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走ることはついにできず。ガレージ内で自主トレの一日。2024/05/10

美しい橋がかかるアッダ川。昔はこの橋がなく、渡し船だったという。幅はそんなにないけれど、それはずいぶん不便だったのでは。
達郎さんの家の前は、美しくてため息が出るような風景が広がる。玄関を出た途端に遊歩道、そして川。
穏やかな水面に対岸の風景が映り込む。

これが家の真ん前って、素敵すぎる。

朝、近くのパン屋に買い出しに。昔は3軒のパン屋があったけれど、今は一軒とのこと。
何百年も前の古い建物がたくさんあり、今もリノベしながら住んでいる人がたくさんいるという。

小さな町なので、いろいろなお店も1軒ずつしかないような印象。でもそれで別に生活は成り立つのだ。
もちろん、ちょっと車で出かければ、立派なスーパーマーケットもあるけれど。

イタリアの基本のパンは、バゲットみたいに硬すぎず、おいしい。
フルーツとパン、ジャム、紅茶で朝食。

オンライン・ミーティングのある達郎さんの仕事が済んでから、バイクに会いにガレージへ。
私のモト・グッツィ50モンツァは、シートを変えてもらって、だいぶ足付きがよくなったが、問題はまたがったままサイドスタンドが立てられないこと。

これまで乗ってきたバイクは、全部、サイドスタンドを立ててから、乗ったり降りたりしてきた。
そして、サイドスタンドを外さなければ、エンジンはかからない。
それが、このバイクの場合、立てたままでエンジンはかかってしまうのだ!

とにかく、乗るときはいいとしても、降りるときが無理すぎる。
サイドを立てて降りる、という状況しか知らないからだ。
午前中、その絶望的な状況に気づき、どうしたもんだか、途方に暮れる。

とにかく絶対、乗った状態ではかけられない位置。

それに気づいただけで、ヘトヘト冷や汗ダクダク。
「続きは午後にしましょう」という達郎さんの言葉にホッとしつつ終了。
ランチはピッツェリアでテイクアウト。
家の前の川縁で食べる。これ、毎日がピクニック状態なのでは……。

ピザの種類は60種! 注文すると粉から生地を練って焼いてくれる。

それはともかく、午前中のダメージがひどく、なんとかならないものかと検索したら、すばらしいYouTubeの動画を発見。
元、教習官という方の説得力はすごい。
午後はこの方式でやってみようと心に決める。

少しでも走ってみる、というプランもあったのだが、絶対に無理なので、ガレージ内で、乗る降りる、エンジンかける、ギアチェンジする、をひたすら繰り返す自主トレ。 

サイドレバーの問題もあるが、ガソリンタンクのON OFF、チョークなど、久しぶりに扱う感じ。
私が初めて乗ったヤマハのブロンコは、こういう仕様だったので、なんとか記憶を呼び戻す。

だんだん、スムーズにできるようになってきたところで、チカラ尽きる。
心配で見にきてくれた達郎さんからは「魂が抜けてる顔してますよ」と言われる。
それくらいは没頭した。

その間息子は、スムーズに新しいバイクを乗りこなし、100キロくらい走ってきた。

ワイディングを走り、楽しくてたまらない、とのこと。

マシンが違おうがなんだろうが、基本的な体格や体力やセンスがあれば、乗れる人は乗れる。
私は全然、そんなことないので。
「よくヨーロッパツーリングなんて、考えましたね!」と、達郎さんには半分以上呆れられるが、それはそれで、説明すると話は長く、とにかくここまで来たら、なんとかするしかない。

気を取り直して夕食を作る。
あちこち外国は旅行して、市場にはマストで行ったけれど、それを料理できないのは本当に悔しかった。
その積年の思いが、なんと今回、実現できてしまった。

ホワイトアスパラガスにゆで卵&パルミジャーノ、ムール貝ワイン蒸し、など。
ムール貝のスープに、冷蔵してあったごはんを足して、リゾット風というかおじやにしたが、うまかった。

食材は全部、日本と比べると、円安にしても、かなりリーズナブル。

バイクに乗るよりは、料理のほうがずっと得意です。
さあ、どうなるのか、明日の私のバイク……。

(つづく)


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