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2019.3.28 山梨県立吉田高校放送部-取材02

吉田高校放送部の取材のつづき。

放送部員)
7:やまゆり園の事件について質問させていただきたいと思います。やまゆり園の事件について多くの意見を聞いてきたと思いますが浩太朗さん自身はどう思っていますか?

小林浩太朗)
僕は前にもお話をしたかと思うのですが、やまゆり園の事件そのものはとても悲しくとてもひどい事件だというふうに考えていて、もちろん罪は罪として問われるべきだと思っています。が 一方で、その被害に遭われた方たちが名前を公表されずにまるで最初からいなかったかのように扱われたり、それから僕たちのような人は生きている意味がないというのがその事件の犯人の人の考えですが、僕たちが生きる意味というものを、何もできなくても生きていて良いのだというふうに、あたかも僕たちのことをいい意味で理解しているように言っていることの方が僕は気になっていて、僕たちがこうして話をしたり考えを持ったりしていることすら理解されていないということが一番の問題だと思うのです。僕たちは何も生産性がないというような言葉でひとくくりにされています。僕たちはとにかく何もできない、でも大事な命だ、というような言い方は一見とても僕たちに対して優しい言葉のように感じるけれども、それは僕たちを正しく理解してくれていないのと同じです。僕たちは体は動かないけれども、考えていますし援助の方法があればこうして自分の意見を言うこともできます。そこが今回のやまゆり園の事件で、はっきりとしたことかなと思っていて、僕はそこが正しく理解してもらえるようになることのきっかけにこの事件がなるべきかと思っています。

8:袈裟江先生やお母さんの事はどう思っていますか?

浩)母の事は皆さんがお母さんのことをどう思っていますか、と聞かれたときに答えることと同じです。皆さんもお母さんのことをどう思っていますかと聞かれたら、まぁ人それぞれだとは思いますが、大体答えますよね。それと同じです。恥ずかしいですよね。特に僕は今ここに母もいますから。まぁ想像してください。うるさいなぁという時もあるし感謝もあります。皆さんと同じです。袈裟江先生は本当に袈裟江先生がいてくださらなければ僕の絵の活動は成り立っていませんから、もう感謝しかないです。いつも僕のやりたい事を第一に考えてくださるので僕は本当に感謝しています。これからもお願いしますという気持ちです。

9:どうして都留文科大学で学びたいと思ったのですか?

浩)大学の勉強というものに興味があるからです。大学は自分の関心のある講義を選んで聴くことができるというふうに聞いたので、自分が関心があることをもっと深く知りたいと思った時に、大学の講義を聞いてみたいな と思ったのが最初です。大学ではどんな勉強をしているのかという興味ももちろんありますし、僕もそういう年代なので同じ年代の人たちがどんな勉強してどんなことを学んでいてそれをどう役立てているのかということに興味があるからです。

学びたい事は決まっていますか?

浩)実際にまだ講義を受けることができていないので、どんな講義があってどんな話が聞けるのかを知りたいなと今はまだ思っている段階です。そうやって もし講義を受けられたら、そこから自分の関心がここにあるというふうに何か決まっていくのかなあと思いますが、ぼくは高校というか高等部は卒業したのですが、あまり勉強をしてこれなかったというのが本当のところなので、まだ何をというよりは勉強してこれなかったところを今家で一生懸命勉強をして、それを重ねていった先に大学での講義を聞くということが出てくるのではないかと思っています。

10:これから自分の思いを伝えるためにどのような活動をしていきたいですか?

浩)こういう機会がもっと増えると嬉しいですね。直接聞いてもらえますから。皆さんのように関心を持ってもらえたら、どなたでも僕は会って話をしたいと思っています。また気球の会という活動も始めていて、そこでは僕と同じように障害を持っている方と色々と相談をして、会として何ができるかを今考えているところです。まだ具体的ではないけれども、いずれ何かの形で自分たちの気持ちを伝えられる場を探してみたいと思っています。

取材03につづく。

小林浩太朗「目に見えるものだけが本当ではないよ」
(山梨県立吉田高校放送部制作)


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