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9日目。ボーデン湖畔のリンダウを目指すが、な、なんと! またしても。2024/05/22

本日の走行  時間:3時間/距離:110キロ/標高997キロ

またしても、止め忘れてしまったので、実際はマイナス1時間半。時速も間違い。


昨日はバタバタしていて、帰ったのは夜だったので、よくわからなかったのだが、緑に囲まれた素敵な宿だった。
朝は混み合わないよう、3回にわけた時間制で、工夫を凝らしたブッフェが、昨日のホテルのスタイリッシュさとは、また違ったプレゼンで感激。
家庭的なのだが、工夫が凝らされているというか。
コーヒーは各テーブルに、淹れたてをポットで用意してくれるが、ハーブティーの充実ぶりも見事。コーヒーに飽きてきていたので、これはうれしい。

イタリアではボソボソだったスクランブルエッグもしっとり。野菜料理は、イタリアのブッフェにはなかったなあ。
サラダ系、ペースト系、ピクルス系など、12種くらいがガラス瓶に入ってずらり。
曇っているが、まわりは全部、山。ベランダからは、お城が小さく見えた。

快晴とはいかないが、雨ではないし、昨日は調子よく走れたので、意気揚々と出かけたが、なんと! 15分走ったところで、エンジンがカラカラと謎の音を立て始める。
これはヤバいと側道に停め、さらにスポーツ用品店のの駐車場を借りて、助さん格さんが修理・点検を始めるが、どうもうまく行かない。
あっという間に1時間経過。

二人がかりで、イタリア語のマニュアルを見ながら修復。
こんなところも開けちゃって。私の出る幕なし。

夫も息子も、かなりテクニカルには強いのだが、どうにも歯が立たないらしい。
バイク屋さんに持ち込もうかと思って調べたが、そもそもそういうショップがないし、モト・グッツィみたいなヴィンテージバイクは、そんじょそこらの人には直せないだろう。
そういえば、今日宿を出るとき、マダムが、「うちにもモト・グッツィの、もっと大型のがあったのよ。いいバイクよね」と言っていた。

今日の目的地は、ボーダン湖畔のリンダウという場所。
フュッセンからは100キロほど。お城見学でちょっと疲れたので、早めに入って少しゆっくりすることにしようと、昨日決めた。
やっぱり、ツーリングと観光をいっぺんにやろうというのは無理がある。
余裕の計画のはずだったのだが……。

こういう状況になると、判断は早い。
とにかく動かせないのだから、どこかに置いていくしかない。
さいわい、目の前に大きな駐車場があったので移動させる。あとのことはまた考えよう。最悪レッカー移動か。

ここに二晩いる意味は特にないので、とりあえず、リンダウを目指す。
宿は予約してしまったし、少なくともツーリングは楽しまなきゃ。
もちろん私は、息子の後ろでタンデムだけど。
夫のバイクには、荷物をたんまり積んでいるので乗れず。

タンデムは、つい一昨日、雨の峠越えで経験済みなので、100キロならなんとかなるだろう。
息子の運転は安心安全なので、こちらも学習のつもりで、減速やコーナー取りの感じなどを意識しながら乗っていたが、後ろはやっぱり退屈。
そうこうしている間に、大雨に……。
初日を超えるかという強い雨風、しかも微妙に標高が上がっているので寒い。
タンデム×雨×寒さ。
いったい私たちは、何をやっているのか。

ただまあ、ほとんどヤケクソ気分で、「やまない雨はない」などと思いながら、ひたすら先を目指すというのは、なかなか不思議でおもしろい体験で、変に楽しいとも言える。
乗らない人には絶対わからないと思うが。

そして、いつものごとく、着いた頃に雨が上がる。
どういうことなの……。
11時出発、余裕で2時間の予定が、13時出発に変更、雨のためスピードが落ち、結局着いたのは16時。
お昼は当然食べ損ねていたので、近くのカフェに駆け込み、ようやく一息。
やれやれ。

キャラメルマキアートみたい名前の温かいコーヒーを夫が頼んだら、こんなグラスで出てきた。

そのまま、町に繰り出し、ようやく落ち着いて夕ごはん。
ホテルの1階にある郷土料理のレストランは、息子が検索して見つけた。
店は小さく、本来は2人がけのところに無理矢理座らせてもらったが、その後も続々と人が入ってきて、それをうまくさばき続ける、サービスの女性の神業に感動。

ビールはあれこれ、息子とふたりで6種類飲んだが、どれも爽やかでおいしい。クリアでスッキリしているのに滋味がある。
特にビール好きではないのだけれど、ドイツのビールはしみじみうまい。
料理も、見た目は普通なのだが、驚くほどおいしく、息子に言わせると「イタリアより、ちゃんと料理している」とのこと。

車は侵入禁止のメイン通り。リンダウは湖にせり出した島のような小さな町。
雨上がりで肌寒いので、さすがに皆さん、店内に。

確かに、サラダにしても、イタリアでは、自分で勝手に味付けして、ということで、オリーブオイルとヴィネガー、塩胡椒が出てくるが、ドイツに来てからは、自家製ドレシングやマリネ野菜で、きちんと味付けされている。
イタリアでは肉料理の添え物に過ぎなかった「ミックスサラダ」が、スターターの一品料理として載っている。
イタリアでは、一人2皿を基準に頼んで、なんとなく緩いコースにしていたが、ドイツでは思いっきりシェアOK。
というか、ボリュームがすごすぎて、ひとりでは無理。

シュニッツェルは、仔牛と豚のどちらかを選ぶ。もちろん前者。
ハムとチーズが挟まっていて、バターで揚げてあるのだが、決してくどくない。シュニッツェルは店によって全然違うので、つい頼んでしまう。

オーストリアで以前食べて、とても気に入ったポテトサラダが付け合わせ。google翻訳だと「なまぬるいポテトサラダ」となってしまうが、マヨネーズは使っていないしっとり柔らかいタイプで、日本のものとは全然違う。
何度か家でもトライしてみたが、どうも上手くは作れなかった。こちらのはほんのり甘く、それがまたうまい。

ソーセージの付け合わせは、マッシュドポテトとシュークルート。付け合わせが店の個性を出している。
自家製ピクルスが効いている、ハム、チーズ、チャイブなどの一品。野菜も新鮮。

日本には、おいしいドイツ料理の店がほとんどないので、イタリアンやフレンチに比べて認識が低い。
見た目も素朴なのだけれど、こちらで食べて開眼した。深い。
イタリア、オーストリア、ドイツのグラデーションは、ヨーロッパツーリングの醍醐味だと改めて思った。

一箇所に停滞していたくない性格なので、リンダウに移動してきてしまったが、さて、私のバイクの今後の運命はいかに。

(つづく)






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