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ドラマチック家造り#4

前回

ヴェスタさんと出会い、ライフプラン診断を受けて、僕たちの家造りが少しずつ、静かに動き始めたところで、順番待ちをしていた土地がなくなってしまう。絶望と閉塞感が漂う中、ツクヨミさんから一本のメールが入る。ここから家造りが大きく動き出す事になる。

基準となる土地と間取り

ツクヨミさんからのメールを受け、藁をもすがる思いで、急いで電話をした。即レスで対応してくれた。この人の軽すぎるフットワークに僕は救われた。早速、土地の詳細情報を送ってくれ、土地の現地確認をする約束をした。そして、後日、現地を見に行った。

そこにはあったのは、草むらと道路も舗装されていない原っぱがあるだけだった。ツクヨミさんが敷地の大きさを説明してくるが、よくわからない。
ただ、平坦で接続している道路も広く、立地条件も良い土地だった。区画整理地のため、周辺にも家がなく、だだっ広い原っぱを見て、家が建つとは到底思えなかった。そして、ツクヨミさんに区画整理計画の完了予定図をもらい、これから、この原っぱがどう変わっていくのかがわかった。

「想像以上にいい土地だな。ここで家を建てれたら、僕たちにとってベストだなぁ〜。でも。予算的にちょっと高いなー。」

そんなことを思っていると、ツクヨミさんからナイスなプッシュをもらった。

ツクヨミ「価格交渉もできますので、まずは検討してみて下さい。あと、いつから住むことができるか市に問い合わせている最中で、まだ、回答がきていません。回答があり次第、ご連絡します。ただ、浄化槽を設置すれば、区画整理工事全てが完了する前にも住むことができるかもしれないと思います。」


僕「ありがとうございます。広さも良いし、立地条件も僕たちにぴったりです^^」


実際に良い土地だけれど、予算は少しオーバー気味。それに、いつ住めるかもわからない。先行きが不透明な状況には変わりはない。モヤモヤした気持ちを僕は数日間引きずり、仕事も手につかないほど考えていた。

考えても答えなど出るわけもなく、モヤモヤした気持ちのまま、ライフプランの結果報告を受けに、またヴェスタさんの事務所を訪れた。


早速、ライフプランナーから結果の説明を受け、「イケるかもしれない。」でも、支払額は最初に検討していた額よりも膨れている。不安は大きかった。ただ、現状、建てる土地がない。この事実はライフプランを受けても変わることのない事実だった。ヴェスタさんには悪いが、現状だと家づくりがこれ以上、進むことはない。検討してた土地の買い手がついた事を伝え、今までのお礼を言って、また頃合いを見てお願いしていこう。そう心に決め、僕は切り出した。

僕「実は、不動産屋から連絡があり、検討していた土地、他に買い手がついたらしいです。」


少し、沈黙があり


ヴェスタ「そ、そうなんですね。残念ですね。私たちの方でも土地情報がないか探してみますね。引き続き、何か情報があれば、連絡していも良いですか?」

僕「もちろんです。ぜひ、お願いします。」

(やべー、すげー気まずいじゃん。ってか、ショック受けてない?さすがに、この雰囲気でツクヨミさん土地情報だしたらマズいかな。うへー、どうしよう。出して良いのか?)そんな葛藤がありながら、僕は続けた。

「・・・実は、つい先日、地元の不動産屋から連絡がって、まだ、建てられない土地だけど、物件情報をもらいまして。。。下水工事がまだ完了していないみたいで、住むには浄化槽設置の可能性があります。市の区画整理地で、まだ、工事も完了してないんですよね〜。テヘ」

緊張して、なぜかぶりっこになってしまった。止むを得ない。

ヴェスタ「良かったら、土地情報をいただいてもいいですか?」

そう言われ、僕は資料を渡した。ヴェスタさんは資料をみながら「とてもいい土地ですね。現地を調査しないとわかりませんが、比較的平坦な土地で、立地条件もぴったりですね。この土地を基準にしても良いのかなと思います。私のほうでも、役所に言って調べてみますね。結果は追って連絡させていただきます。不動産屋さん担当の連絡先か社名とかわかりますか?」

この土地もダメだったら、また断る気まずさが増す。そう思うと一瞬、躊躇してしまった。

僕「土地を調べたりもするんですか?じゃあ、お願いします。でも、不動産屋の情報を今日は持っていなくて。。。○○不動産です。」

とりあえず、土地情報一式を渡し、話が終わると、子どもたちにキッズルームの片付けをさせながら、ヴェスタさんと雑談をしながら次回の打ち合わせの日程調整をする時間が毎回ある。同世代で同大学ということでいろいろ、話が合い、他業種の人と話していて僕にとっても楽しい時間だった。

これまでの雑談でヴェスタさんが学生時代サッカーをしていたことを知っていた。

(確か、ツクヨミさんもサッカーしてたって言ってたっけ。)

僕「不動産屋の営業さんも、そういえば、○○ってチームでサッカーやってたって言ってましたよ。ツクヨミさんって方なんですけど。」

ヴェスタ「あ、知ってます。一度、一緒にプレーしたことあります。じゃあ、連絡してみますね。偶然ってあるものですね。」

この時、僕たちが5年もの歳月をかけて、途切れながら進めてきた家づくりのピースが揃い、そのピースたちがヴェスタさんとツクヨミさんがつながることで、一気に進むことになる。


営業と営業の繋がり

ツクヨミさんとヴェスタさんはどうやら、本当に面識があったらしく、二人の関係も良好だったようだ。ツクヨミさんとヴェスタさんから浄化槽設置なら、最短、2020年度はじめには建築可能な見通しだということだった。


「イケる。これはむしろ運命なのかもしれない。」


ここからは、ヴェスタさんはツクヨミさんの不動産屋にいく時も同席してもらい、価格交渉や、資金計画の提示、着工スケジュールなどの叩き台を提示を作成してもら、それを基にツクヨミさんが地主の方と交渉するという流れでトントン拍子で話が進んで行った。

たまに、僕をすっ飛ばして、ツクヨミさんヴェスタさんの間で話が進んで不安に思うこともあったが、ヴェスタさんがうまくフォローしてくれた。

結果、この頃には、僕たち家族の心は完全にヴェスタさんにお願いする方向で気持ちが固まっていた。誰もがヴェスタさんのハウスメーカーにお願いすると確信さえしていた。ヴェスタさん本人を除いて・笑

しかし、順調に進んでいた家づくりは、誰もが経験する「資金」という壁に打ち当たり、失速していく事になる。

何回目?の住宅ローン仮審査

ライフプランを終え、土地の契約にむけて進み始めたため、改めて、住宅ローンの仮審査をうける事にした。もちろん、ヴェスタさんも同席してもらった。もう、ここまで一緒に動いているのに、まだヴェスタさんは逃げられると思っているような節があった。

何度か、メインバンクにしている銀行で住宅ローンの仮審査をしていたので、ヴェスタさん仮審査の予約をしてくれていた。休日の仮審査にむけ、仕事を片付けていると見慣れない番号から携帯に着信があった。とっさに出てみると、前回、仮審査を担当してもらったジュジュさんだった。

ジュジュ「僕さん、ハウスメーカーの方からまた、仮審査の予約もらいましたけど、何しにくるの?決めたの?なんでハウスメーカーの営業も一緒なの?ここ、高いけど大丈夫なの?」

一度、仮審査を受けているので、僕の懐事情もよくわかっているし、借入希望額のめぼしもついている。加速度ましている家づくりにおいて、唯一、シビアな眼差しを常に僕に送ってくれたのが、ジュジュさんだ。

口癖は「ホント、大丈夫なんですか?借金だから、大変よ〜」

あまりに上から目線で、そして、時折見せる適当加減から、何度となく、僕の心はポキポキと折られた。

そして、ヴェスタさんと2人でジュジュさんに仮審査をお願いた。ヴェスタさんが事前に資料などを準備していたので、ここでも、資金計画や返済計画などより細かなシミュレーションをする事ができた。

仮審査が一通り終わり、結果は後日、電話でももらうことになっていた。

「イケる、これならなんとかなる。大丈夫だ。うまく土地がきまれば、絶対にゴールできる」

僕は充実感とこれまでにないほど、家づくりがトントン拍子で進んでいくことに浮き足立っていた。

でも、この仮審査の結果が、僕たちの家づくりの「最大の壁」になるとは、このときは、まだ誰も知る由もなかった。

では、次回の「ドラマチック家づくり」で会いましょう。



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