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「縦横斜め」の言い換え表現のススメ

英語は「言い換え」ながら表現する


主語を省略しても通じる日本語とは違い、英語は文法的に主語がないと成り立たない構造になっているので、同じことについて話が続くと何度も同じ主語を繰り返すことになります。

例えば、私が飼っている猫の「ねいら」について話している場合。
ねいらが遊んでいる」「ねいらは可愛い」「ねいらは今日お留守番をしている」などなど。

ただ、「ねいら」について話していることはわかっているのに、毎度、毎度、「ねいらが・・・」と繰り返されるのは、ちょっと耳障りです💦

そのため英語では、下記のように代名詞を使ったり、言い方を変えたりして、毎回同じ言葉が主語として繰り返されるのを避けます

ねいらが遊んでいる(Neira is playing)」→「彼女が遊んでいる(She is playing)」
ねいらは可愛い(Neira is cute)」→「この猫は可愛い(This cat is cute)」
ねいらは今日お留守番をしている(Neira is staying home today)」→「うちの子は今日お留守番をしている(My little one is staying home today)」

こんな風に「言い換え」をすることで、何度も「ねいら」という言葉が主語として繰り返し出てくるのを避けます。表現を変えたり、時には少しユーモアのある言い方を混ぜることで、その人の言葉のセンスや知性が感じられるのも面白いところです。

「縦横斜め」の言い換え表現でピンチを乗り切る!

この「言い換え」テクニックの訓練は、通訳学校の授業にも取り入れられていました。同じことを伝えたいときに幾通りもの選択肢を持つことで英語表現が豊かになると先生に言われたのを覚えています。

そして実は、この「言い換え」は「英単語を知らないから言いたいことが言えない!」とピンチに陥ったときに、とても便利なのです!

例えば、「椅子」という言葉を例に考えてみましょう。
「椅子」について話したいけれど、”chair”という言葉を知らない、または忘れてしまったとします。そんなときは、「言い換え」ができないか考えます。

「椅子」について、「椅子」という言葉を使わずに説明するとしたら、どんな表現ができるでしょう?

例えば・・・

「座るもの。(something you sit on)」
「テーブルや机と対になっているもの。(something normally paired with table or desk)
「脚が4本ついた家具。(a furniture with four legs)」


まるで連想ゲームのようですが、「椅子」という言葉を知らなくても(あるいはド忘れてしまっても)椅子を説明する方法はあります。中には言われたら余計に混乱してしまいそうなものもありますが(汗)、単語を知らないからといって直ぐに「話せない😭」と諦めるのではなく「どうしたら表現できるのか」ということを考えるのです。


私はこれを「タテヨコ斜めの言い換え」と呼んでいます。いろんな角度で考えて、あの手この手で言いたいことを表現する方法を捻り出します。

本当は言いたい言葉が出てこなくて絞り出した表現は、少し不格好になってしまうかもしれませんが、もともと英語は「言い換え」というのが習慣的に行われていると思えばチャレンジしやすくなる気がしませんか?


そして、「言い換え」を意識しながら英語を聞いてみると、同じ言葉が、どんな風に言い換えられているのかを観察するのも楽しくなります。

因みに、私が今までで一番感動した「言い換え」表現は、「The world’s most famous mouse」です。

直訳すると「世界で一番有名なネズミ🐭」・・・何のことだかわかりますか?

答えはミッキーマウスです!
もちろん、明らかにミッキーマウスの話をしているということが分かる文脈で使われていた表現なのですが、これを聞いたときには、なんてチャーミングなんだろう!✨と感動してしまいました。


単語を知らなくても、ピンチの時には「縦横斜め」で表現する方法があるということを知っておくと英語を話すときのハードルが少し下がるかもしれません。そして、「言い換え」というのは豊かな表現のために英語ネイティブの人たちもやっていることので、ピンチの時も自信を持って(開き直って・・・笑)チャレンジしてみてください。

ピンチでないときも「これは別の言い方をしたらどうなるのかな?」と、普段から頭の体操をしてみることもお勧めします!

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