた瞬間がありました。それは100m決勝前後のことでした。
スタート前、ユニフォーム姿でトラックに出てきてSDを1本流して歩いて帰っている最中、メインスタンド下の運営ゾーンに竹内が居たのです。「颯太いけるぞ!」みたいなことを言われたと思います。それまではレース展開や、走りのフォームなどばかりを気にしていたのですが、竹内に声をかけられた瞬間、ここに立つまでのみんなのサポートが頭の中に浮かび、「あぁ、この1本はこの人たちのために走ろう」と、いつも自分のことばかり考えている愚かな僕ですが、みんなのために走るという考えに至ると同時に、集中力がMAXになりました。たぶんゾーンに入っていたと思います。

レース後、僅差で優勝でき、自分が1位だと分かった瞬間、ゴール付近にいた慶應の仲間に飛び付いて喜びました。(勢い余ってスパイクで昆布の革靴を軽く踏んでしまいましたが…汗)

昆布の革靴を踏む決定的瞬間

その時も、まるで自分のことのように一緒に喜んでくれた仲間や、インタビュー後に駆けつけてきてくれた仲間を見て、改めて「慶應でよかったなぁ」と心の底から思うことができました。チームの力を感じて勝てたという意味では、2023年どころか、今までの人生で最高の試合でした。


さいごに

如何でしたでしょうか。ここまで3つほど、六大学が最高の試合だった理由を挙げてきましたが、僕から皆さんに伝えたいこととしては、1番最後の理由に関わるところが大きいです。
慶應のサポートは日本一です。これだけは間違いありません。あとは選手として、そのサポートに対してどんな気持ちで競技と向き合うのか。今一度自分に問い直してみてほしいです。

サポートの皆さんについては、引き続きより高いレベルのサポートを目指してほしいです。そうすることで、選手たちも刺激されて「頑張らなきゃな」と感じるはずです。
僕たち選手は、その高いレベルのサポートに負けないように、恥ずかしくないように、目標に向かって本気で挑みます。そうすることで、逆にサポートにも「もっと頑張らなきゃな」と思わせられるような態度で刺激を与えます。
互いに刺激し合って、より高いレベルに向かってすヽんでいくことで、チームとしても成長していきます。

そして今度は、僕は幹部として、六大学で自分が感じたような、いやむしろそれを超えるような環境を、最高のサポートの中、最高のパフォーマンスを発揮できるような環境を、2024年シーズンでみんなと作っていきます。
共に頑張りましょう!

例に倣って、次の人を指名します。次回のブログは田島公太郎くんです。彼は106代から長距離のブロック長を務め、箱根駅伝に向けて誰よりも本気(マジ)で競技に取り組んでいるアツい九州男児です。実は彼とは学部が同じで、1年生のときのクラスも一緒でした。クラスでのおとなしい印象とは裏腹に、競技に対してはストイックな姿勢を見せています。そんなギャップ萌え要素満載の田島くんはどのように2023シーズンを振り返るのでしょうか。非常に楽しみです。

最後までご拝読いただきありがとうございました。

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