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息子を授かるまで

不妊治療について知りたいという声をよくいただく。
私自身も不妊治療をしている時からこの経験をいつかどこかに記せたらと考えていた。
というのも誰かの経験談で勇気付けられたり、
子どもを授かる事がこんなに大変な場合もあるということをもっと早く知りたかったと思ったりしたから。

一度noteの下書きに事細かに自身の不妊治療について書いてみた。
しかし不妊治療はいつゴールがくるのか分からないもので、人によってもクリニックによっても治療法が異なる。
事情も人それぞれ、、詳しく書くのが良いのかどうか分からなくなった。
それでも知りたいと思ってくれている人がいる。
ということで今回はざっくり私の体と心の格闘を記したい。
もっと詳しく知りたいという方がいたら、
その時はどこかで(noteでもいいかも)経験談を話せたらと思う。

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2年6ヶ月。
子どもを希望してから授かるまでにかかった期間。
予想を遥かに超えて時間がかかった。

独身の頃、とにかく仕事を頑張りたい私は、結婚は35歳くらいまでにできたらいいかな。
子どもはその後授かれればいいかなー。
というなんとなくの人生プランを考えていた。

そんな中、夫と出会い結婚。
すぐに子どもが欲しいという夫の希望で私のプランはくるんと変わった。
決して無理して変えたのではなく、自然と変わった。

結婚後すぐに子どもを希望した私達。
全く子どもはできず1年が経過。
薬局で手に入る排卵検査薬や海外から取り寄せるものなども使ってみたが結果には繋がらなかった。

そこから不妊治療のクリニックに行ってみることにした。
先生に1年妊活しても子どもを授からないことを伝えるとさらっと「不妊ですね」と言われ、
ものすごくショックだったのを覚えている。
その先生によると一般的には妊活すると6ヶ月以内に妊娠するらしい。
普通じゃないのかと思った。

結局、タイミング法、人工授精、体外受精(顕微授精)とステップアップし、ようやく授かることができた。

まとめてしまうと呆気ないけれど、
保険適用外の頃で費用も時間も沢山かかった。
(保険適用でも結構かかるのが現実。さらに条件も様々。)
手術もした。
人生で一番の痛みを感じた検査もした。
自分に自分で注射をするという初めての経験をし肉体的負担も多かった。
ホルモン注射で疲れてしまったり、
集中力が切れたり、むくんだり、太ったり、肌荒れしたり。
何より仕事との調整も難しかった。
日にち指定の通院。
この注射は何時に打つ、この薬は何時に入れる。
生放送の途中にトイレに行って注射を打ったこともあった。
この大変さはやっぱり事細かに書かないと伝わらない。
振り返ってみても大変じゃないよとは言えないし、よく頑張ったねと自分に伝えたい。

初めての体外受精挑戦中。
年末にプチ旅行に行ってきた。
確かひとつの受精卵が無事初期胚になってホッとした時。
(私の前髪が変で笑っている)
この時はまだ授からなかった。

乗り越えられたのは夫の支えはもちろんだが、
周りに理解してくれる人達がいたから。

仕事場では一部のスタッフの方に不妊治療のことを話し、病院に通えるようロケの時間を調整させてもらうこともあった。
友人にもよく現状を話していた。
すると経験者の人がアドバイスをくれることもよくあった。
治療の記録を残している人のSNSも見て、勇気をもらっていた。
東尾理子さんの『「不妊」じゃなくて、TGP』という本は特に励まされた。 

不妊治療をしていることを周りには伝えたくない人もいると思う。
ただ伝えると良い事もあるかもしれないという事を、私自身の経験から頑張っているみなさんに知ってもらえたらと思う。

人の妊娠報告を喜べないという悩みもよく聞く。私は誰かの報告を受けると世の中全体の妊娠確率があがった気がして「私もきっと大丈夫!」と思うようにしていた。
もちろん不安にもなったし、
当時前向きだったのは年齢の問題もあると思う。
苦しい思いをしている人は沢山いると思う。
喜べなくても自分を責めないで欲しい。
おかしなことじゃ全然ないから。

そして私のなんとなくの人生プランをくるんと変えてくれた夫にも感謝している。
女性も働く時代になったけれど、人間だってやっぱり妊娠できる期間には限りがある。
そのことを私は忘れていた。

子育ての当事者になってみて
女性はキャリアを積んで脂の乗った時期に
出産や子育てというのがぶつかるんだなーと
この問題はどう解決すべきなのかと思う。

20代前半に子どもを産んで
まだ体力がある時にバリバリ働くというプランもあったなと思う。
その頃に誰かと夫婦になることはちっとも考えられなかったのだけど。

不妊治療と女性のキャリアと子育ては
別物のようで一緒に考えるべき問題なのかもしれないなー。
少し話は逸れてしまったけれど最近よく考えること。

もう一つ伝えたい事がある。
もしかするとこのnoteを読んでいる男性の中に、
子どもが欲しいけどなかなか授からないという方もいるかもしれない。
実は不妊の原因は女性だけではない。
男性側の場合も珍しいことではない。
不妊治療のクリニックは、
どうしても女性が通う頻度が多くなるので、
いつもほとんどが女性で混雑している。
その女性ばかりのクリニックに行くのが嫌だという男性もいると聞いた事がある。
でもそこにいる女性達は性別は違ってもみんな頑張っている仲間達だし、不妊治療をよく理解している人達。
全く恥ずかしくなったり、不安になったりする必要はない。大丈夫です!
だからもしパートナーにクリニックに行く事を勧められたら心配せずに行って欲しいと思う。

最後に、
今まさに妊活や不妊治療を頑張っている人のもとにコウノトリが来ることを願っています。
そして身近に頑張っている人がいたらどうか支えてあげて欲しいと思います。

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