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11日目。2台になっても、ツーリングは続く。アルプス中腹へ向かって。2024/05/25

本日の走行(タンデム) 時間:3時間15分 距離:124.8キロ 標高:1562メートル 

またしても止め忘れてしまったので、実際は3時間ほど。

いろいろな苦難を乗り越えたものの、ついにドック入りしてしまった私のモト・グッツィ。
それでもツーリングは続くのだ。3人で来ててよかったよ。
頼みの綱の格さん=息子は、昨日、歯茎が痛み出してダウンしてしまい、どうなることかと思ったら、さいわい復調。
ミニキッチンが付いている部屋だったので、クノールの袋スープを作り、あとはパンを温め、ミートパテとトマトジュースと一緒に、軽く朝ごはん。

クノールの袋入りスープ。日本からは完全に消えたが、ヨーロッパでは売っている。

日曜には、ブリーヴィオに戻らなければいけないので、ルートを決めるのに悩む悩む。
今日はタンデムだし、あまり長距離を走らせたくないけれど、本人は問題ないと言うし。
早めに着きたいので、ある程度は距離を稼ぎたい。

自然な流れだと、スイスのサン・モリッツに一泊、なのだが、天気予報を見ると、気温−5℃から−1℃、雪の予報まで出てくる。本当かな。

でもアルプス周りは、ちょっと標高が上がるといきなり寒くなるし、天気はくるくる変わる。
丸一日晴れていたのは昨日くらいで、それも宿に着いた途端、本格的に降り始めた。

天気はともかく、寒いのが予想外で、実は夏のほうがベストシーズンなのでは、と思ったが、達郎さんによると「ものすごく混む」そうで、それはそうだと納得。
一斉にバカンスを’取る人たちばかりなわけだし、宿の値段も上がりそうだ。

とにかく、本拠地ブリーヴィオを目指して走るのは決まっているのだから、基本的に南下。リヒテンシュタインを通りつつ、天気の状況を見ながら決めようということに。

タンデムでも、フル装備はしなければならないし、自分で走っているのとはまた違う緊張感がある。
私は、ライン取りやスピードの上げ方落とし方、傾け方など、ふーん、なるほど、と思いながら乗っているので退屈はしないが、特にバイクに興味がない人だと、飽きる気はする。

そういう意味では、四国の初めての長距離タンデムで、「自分で乗ろう」と決めたのは、当然だった。

走り続けて、リヒテンシュタイン。
いままでずっと、国境はわからなかったが、リヒテンシュタインは、なんとなく国旗のようなものが標識に出てきた。

国をまたいで走っていると、建物のデザインが確実に変わっていくのがわかる。リヒテンシュタインは、意外と近代的というか普通の建物も多い。
ランチ休憩をしたが、お値段は結構高い。通貨はスイスフラン。

地元っぽい人も、普通にランチを楽しんでいる店。
 ランチセットの、ビーフストロガノフ  ライス添え、24ユーロ(サラダ付き)。単品で頼んだ、コルドンブルーのハム、チーズ、マッシュルーム入り、36ユーロ。おいしかったけど、高いよね?  1スイスフラン=170円 

さて、今日は、どこに泊まるとするか。
息子は、ブリーヴィオ滞在の初期の頃、ひとりでアルプス周りをツーリングしていて、アンデアー界隈の山の中腹には、ペンションがいろいろあって景色がよさそうだったよ、と言う。

これまで山に囲まれた町にはいたが、高いところから景色を眺めてはいない。そこにしよう、とすぐ宿を検索、決定。
幹線から外れて、細めの道をぐいぐい登っていくと、目の下に絶景が広がる。
このワインディングなら自分でも行けたなあ、などと考えながら、乗り心地を楽しむ。

息子に言わせると、タンデムしてるほうが、バックミラーで私の確認しながら走るより、はるかにラクとのこと。
私としては、息子の運転は安全で確実なので、なんの不安もないし、おとなしく乗っているが、夫が後ろだと、ギャアギャアうるさいらしい。
上手いのはわかるんだけど、なんで’こうなる? と、自分と比べて、つい声が出てしまうそう。
昨日の往復200キロのタンデムは、大変でしたね(→息子)。

着いたペンションは、角部屋からの景色が本当に美しい。
3人だといつも広い部屋になるので、これは得した気分。

三方が大きなガラス窓。
格さんはいつもソファベッドだったけど、今日は普通仕様。
雨が降ったり止んだりだけど、自分が濡れなければ、景色が変わるのは楽しい。

夕ごはんもこちらで。
一品目は大きなボウルに入ったサラダ。
「下のほうにドレッシングが入っているので、よく混ぜてね」とマダム。
確かに、席で自分でトスすれば、いつでも出来立て。
ドレッシングはもちろんハウスメイド。
「サラダの地位が、イタリアは低すぎる」と息子は言う。

最初にサラダをもりもり食べるのは、健康的にも理にかなっているし、ドレッシングに個性があれば、それはちゃんと一品料理になるわけだけど、イタリアは、そこそこの店に行っても、それはなかった。
国も違えば、店の価値観もまったく違うので、何が正解ということはないけれど。

続いて、スープ、メインのコルドンブルー。
ここ数日で、シュニッツェルとコルドンブルーの違いがようやくわかった。前者は、肉の間に詰め物なし。後者はあり。
どこの国でも、人気メニューなんだということは、発見だった。
バイクで走っていると、すぐに変化がわかるので、その微妙な推移がおもしろい。

メインが、コルドンブルーと聞いて、ランチの状況を思い出し、ボリューム感に一瞬不安を覚えたが、思いっきり小ぶりで出てきたのがさすが。
デザートまでの4コースで、45スイスフラン。
ランチは値段はなんだったんだ?

景観が素敵すぎる、ダイニングルーム。
よく見ると、絵柄がスイス。
フローラル・ソルトがかかったバター。うまい! 自家製パンに塗って。
山羊のパイが乗っている。
リースリングとリークをベースにしたポタージュ。ワインの酸味とチーズの風味が効いていて、熱々。

さて、明日は、ツーリング最終日。
天気と距離のせめぎ合いだ。

(つづく)




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