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死神さん〜儀藤堅忍を生きる田中圭〜(ネタバレ)

1.死神さん

死神さんは2021年Huluで配信された田中圭主演の一風変わった刑事ドラマ。
一風変わったって、しれっと書いてるけど、この時の衝撃ったら。
だって今まで観たことない「田中圭」が、そこにいたんだもの。
腰は曲がってるし、熟考する際は奇妙な手つきするし、ゆっくり喋るし、妙に大きなホクロを鼻につけてるし、長髪だし。それに絶対脱がない帽子。
全てが気になりすぎる!!!😆

そしてまた、宮本浩次さんが書き下ろした楽曲「浮世小路のblues」がカッコいい!!!✨
前奏部分はオープニングにぴったりだし、主題歌として最後にエンドロールと共に流れるのがまたカッコいい!!✨

2.死神さん2

その続編が2022年秋に放送された。
1年ぶりの死神さん2。
主題歌は引き続き宮本浩次さんの「浮世小路のblues」。
相棒が1の最終回で判明したエンジェル伊藤ことメイちゃんから小刀祢葵(ことねあおい)ちゃんにバトンタッチ。ただし、仕事がデキるメイちゃんと違って葵ちゃんはイカやらかんぴょうやらクサヤを干すだけw
そこには理由があったんだけど…

配信という形態だから、地上波ではありえないくらいほの暗い青い画面で統一されている。
その中に一筋の光が横に走る演出、私は好き。
今回のオフショで儀藤さんのコートの色が予想以上に明るい色でびっくりしたほど、画面はダークに仕上がってる。

儀藤さんというキャラも堤監督のイメージするものから始まって、1を観た時、上に書いたような描写だったから、新たな「田中圭の誕生だ!」って思ったよね。

3.春田と儀藤堅忍

圭くんはずっと出ずっぱりだったけど、圭くんのお芝居が自然すぎてその人になりきりすぎて、沼ってから、あ、ここにも出てたんだ!って思うことがあった。
何回かハマるチャンスはあったのに。

で、ハネたと言われる春田。
可愛かったよねー💕💕

私、これの真似したどこかの役所のポスター、めちゃ好きだったんだけど!
検索しても見つからないのが残念だわ〜

で、なんでこれかというと、死神さんがもうこの180度真逆のキャラだから。

春田はドラマでも川沿いのところやら牧をルームシェアに誘うとこらやにあった「桜」の花のイメージ。
桜ってみてるだけでワクワクしちゃう💕💕
春田もそうだった。ポンコツだけどみんなから愛されてワクワクするような人に圭くんがしてくれた。
だって、シナリオだけだと嫌なやつになっちゃうところを、ひとたび圭くんが息を吹き込めば、あんなに愛されキャラの春田が生まれちゃうんだもん💕💕

対して儀藤さんは「墓地に咲く曼珠沙華」のイメージ。
墓地に、ともすれば気づかれないようなところにひっそり咲いてひとたび目につくと目を引き付け、華やかだけど毒があって、凛とした佇まいな曼珠沙華。
あの暗い部屋にいて、ひとたび冤罪事件が起こればポッと火が点って燃え上がる心で、ひらめきと徹底的な捜査から、最終的に「逃げ得は許しません」ってビシッと言う儀藤さんに似ている。
あんなにピンと立ってないところが違うんだけど😂

そんな死神さんが第2の転換期かな?と思えば、その後らせんの神保先生、津田梅子の伊藤博文、じぞ恋の晴太さんとまたまた振り幅広く役を生きているこれまでと同じ圭くんがいる。

お髭の圭くんやモゾ担の晴太さんの恋愛ドラマ、どっちも好きだったな。

お髭、可愛かったな、味噌漬けおじさん😂💕あと、寝ないで挑んだ(誰もツッコまない嘘をつく圭くんw)「帰っちゃうのぉ〜」😂💕伊藤博文という初代首相でも遊んじゃう圭くん、好き💕💕

4.死神さん 1と2と

こうした人たち生きて始まった死神さん2。
1を見返して思ったけど、随分おとなしかった🤣
2は堤監督も圭くんもエンジンフル稼働してきたなって感じ😆💕

そして2の最初の相棒である7代目相棒には吉田鋼太郎さん!!!👏👏
もう期待しかなかったよね!
圭くんも同じだったと思うけど。

案の定鋼太郎さん、登場シーンから飛ばす飛ばすwww
圭くん、そりゃゲラ発動しちゃうってww
そして鋼太郎さんに引っ張られるようにして始まった2は、儀藤さんが入ってきた頃に1が終わったと言っていたくらいだから、圭くんもはっちゃけるはっちゃける😂💕

今回は小ネタも散りばめられて、堤監督もはっちゃける!!これこそ堤監督の真骨頂!!TRICK、SPEC好きにはたまらない!!💕💕

でも変わらないところもしっかりある。
相変わらずのほの暗い青い画面に横に伸びる光のライン。
そして瞳の輝き。
特に白目にまで宿る光が、目の力を強くしている。

違いは最終話の扱い方。
1は後半にしてエンジェル伊藤の話に突入したけど、2は終始相棒である葵ちゃんの話。それは犯人に向かう話。

1はいつも通りの儀藤さんの表情でメイちゃんがエンジェル伊藤と睨みつつ行動していた。そこからエンジェル伊藤の魂胆に気づき、エンジェル伊藤が仕掛けた事件に愛するフローラが巻き込まれたと知った儀藤さんが走り出す!!
静から動になってフローラを救いに行く!!
その様がカッコよかった😍💕
フローラを救いに行く走りっぷり。それがまたスローな演出によってよりカッコいい画になる!
フローラを護った時の安心感とフローラへの愛を感じさせる背中のお芝居💖エンジェル伊藤ことメイちゃんからの電話を見つめる目💖
このセリフのない中で語る圭くんのお芝居が大好き😍💕💕
一刻を争う中でのこの怒涛の展開は凄かった!!!!!

対して2は儀藤さんの表情の静から動。
犯人との最終対決、ポーカーフェイスな儀藤さんの表情が動く。
引き出すのは灰田先生。
そう、まさかの1話の鋼太郎さんが犯人!!
予告の時点では茶化し役なのかと思った灰田先生が犯人だった!!
予想だにしない展開。
ずっと息を詰めて見守る展開。
もしやもしやと思っていた灰田先生がやっぱり犯人だったというところから、息付く暇ない展開。

ガスライティングというポイントとなる言葉が最後まで効いてくる。
フローラのことを出し、儀藤さんをの心をえぐる灰田。
じっと灰田の繰り出す言葉を聞き、目を見つめる儀藤さん。
この時点で灰田のガスライティングの火が点る。

そしてここ。
ここで儀藤さんの表情が動く!!!
静から動への変化。
灰田への憎しみとガスライティングだとわかりつつ、聴き入ってしまい、心の奥を覗かれていることに対する自分への葛藤と、聞き入ってはいけないという葛藤とで、ポーカーフェイスな儀藤さんの表情がみるみるうちに悔しさ、負けたくない、後悔、いろんな想いがないまぜになったような表情へと変わる。

1は背中と目で語ってた儀藤さん。
2は表情で語った儀藤さん。

5.田中圭という役者

死神さんという、新たなステージで、新たな魅力を手にした「役者 田中圭」。
次に会うのは「夏の砂の上」という舞台。
これはセリフが少なく、圭くんに背中で語らせたいという栗山さんの想いが込められた作品。
私の大好きな背中で語るお芝居。今度はどんな「田中圭」に出会えるのか、わくわくが止まらない。
12月には「月の満ち欠け」で登場する。これは大悟さん風なんたろうか?これまた違う意味でワクワクする!!

1月期の「リバーサルオーケストラ」もそう。変人なマエストロ。どんな風に変人なのか?!どんな風にタクトを振るのか?!わくわくが止まらない。

そう考えると、圭くん自体が「桜」の花ようにも「咲き誇る曼珠沙華」のようにも思えてきた。
可愛くもあり綺麗でもあり、風に舞う花びらの贅沢さ、散った後、花筏でも魅せてくれる桜の花。
凛として、華やかでもあり毒を持つ大群の曼珠沙華。
相対するような2つの花。

圭くんの可愛さの原点?ただただ可愛い若圭な山本を生きる「子育てプレイ」。

かわいいの最高峰!と言っても過言では無い翔太くん💕💕
テーブルの上をズイッ滑るようにして菜奈ちゃんにち近づくのはアドリブだという。そんなことやられたら、あなた😍💕💕かわいくてワクワクドキドキしちゃう💕💕

丸井さんなんて、クズなのに可愛くみせちゃう。あんなに愛されクズができる俳優さんなんていない。

そうかと思うと素敵な王子様かと思いきや変貌を遂げる大悟さん。

妖しい色気を持ちつつ性的マイノリティを持つ東山春人をも生きる。

にこやかな笑みの裏に違う顔を持つせんけすの義澤経男。

毒を隠して甘さでも惹き付けた朔。

役ごとに違う顔をみせ、色んない色に染まる俳優さんをカメレオン俳優というけど、私は圭くんはその上を行く透明俳優に思える。
めざましテレビのインタ、本人曰く「基本田中圭はどうでもよくて」がそれを顕著に表している。

全ての役を生きる時、そこに田中圭はいない。擬態をするカメレオンではなく、その役に染まり、その役を生きる。だから透明俳優。そんな名前ないけどね😆

次の舞台ではどんな色に染まっているのだろう。
来週の初日。
目に焼き付けてきたい。そして行ける分だけ、その変化を感じ取りたい。

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