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救世主あらわる! 旅の輪郭が見えてきた。

5月に行こうと決めたのはいいが、一体全体、どこから手をつけたらいいものやら。
普通の外国旅行なら、飛行機でもホテルでも、一人でサクサク予約して出かけるが、とにかくバイクのことを先に考えなければいけない。そもそもどこから出発するんだ?

と、五里霧中だったとき、突然、友人のお兄さんがヨーロッパのどこかに住んでいたはず! と思い出した。
聞いてみたら、いまはミラノの郊外にいるとのこと。なんと素晴らしい。

この方、山本達郎さんは、ヨーロッパのヤマハ発動機にお勤めで、実は日本で、家族3人で一緒に会ったことがある。
ヨーロッパでバイクの仕事って、いったいどんなことをしてるの? と興味津々だった。
まだ中学生だった息子は、目を輝かせて聞き入っていたものだ。
それっきり連絡は取っていなかったのだが、今回急に思い出すって、人間の頭は都合よくできている。

さっそくメールしたところ、「いくらでもご協力しますよ」とありがたいお返事。
とにかく、ミラノを拠点にすると決まっただけでも全然話は違う。
漠然とヨーロッパ、と思っていただけで、深くは何も考えていなかったのだ。

「バルセロナに親戚が住んでいるので、ちょっと行きたいかな」と言ったところ、「そっち方面だと、ただの移動になる区間が多すぎてつまらないですよ」と即答。確かに。
ミラノから、スイス、オーストリア、南ドイツに絞るとそれはそれは楽しめるはず、とのことで、一気にイメージが湧いてくる。

「一台は自分のバイクを貸せますよ」というので写真を送ってもらったところ、息子が一目見て、「これ、キミが乗るのは絶対無理」。

バイクって、大きさとか車高とか写真では全然わからないし、私は種類や特徴もまるで知識がないので、素直に従うことにする。
息子が達郎さんのバイクを借り、夫はどこかでレンタル。問題は私のバイクだ。

小柄なので足つきが心配。でも大型には乗りたいし。
「レンタルではなかなかないかもしれませんね。中古のオートバイを買って、旅のあと売り飛ばすという手もありますよ」。なるほど。
買ってしまえば、シートの高さを変えたりということも可能だそう。
もうこれしかないな。

大体の方向性が決まったところで、エアチケットのチェック。
このときのためにと貯めまくったマイレージが50万マイルあるので、これで3人分、往復ビジネスにしようという心づもり。
マイレージで取れるチケットは、かなり限られるので、お任せするしかない。
結果、運良く、いい感じのチケットが取れた。
直行便はなくパリで一泊だけど、特に急いでいるわけではないし。

日程が決まったところで、息子が「イモラでやってるF1を観たい」と言う。
確かに日程の真ん中辺ではあるし、南下することになるが行けなくはない。
走りっぱなしというのもナンだし、ちょっと滞在して休憩するのもいいかも。
チケットは3日通し。いまはネットですぐ買えるので安心だ。

問題はホテル。
3日間の滞在になるが、期間中はホテル代が高騰。市内のホテルは、どうということのない所でも1泊20万超え。
オフィシャルサイトから、テントエリアの案内も来たけれど、こちらは3日間で10万円。楽しそうだけど、キャンプは無理だし。
結局、イモラから少し離れた、リオーロテルメという町にホテルを取った。タクシーを頼んでおけばなんとかなるだろう。

混みそうだから、レストランも予約しなければと思い調べたが、ひとつあった一つ星の店は期間中満席。前々日のランチなら空いていると言われたが、それはありえないので、評判のよさそうな他の店を2軒予約した。
メールの返事が、なんとなく陽気で楽しそうなのが、イタリアっぽくていい。
楽しみがどんどんふくらむ。

(つづく)



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