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12日目。最終日。国境のアルプス越えに、打ちのめされる。2024/05/26

本日の走行(タンデム)


距離は短いが、峠越えはハード過ぎる。

昨晩は雨だったのに、今朝は、腹立たしいくらいの快晴。
だいたい毎朝、天気を心配しながら起きていたのだが、最終日にようやくこれか。
宿からの眺めはすばらしく、放牧されている牛のウカウベルと鳥の声が、のどかに聞こえる。
まさに、スイス。

こんなに快晴は、初めてかも。
ジャム系はおいしそうなんだけど、私はハムチーズ系。
ブッフェの雰囲気は重要。ドイツ界隈からはいい感じ。


個人的には、犯罪小説の読みすぎで、スイスというと金融のイメージしかないのだが、普通はこの風景を思い描くのだろう。「アルプスの少女ハイジ」そのまんま。

しかし、なんで最終日に晴れる?
Googleくんの先導で、車とバイクNGの道に入ってしまった……。

朝ごはんをゆっくり楽しみ、いざ、ブリーヴィオへ。
晴れていると、タンデムでも、めちゃくちゃ楽しい。こんなにきれいな風景の中を走れるとは、バイクに乗れてよかったと(今日は乗ってないが)、心の底から思う。

バイクの皆さんとも多く行き交うが、それ以上なのが、自転車。もう誰も彼もが自転車に乗っているのではないかと思うくらい。
なぜこの坂を、自転車で登るのか、登れるのか。
「山登りは、歩いてしか行けない場所があるけれど、自転車は基本、車やバイクでも行けるところだよね?」と息子。確かに。

でも私も、車でワインディングを走りたいとは別に思わないので、全然別の次元の話だろう。
私には、バイクがあってよかった。

などと思いながら乗っているうちに、アルプス越えのルートに。
「さあ、行くよーーー」とノリノリの息子だが、ヘアピンカーブの10連発に肝が冷える。
緊張のあまりからだがこわばり、乗り方が変になっていたようで、「ちゃんと乗っててよ」と言われる。
これ、500%、私には無理!!!

息子にタンデム。こんな感じ。

もちろん、私が自分のバイクに乗っていたら、このコースは取らずに戻ることになっていた。
それが、幸か不幸か、こんな光景を見ることができた。

息子は、最初から、私が安全なルートしか走れないのはわかっていたらしく、ブリーヴィオの最初の数日間は、一人で走りまくっていた。
ここも既に走った、とのこと。

確かに、こういう道を走ることこそが、ライディングの楽しみだということは、本当によくわかる。
が、私には、一生、厳しいかなー。

という、すごい場所から、ブリーヴィオまで、たったの1時間!?
もちろん、私が走っていたら、こんな時間では済まないのだけれど。
何もかもが想定外で驚く。

スイスからイタリアに入ると、なんとなく空気がゆるい。そして、そのことにホッとする。
言葉の響きも、ドイツ語とイタリア語ではまるで違うし、とりあえず、「読み取れる」感がうれしい。
帰ってきた、と思える自分がおもしろい。

そして達郎さんの家の前は、なんと、お祭り状態になっていた!
月末の日曜に開かれているそうで、大勢の人が。こんなにきれいな川沿いなのだから、人が集まるのは当然だけど、これって、メインストリートのど真ん中に住んでいるってこと?

なんだか、ものすごく賑やか。
私と同じ、BMWの純正革ジャンを着てる人を発見。声をかけて、一緒に写真を撮ってもらう。「あなたのは小さいけれど、わたしのはラージ」

帰り着いた時点の優先順位は、モト・グッツィをなんとかする、ということ。
人手がある間に、車から降ろして、タイヤをつけなければ。

私はもちろん、何もできないので、指をくわえて見ているしかないが、こういう状況は、ありそうで、あまりない。
いったい全体、どういう世界に足を踏み入れていたんだと思いつつ、皆さまに感謝、感謝。

積まれている……。
ボードを付けて、
3人がかりで降ろして、
車輪を付けたら、バイクに戻った!

スーパーに買い出しに行き、お土産ほか、いろいろ買う。
ラディッキオがあったので、これだけを使ってサラダを作ろうと決める。日本で売っていラディッキオは、何かちょっと味が違うので。

あと、変わった形のトマト。トマトの種類がいろいろあるのはおもしろい。メインは、グルグル巻きのソーセージを焼いてから、キャベツとトマトでちょっと煮込み。達郎さんが作ってくれた。

私は飲み中心なのだが、夫も息子も、お米のごはんを食べる食べる。
やっぱりお米はいいね。

ピーマンみたいに凸凹しているトマト。

(つづく)













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