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8日目。インスブルックを抜けて、ドイツのフュッセンへ。山、山、山。2024/05/21

本日の走行  時間:4時間05分/距離163.8キロ/標高1914メートル

到着後スイッチを切りそびれたので、実際に走った時間は2時間マイナス。時速も間違い。

昨日はちょっぴりダメージだったが、今朝は朝から晴れて気分は爽快。素敵なビュッフェをいただき、元気いっぱいになったところで、助さん格さんは、峠に置き去りにされた私のバイクを、タンデムで回収に出かける。
私はチェックアウトしてから、今日の宿探し。
息子が急に、フュッセというドイツの町にある城を見たいというので、その方向で考える。

ここはイタリアなのに、表記はドイツ語。
ハムもだんだんドイツっぽく。ゆで卵はちゃんと半熟だった。クロワッサンが突然小ぶりに。
自分でオレンジを切って作る、電動ジュースマシーン。
バイク乗りの皆さんがいっぱい。このホテルは当たりだった。

峠から、私のモト・グッツィに乗って下ってきた息子。長距離を乗って、やっとこのバイクの特徴がわかった、ということで、いろいろレクチャーされる。
ものすごく簡単に言えば、ローギアでかなり引っ張ってから次に入れないと、なかなか厳しいということ。薄々この状況は感じていたが。

インスブルックまで、タコメーターの数値まで、細かく息子にインカムで指導されつつ走る。もはや、ツーリングではなく「乗車教習」。
夫は、自分はどんなふうにも乗れてしまうので、説明がいまひとつよくわからないのだが、息子の説明は的確。

こちらも真剣に練習中のつもりで走った結果、途中からは快調に走れるようになった。
これを一昨日やっていれば、昨日、峠は越せたかもなあ。
もっとうまく、もっと軽快に走れるという高揚感は、やっぱり特別なものだ。

途中で結局、雨に降られたが、もはや、この程度では驚かない。
さすがに気温が低く、寒いのはちょっとこたえるが。

晴れたり曇ったり、雨が降ったり。

イタリアからオーストリア、そこからさらにドイツと移動したが、表示も何もなく、だんだん言葉が変わっていく感じだけで実感がない。
昨日泊まった宿はイタリアだったけど、レストランの料理は、イタリアンとオーストリアの折衷だったし、表記はドイツ語でスタッフもドイツ語。なかなか謎だ。

フュッセン近くにある、ノイシュバンシュタイン城は、人気の観光名所らしく、入場チケットの数や人数も制限されている。
昨日、オンラインで最終の案内を買ったものの、17時の入場の5分前にはスタンバイしてください、とのこと。

なんとか宿に着いたら、既に15時45分。
とりあえず荷物をフロントに置き去りにし、すぐ近くの停留所から、16時10分発のバスに飛び乗る。
降りたところからお城の入口までは、40分の山道を歩かなければならない設定なので、これを逃したら、もうアウトだった。
おかげでバイクウェアのまま、見学する羽目に。

従者を引き連れて、お姫様、いざお城へ!

40歳で死んでしまった、不運なルードヴィフィ2世が建てた未完成の城は、日本語の解説を音声で聞けたおかげで、ツッコミどころ満載。
今でいうお金持ちの引きこもりか?? 
自分の趣味で固めまくった内装は、豪華ではあるが、孤独感に満ちていて、最上階の大広間も、実際に人を招いたりはしていなかった模様。

しかし、山の上にそびえるお城は、シンデレラもアナ雪も、これをモチーフにしたのでは、というようなビジュアルで興味深い。
「こんなところに囚われたら、やってられないな」というのが正直な感想。
お城=お姫様=ハッピーには違和感しかない。
便宜上、「お姫様バイク」と呼んでますが、それは置いておいて……。

焦って坂道を登ったのは、本当に疲れたけれど、それだけの価値はあった。

山の上に、さらにそびえ立っているので、景観は見事。
絵に描いたような……。雪の季節がまたすごいらしい。

夕食は町に出て、息子がめざとく見つけた、ザ・ビアレストランという感じの店へ。小さな広場に面したテラスは、本当に居心地がいい。
クレジットカード不可と張り紙がしてあり、バスも現金だったので、もしかしたらドイツはキャッシュ優先?

夜8時でも、かなり明るい。
ビールおいしいなあ。そんなにキンキンに冷えているわけでもない。
ドイツな感じの盛り合わせ。ジャガイモの焼き方とか、素朴なのに、いちいちうまい。

いろいろ微妙に流儀が違い、それが怒涛のようにやってくるのがおもしろい。
イタリアでは標準だった、バスルームのビデが、ドイツに来たらなくなった。
実はドイツに足を踏み入れたのは初めてなので、これがスタンダードなのかどうかはよくわからないけれど、なんとなく、ビデとドイツは、合わないような気もする。
とにかく、ここまでのホテル、全部、バスタブはない……。

ドイツが案外おもしろいので、明日以降、どこを回って帰ろうか真剣に悩む。そろそろ帰り道も考えないと。

ホテルまで腹ごなしに歩いていたら、ライトアップされた宮殿が。

(つづく)





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