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英語のメタファー(隠喩表現)

初めて聞く表現でも直訳して想像すると意味が掴める

通訳していると、メタファー(隠喩表現)がいろいろな場面で使われていることに気づきます。日本語でも英語でも、メタファー(隠喩)を使うことで直接説明するより言いたいことが伝わると感じることも多く、コミュニケーションというのは本当に面白いものです。

メタファー(隠喩表現)の良いところは、初めて聞く表現でも直訳して状況や光景を思い浮かべると、相手が言いたいことの意味が掴めることかと思います。
今日は、最近出会ったメタファーについて幾つか書いてみたいと思います。

Short cut

「Short(短く)+cut(切る、削除する)」ということ。「近道」や、「手っ取り早い方法」という意味で使われます。道を説明するときに「ここを通ると近道だよ」という意味で"short cut"を使う場合もありますし、「there is no short cut(近道はないから地道に努力しなさい)」のように使われることもあります。

Hands on

「Hands(手)+on(乗せる、つける)」ということで、何かに手をつけている状態。つまり、「実際に手を動かす」という意味です。短く訳すときは「実践」と言ったりもします。


Big hole to fill

「Big hole(大きな穴)+to fill(埋める)」そのままの意味です。日本語でも「穴埋め」という表現がありますよね。英語でも日本語でも、例えば損失が出てしまった時の「穴埋め」というような場合に使う表現です。


Speak different languages

「Speak(話す)+different languages(違う言語)」ということで、直訳すると「話している言語が違う」つまり、「話が通じない」とか、「ちんぷんかんぷんで何を言っているのか意味が分からない」という意味です。メタファーとして使う場合は、違う言語を話しているのではなく、同じ言語で話しているにもかかわらず(!)、まるでdifferent language(外国語みたいに)理解できないというときに使います。

実は、"Speak different languages"という表現を私が一番よく聞いたのは、コーチングのトレーニングを受けたときでした。アメリカのコロンビア大学が行っているコーチングプログラムで資格を取ったのですが、プログラム中にコーチの心構えとして先生に口酸っぱく言われたのは、コーチングセッションでは「Speak the same language! Do not speak a different language」ということでした。

つまり、「相手が理解しやすいように話せ」ということです。例えば、専門用語を連発したりするのは絶対にダメで、同じ言葉や表現でも人によって感じ方は違うので、目の前にいる相手の心に響く、分かりやすい話し方を心がけるよう、しつこいくらいに言われたのを思い出します。

That’s Greek to me 

直訳すると「私にはギリシャ語(に聞こえる)」です。"Speak different languages”と同様に、「まるで外国語を聞いているかのように、相手の言っていることが全く理解できない」という意味です。私がアメリカに住んでいるときによく耳にした表現です。アメリカ人にとってはギリシャ語が「難しい外国語の代表」ということなのでしょうか。「自分には理解不能です」という意味で「私にはギリシャ語に聞こえる」と言うんですよね。


そういえば、ある時、"That's Greek to me"という表現を聞いたメキシコ人の友達が「メキシコでも同じ表現がある。でもギリシャ語ではなくて『中国語』だけどね」と言っていました。きっと、メキシコ人にとっては「難しくて理解不能な言語」は中国語だと思われているのでしょうね。

 
Ice break

日本語でも知らない人が集まった場面で「アイスブレイクをしましょう」とカタカナで、この表現を使うことがあります。「ice(氷)+break(割れる)」つまり、氷が割れるようにお互いに打ち解け合うということです。

Fire starter

ice breakに似た表現です。「Fire(火)+starter(始めるもの)」から連想できる通り、焚き火などをする際に最初に燃えやすいものに火をつけて安定したら太い木を燃やしたりするように、ディスカッションなどを始めるにあたって話しやすいトピックから話すことで場を温めて活発な意見交換をしましょうというようなときに使う表現です。

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