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【Story of Life 私の人生】 第63話:試行錯誤の日々

こんにちは、木原啓子です。
Story of Life 私の人生 
前回は、 第62話:緊急入院 をお送りしました。
今日は、退院後の葛藤についてお話ししようと思います。

12月に入り、蕁麻疹が少し出る状態だけど、白血球数は正常値の半分をどうにかキープし、甲状腺ホルモンの値も正常値より少し高い状態という「折衷案」状態になり、退院して暫く様子を見るということで、1ヶ月ぶりに寮生活に戻り、授業に戻ることが出来た時は、とても幸せな気分でした。
が、甲状腺ホルモンのコントロールも、副作用の蕁麻疹も中途半端な状態だから、気持ちとは裏腹で、体調は決して良くない状態。
すぐに疲れてしまい、座学の授業でも、いつもグッタリ状態で、授業中に居眠りすることもしばしば。
実習も、座って作業出来ることはまだ良いけれど、立って作業するものだと、途中で座らせてもらわないと辛いという状態で、ジレンマと苛立ちに苛まれるようになっていきました。
それでも「病院よりはマシ」と、自分に言い聞かせて、日々を送っていました。

また、入院中に進んでいた授業にも追いつく必要があるから、同級生達からノートを借りてコピーさせてもらい、夜ベッドに入ってからテキストとノートと睨めっこするようになりました。

そうこうしているうちに、寮生活初めてのクリスマスがやってきましたが、普段寮から外に出ないから、街の様子も分からず(笑)
夕飯の時、チキン焼きとケーキが付いて、やっと「クリスマスか〜」という気分になりました。
検査科だけではなく、他の訓練科のみなさんとも相談して、コンビニで缶ビールやスナックを買ってきて、みんなで「メリークリスマス」のかんぱーい!
食堂でプチクリスマス会をしました。

28日に年内の授業が終了し、1月3日まで年末年始休暇になったので、29日に帰宅して、お約束の「年中行事」のお手伝い。
家族で年越しをしました。
彼は29日に富山に帰省し、1月2日に東京に戻ってきたので、3日は、お土産を持って我が家に遊びに来てくれ、夕飯を食べてから一緒に寮に戻りました。

1月4日から、再び寮生活の日々が戻ってきましたが、体調不良は相変わらず。
年明け早々の定期通院で経過をチェックしたのですが、退院時と大して変化はなく、薬はこのまま継続しようということになりました。
2週間ごとの定期通院をしながら、何とか騙し騙しの生活を続けているうちに、慣れとは恐ろしいもので「何ともいえない疲労感と蕁麻疹にアトピー」が当たり前になっていきました。

アトピーと蕁麻疹は、全身にどんどん広がっていきましたが、特に顔と首周りが酷くなっていきました。
顔や首は「象」の皮膚みたいな感じ。
酷いところは、横に割れてしまい、そこから血が出てしまう始末。
寮の方達や学校の先生達は「見て見ぬふり」をしてくれていましたが、バスや電車に乗ったり、買い物に行くと、周りからジロジロ見られ、私の周りから人が居なくなる状態でした。
そんな時「一体どれだけ酷いんだろうか」と不安になり、また「感染る訳でもないのに、何でこんなに人から避けられるのだろう…」と、正直なところかなり傷つきました。

まだ19歳になったばかりだったから、オシャレもしたい年頃なのに、着る物の素材も、肌に刺激が少ないものしか着られないし、顔は湿疹と傷だらけだから、メイクをするなんて論外。
ステロイド軟膏は全く効かないし、顔を洗うのも痛くて辛い…
寮のお風呂も、誰かがいると「気持ち悪い思いをさせてしまうだろうな」と思うようになり、終了時間寸前で誰も入っていない時しか行けなくなっていきました。
しまいには「何のために生まれて来たのか」「何のために生きているのか」「どうして私だけこんな目に遭うのか」という感情しか湧かなくなっていき、どんどん「人が怖い」と思うようになっていきました。
行き先の無い怒りと悲しみに打ち拉がれてしまい、身体も辛いけど、精神状態も不安定で辛かった(泣)
彼には、かなり当たり散らしてしまった気がします。
今思うと、本当に申し訳なかったなぁ…
ごめんなさい。

この頃から、お酒の力を借りて気を紛らわすようになっていきました。
元々お酒は強い方なんだと思いますが、授業が終わった後は、当時一番安く買えた「ジン」や「ウォッカ」を炭酸飲料やジュースで割って、寝るまで飲み続ける日々が続くようになりました。
アルコール依存症に近かったのかも知れません。
「嫌な事を全部忘れたい」のに、どんなに飲んでも全く酔えず、忘れることも出来ず、二日酔いにもならず…
お酒を飲むだけでは何の解決にもならないのに、どうしたら「現実逃避」出来るのかを、ひたすら模索し続ける日々でした。

そんな日々が過ぎていき、気がつくと3月。
後期の期末試験の期間がやって来ました。
通院の時以外は、とりあえず授業に出てはいましたが、退院後は、授業の途中で居眠りしないと120分授業は持たない状態。
でもどういう訳か、居眠りは「授業が始まってから30分経った頃から授業が終わる20分前位まで」というパターンになっていたので、先生が前の授業の復習をしている時と、この日の授業のまとめをしている時だけはしっかり起きていました。
だからどの授業も「ポイントのまとめ」だけ、何となく覚えているという感じ。
一般科目は仕方なく勉強したものの、専門科目については、皆が夜遅くまで試験勉強しているのに、私は一切勉強もせず早々と寝ていました。
そのくせ、ある程度の点数が取れてしまった!
まさしく「睡眠学習」が功を奏した状態でした(笑)
当然「カンニング疑惑」が出てしまい、抜き打ちで先生から呼ばれ、対面で「一問一答」をさせられ、どうにかカンニング疑惑を払拭することができました(汗)

どうにか1年生の課程をクリアすることが出来、4月から2年生に進級しました。
ここから出席番号を元にして、A・B・Cの3班に分かれて、毎日朝から晩まで実習室に入ることになりました。
A班は、1番、4番、7番、10番、13番、16番。
B班は、2番、5番、8番、11番、14番。
C班は、3番、6番、9番、12番、15番。
ということで、出席番号10番の私はA班、11番の彼はB班から実習がスタートすることになり、臨床検査センターで引き受けている検体を扱って、実際の検査をすることになりました。
基礎実習とは違い、失敗は絶対に許されなくなる事を考えると、かなり緊張しましたが、ここまで来たらからには、もう「やるしかない!」
そんな思いを抱きながら、そして「どうにもならない」体調不良と戦いながら、新しい日々がスタートしたのでした。

〜続く

今日はここまでです。
次回は、第64話:実習生活 に続きます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう♪

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