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「I don't mind」と「I don't care」の使い分け

「気にしない」という表現

以前、自分はどちらでも構わないので、「お好きにして頂いて良いですよ」という英語表現で「You are welcome to〜」について書きました。

この他に、相手の行動に対して「構わない」「気にしない」ということを伝えたいときに日常的によく出てくるものとして、「I don’t mind」 と「 I don’t care」があります。

この二つは似ているのですが、ニュアンスがかなり違います。実は、私は「I don't mind」と「I don't care」の使い分けを習得するまで、随分と恥ずかしい使い方をしていたと思います。
アメリカで暮らしていた頃、友達に何かを聞かれて「どっちでもいいよ」というつもりで「I don’t care」と言ったら 「そういう時は、I don’t mindって言うんだよ」と笑いながら違いを説明してくれたことがありました。

そのときに初めて、「そういえば"I don't care"と言ったら相手が苦笑いしていることがあったな」と、間違った使い方をしていたであろう数々の場面が思い出されたのでした。

"mind"と"care"の違い


「I don't mind」と「I don't care」の違いは"mind"と"care"の違いです。

"mind"は「覚えておく」「気に留める」「気にする」などの意味があります。ここに"I don't〜”という否定がつくことで、「気に留まらない」「気にならない」つまり「自分は気持ちを害されることがない」というニュアンスになります。

"mind"に"never"という否定の言葉をつけた「never mind!(気にしないで!)」という表現はカジュアルな会話でよく出てきます。何か失敗してしまった時などに「never mind」と声をかけることで「落ち込まないで」「気にしないで!」と相手を励ます言葉ですね。

因みに、日本語で「気にしないで」という意味で使う「ドンマイ」という言葉がありますが、これはdon’t mind(ドントマインド)を省略したものと思われます。(たぶん・・)
ただ、英語では「気にしないで」という場合、"don’t" よりは"never"という否定の言葉をつけて"never mind"という表現を使うのが一般的です。

これに対して「I don’t care」の"care"には「大事に思う」「手をかける」「気持ちを注ぐ」などの意味があります。careは「ケア」という和製英語でも使いますよね。スキンケア、ヘアケアなどは、「お手入れする」つまりは「大事に扱う」という意味です。この"care"に否定系の”I don’t”がつくと「大事でない」つまり、「自分にとって関心がないどうでも良いこと」というニュアンスの「気にしない」という表現になります


こんなシチュエーションでは・・・

例えば、恋人に「今週末は友達と遊びに行きたいので、会えないけど良い?」と聞かれた場合。会えなくて残念だけれど、お友達も大切なのは分かるから「気にしないから、行っておいでよ」と言いたい場合は、「I don't mind」です。

こんなときに、「I don’t care」と言ってしまうと「あなたのことなんか興味もないから別にいいよ」という印象になりかねません。

しつこいようですが、「I don't mind」と「I don't care」は似ているけれど、ニュアンスは全然違うのです。

時には、「Its not that I don’t care but I don’t mind」とわざわざ並列することもあります。「興味がないから気にしないということではなく、関心はあるけど気分を害したりはしてないよ」と、相手の判断に理解を示していることを伝えるために「I don’t careではなく、I don’t mindだよ」と念押ししているんですね。

ところで、恋人に「会えない」と言われたときに冒頭に触れた「You are welcome to〜」と言ってしまうのは、よろしくありません💦「You are welcome to〜」という表現は相手の意思を尊重するニュアンスを含むものの、"welcome"という単語が入っているだけあって、「歓迎している」という印象が強いのです。恋人が「会えない」と言うときに「You are welcome to spend time with your frinds」と言ってしまうと、「どうぞ!どうぞ!友達と遊んできて〜」と、まるで会えないことを大歓迎するような印象を与えかねないので注意しましょう。

英語に限らず、母国語でない言語のニュアンスを把握して使いこなすのは大変ですが、1番の近道はやはり使いながら覚えることです。時には恥もかきながら、実際に使ってみたときの相手の反応を観察して、「この使い方は違うんだ」とか「こういう場面で使う」など、覚えていくしかないんですよね。

それでも、使う機会がないとか、どうしても使ってみる勇気が湧かないという場合は、英語のドラマや映画を見ながら「あ!いまI don’t mindって言った!」とか「I don’t care って言った!」と、どんな状況でその表現がどう使われているかを観察しながら自分なりに理解していくのもお勧めですよ。

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