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ドラマチック家造り♯2

運命は自分の過去の産物だと思う。

理想の家のイメージが膨らんでいく中で、ネックになったのは「建てる土地がないこと」だった。僕たちの家造りが長い歳月が掛かったのは、土地探しが長かったからだ。

土地探しの長い旅

検討していたら、長女が幼稚園に入園したため、校区を変更しないことが優先順位の上位にあがり「奇跡が起きない限り家造りなんてできないんじゃない」と思えるくらいの狭い地域での検討となった。

手始めに、インターネットの不動産購入サイトを、妻と毎日チェックした。仕事の休憩時間の半分は、不動産サイトを毎日見ていた。ホント、2年間くらいは毎日見ていた。昼休みの日課になった。結果、土地を購入した今でも習慣的に不動産サイトを見てしまっている時があるほどだ。

気になる土地情報があれば、扱っている不動産屋に電話してアポを取り、足を運び、話を聞いた。ほとんどが予算的に手が出ないし、「すでに先約があります」「もう成約しました」なんて言葉は聞き飽きるくらいだった。

ただ、この行動が良かったのか、地元の不動産屋の営業さんと出会うことになる。

不動産屋のツクヨミさんとの出会い

営業のツクヨミさん(仮称:尊敬の意味を込めて、我が家では全員神様の名前をあだ名としている)は、同世代ということもあり、かなりフレンドリーに接してくれ、色々な土地を紹介してくれた。僕たちが探していた地域が地元らしく、「昔はここは○○があったんですけどね」とか「僕が子供の頃はこのあたりは、何もなくて景観変わりすぎてびっくりです」「この辺は、車通り多いんですよね。あと、抜け道になるんで結構、車はスピード出したりしてますよ」など、たくさんのことを教えてくれた。

ツクヨミさんからは、予算を抑えた旗竿地、駐車場運用を兼ねた100坪の土地、傾斜地・・・


僕「さすがにこれは、家建てれないよね?」


ツクヨミ「ですね。すみません・笑 わたしも現地見たの初めてです。地図上は良いかなと思ったんですけどね・笑」


おいっ!


と思う土地もあったけど、とにかく諦めずに連絡をくれ、時間があれば、一緒に土地を見に行った。

なかなか、いい土地に出会えず、ツクヨミさんの紹介する土地もなかなか希望に合わず、お断りすることが続いていた。だんだん、ツクヨミさんからの連絡も減っていった。

一旦、疎遠になるとこちらも申し訳ない気持ちでいっぱいになり、連絡するのが気まずくなり、疎遠になっていった。

不動産サイトに希望の区域に土地情報が乗ったのはそんなときだった。

怪我の功名

不動産サイトに希望の土地が2件掲載された。どちらにも取り扱い不動産会社に電話で問い合わせ、不動産屋まで足を運んだ。1件目は個人でやっている不動産屋のようで、中年のおじさんが対応をしてくれた。簡単な物件の説明を受けたあと、「掲載前から先約があるから、あまり売る気はないけどね」と言われた。出鼻を挫かれたが、買いたい意志は示して、2番目でも良い旨を伝えた。更に価格交渉が可能かについても聞いてみた。

「おたくさんは総額いくらで家造りを考えているの?建物いくら?土地いくら?総額どれくら?これがわからないと価格の交渉なんてできないよね?」

一発KOだった。

「だいたいでも良いから、総額の見通しが立ったら、また連絡してね。あと、住宅ローンの仮審査もやったほうが良いよ。上モノの金額もある程度の見積額があれば、交渉できる可能性もあるかもね。じゃ、検討してみてね。」

結局、何も進展もないまま話は終わった。

もう1件は、市外の不動産屋から掲載した情報で、ここも実際に足を運んだ。ここも開口一番「これから5年後にしか住めませんよ。市が造成している所なので、詳しくは市に問い合わせてください。更に遅れる事もありますよ。」

そっけない対応、しかも5年後にしか住めない・・・

2件とも空振りに終わり、ツクヨミさんからも連絡が途絶えたまま、手詰まり感だけが大きくなっていった。


手詰まり感の中、一発KOをくらったおじさんの言葉が引っかかっていた。

「どれくらいの予算でどれくらいの家を建てたいの?」

確かに言われてみれば、どんな家が建てられるのかを僕自身がわかっていなかった。そのことを妻に伝えると

「間取りの比較サイトがあるみたいだけど、やってみたら?」

「いや、どうせ、うちのエリアは対象外でしょ?」

「少ないけど、3件くらいはあったよ。何年か前に話を聞いた、ハウスメーカーも間取作成と見積り依頼できるみたいだよ。」

「え!?そうなの。じゃあやってみようかな・・・」

半ば、やけっぱちで無料の間取りの見積比較サイトなどで見積をとってみることにした。加えて、見てきたハウスメーカーにもとりあえず、間取りと見積が出せるかを片っ端から妻と二人で手分けをしてあたってみることにした。

この行動が、家を建ててもらうハウスメーカーとの出会いを産むことになるとはこのときは、全く思いもしなかった。


住宅街のなかにある虫食い原野に家を建てる

最終的に土地の購入に至ったのは、問い合わせをした「5年先にしか住めない」と言わた区画整理地だった。当時は、道路は未舗装で購入した土地を含め原っぱだった。しかも、工事も始まっていなかった。だだっ広い原っぱをみれば「ここ、本当に住めるの?」と誰もが思う土地だった。

では、なぜこの土地の購入を決めたのか?
この土地の購入に踏み出せたのか?

そして、我が家の家造りのキーマンが登場し、一気に家造りが加速していく。

では、次回の「ドラマチック家造り」で会いましょう。

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