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2020愛媛マラソン | マラソンに奇跡は無い

天気は晴れ。気温も走るにはちょうどいいくらいの寒さ。それなのに走り出す前からこれほど自信がなかったことはない。申告タイム順のスタートブロックでも極力後ろの方へ並ぶ。一月に風邪をひいて10日間程走れず、また、昨年の夏、走っていて転倒して以来、転倒への恐怖が拭えず、どうしてもスピードを上げる練習ができなかった。昨年秋のレースでそこそこの記録をだせたことだけを頼りに走りはじめた。周りのランナーがどんどん自分を追い越していくが、目標は完走だと自分に言い聞かせながら進む。 予定していたペースよりは少し速いけど、良いときの自分のペースよりは遅いから、まあ、大丈夫かなと思いながら進む。

まあ、大丈夫じゃないかもと思い始めたのは、10キロくらいだったか。股関節まわりが硬くなってきて、足の裏がだるくなってきた。遠くに海を見ながら気をまぎらわせる。だるいなと思いながら、走り続けたが、ついに20キロを過ぎたあたりで、足の裏のだるさが痛さに変わり歩き始めた。最近はマラソンで歩いてしまうことはなかったので、ショックを受けつつ、走ったり、歩いたりを繰り返すうちに、エイドにたどり着いた。いつもエイドでは水分だけ補給して、持参したジェルを食べるのだが、今回はエイドで配っていた山田屋まんじゅうを食べる。足も痛くて、体も疲れて、甘いものでも食べないと、やってられない!!

その後も、みかんや、坊っちゃん団子を食べながら、歩いたり、走ったりを繰り返して進む。39キロを過ぎて、とぼとぼ歩いていたら、「そこの水色のTシャツを着たお姉さん!」と後ろから声をかけられ振り向くと、ゲストランナーの高橋尚子さんとランナーの一団だった。「一緒に行きますよ!」とQちゃんに言われたら走らざるを得ない。普段の自分なら問題なく走れるペースなのだが、疲れきっていたのでちょっときつく感じながらついていく。Qちゃんが、「みんなでゴールするよー!」とか、「前の人との間をあけないでー!」とか、絶えず声をかけてくれるので、だんだんリズムに乗ってきて、無事、走ってゴールすることができた。ゴール前、最後の曲がり角のところでスピードがのってきて、Qちゃんと仲間達を追い抜いてしまったのはご愛敬。

マラソンに奇跡は無い。

レースが上手くいかなかったのは、結局、日々の練習の積み重ねが足りなかったから。なんとなく、上手く走れちゃうなんてことはない。それでも、途切れることがない沿道の応援に、笑顔で接してくれるボランティアや大会関係者の方々に、同じようにゴールを目指すランナーに、ゴールまで引っ張ってくれたQちゃんに、愛を感じるマラソンだった。あと、エイドの銘菓はおいしかった。

マラソンに奇跡は無いが、愛媛マラソンに愛は有る。

今日も元気で。

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