白髪ばんざい!

日本を離れてもうすぐ8年・・・チェコは超住みやすい。知人曰く、チェコ人は「適度にwho cares」なところがある。つまり、周りに人がいることは認識しているが、だれがどう思っているということは、それほど気にしていない。もちろんヨーロッパ人だから、スーツのスカーフ、カラーコーディネートはちゃんとしたい人が多いように思う。でも基本、自分が好きなものを身にまとい、好きなものを持っている。

自由を押し込められた社会主義の反動か、決められるのを極端に嫌っているかのよう。Tatooもピアスも、ドレッドヘアも、男性の長髪、女性の丸刈り、長いひげ、ノーメイクも「人は人でしょ」で終わり。(田舎に行くともう少し保守的らしいけど)

でも周りを見ていないわけではない。バスや電車に子連れの人やお年寄りが乗ってきたら、即席を立つ。お年寄り、子連れの人には町中、めちゃくちゃやさしい。(日本はやさしくないね・・・大阪、東京の地下鉄で腹立った)

だから、待合室で順番は守るけど、真冬にTシャツ半ズボンでも誰も何も言わない。古いノキアの携帯を持っていようが、スクリーンがぐちゃぐちゃに割れたスマホを使っていようが、それをゴシップにすることはあまりない。

この「適度にwho cares」な社会が心地よくて仕方ない。

これに慣れてしまったので、この記事を見てびっくりして、友達に「これ、本当なん?」と聞いてしまった。

彼女は日本企業に働いている。「そうなんですよ。結構言われるみたいですよ。」と教えてくれた。

白髪がなぜ「みっともない」んだろう。

白髪染めないのは「みっともない」?そうなん?それも女性だけ?男性もそんなこと言われるん?

それに、白髪を染めないと「相手に失礼」という感覚がまったく理解できない。どこから来たわけ、このアイデア?

びっくりした。

ここ5,6年で一気に白髪が増えた私は、「みっともない」のか・・・。これ、苦労の証なんだけどな。


もちろん、ドレスアップすることで「私はあなたのために努力してますよ」とビジネスパートナーや恋人に示すことはいいと思う。ただ、それはドレスアップすることでセルフケアをする、自分をもっと好きになることが基になっているはず。自分自身の姿が「みっともない」からドレスアップする=隠すのではない。そもそも出発点が違う。フォーカスが違う。

この記事の「みっともない」は、自分自身の姿は世間に見せられるものではないから、隠すのが礼儀だ、と言っているように見える。自分自身の姿を根本から否定しているということに、気づいてないんだろうか。


強い自己否定感

私は3カ月か半年に一度ぐらい、Mental breakdownがある。自分を好きになれず泣き出してしまい、パートナーに慰めてもらうことがある。どうして自分が好きになれないのか、わからない。自分で自分を認められない自分の中で起きている矛盾が悲しくて、その気持ちが涙になって出てくるんだろうと思う。

「適度にwho cares」なチェコに8年近く住んでも未だ払拭できない「自己否定」は、深く私の心に根付いてしまっている気がする。

最近NetflixでQueer Eyeを見始めたので、この泣きべそ頻度がかなりUp。

"Be yourself, love yourself."

と言われると、もう涙が止まらなくなってしまう。どうしてこうなったんだろうと思うと、そもそも自分を好きになることが良しとされてない社会に私は育ったんじゃないかと思い始めた。


若白髪の人、まわりに結構いる。

まず私の父親。私には白髪の父親しか記憶にない。昔の写真を見て、うおぉ、黒かったんか!?とびっくりした。

今働いているオフィスにも、10代から白髪なんだよねーというスロベニア人がいた。彼はバイオテクノロジーを勉強したサイエンティストで、まだ30歳にもなってないのに、なぜか超頼れるお兄ちゃんに感じる。実際、チームのまとめ役でもあった。

パートナーは30代から白髪って言ってた。ヨーロッパ人は多いのかな。

そしてQueer EyeのTan France。ぱちぱちお目目でかわいぃわぁー。そしてこのゴージャス・ヘア!さすがMiddle Easternは髪がしっかりしてますな!

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出典:https://www.metro.news/trends-queer-eyes-tan-france/1099334/

まだ30代。彼も10代から白髪出始めたんだとか。今のHusbandと最低4人は子供が欲しいと。あー、かわいいわーーー。British accentもかわいい♪


白髪の話に戻る。

私の白髪はチェコに移住してから一気に増えた。ひどいBreakup、お金にならない仕事、家族の体調不良が重なり、ウツで体中が重くて朝起きられない毎日が5,6年続いたら、あらー、こんなに白髪が増えてしまった・・・。でもその苦労を乗り越えて今がある。

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白髪がどうのこうのと、まったく思っていない。以前はかなり黒髪だったので、印象が変わったこと。そして「おとんのDNA、今出てきたな」と思うぐらいで、隠すこともない。白髪が増えたので、髪オレンジにしてみよーかなーとか思うことはあるけど。

白髪は何というか、勲章というか、傷跡というか。恥ずかしいともみっともないとも思っていない。むしろ、年上に扱ってくれるので話が早いこともある。


私の同僚のように、10代から白髪になる人は結構たくさんいる。その人たちが「悩む」社会は、精神衛生上よろしくない。

白髪ばんざい!でいいんじゃないの?

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