「蛍名」であるということ

私はたくさんの名義を持っている。SNSで使用するもの、二次創作用の名前、YouTubeのアカウント名──その中のひとつが「蛍名」である。

ブログめいたものを書きたいと思ってこのサイトに辿り着いた。…はいいものの、アカウントを作るにあたって困ったのが、名前である。今までに使ってきたどの名義も、この「ブログを書く」という目的には微妙に当てはまらなかった。本名と関係がなく、他の名義とは全く異なるもの──そんな考えを経て、このアカウントは「蛍名」という名前で運用されることになった。

名前の由来は特にない。ただ、小中学生のときに書いていた(というか設定とあらすじだけ決めて放置していた)小説の主人公に星垂(ほたる)という子がいて、この名義は彼女にかなり影響を受けている。最初はそのまま採用しようと思っていたのだが、なんだかしっくりこなくて「ほたる」という響きから漢字だけを拝借したところ、「蛍名」という綴りと「けいな」という読みが私の中でぴったり当てはまってしまった。…蛍の名。私自身は蛍とは何の関係もないのだが、直感でいいと思ってしまったため、私は蛍名である。

私は自分の名前が好きだ。親が付けてくれた名前はまあまあ気に入っているし、現にたくさんある名義の中には本名に近い名前を使用しているものもある。その他の名義は、直感で名付けたものが結構多い。もう使っていないものもあるが、どれも今でも割と気に入っているものばかりだ。

名前って素敵だな、と思う。日常で見るどんな名前にも名付けた人がいて、その裏側にどんな願いや経緯があるのだろう、と想像することは楽しい。SNSなどで見るアカウントにも名付けられた理由があって、そういうことを知るのも好きだ。私はよく人や物の名前の由来を検索する。

私は蛍名という名前が好きだ。まだあまり馴染んでいないけれど、表記も、響きも、とても綺麗だなと思う。この名前をつけてよかったな、と思う。できれば少しでも長い間、蛍名であれたらいいな、とも思う。

「蛍名」であるということ。
それは、私が想いを綴る場所があるということ。
この場所は、私を構成する破片の溜まり場。