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【上高地】ミドリニリンソウを探せ! ★ニリンソウ第2話(無料)

しあわせのミドリニリンソウを探せ!

(この記事は最後まで無料で読めます)

さて、咲き乱れる上高地のニリンソウのお話が続きます。

ミドリニリンソウという言葉が出てまいりました。
ニリンソウの花は白だよね?ミドリのものがあるの??

と、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、上高地でニリンソウの群落をよくみてみると、真っ白い花に混じって、花びらが緑色の花を見つけることができます。

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花びらが緑といっても、いろんなタイプがあり、なんだか不思議な色合いですよね。
ただ、緑色になるのがどうしてかは、まだ確実にはわかっていないみたいです。

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先祖返りかファイトプラズマか?

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花びらが緑になる要因には、有力な二つの説がありますので書いておきますね。

【説1】
●ニリンソウは昔は花びら(がく)が緑色だったが、長い進化の過程で白くなっていった。それがたまに先祖返りを起こして、緑色の個体が出てくることがある
(正確にはニリンソウの花びらは『がく』・本当の花びらは退化して無くなった)」

【説2】
●花びらの変色はファイトプラスズマ(細菌の一種)の感染による葉化。感染すると花びら(がく)が葉のように変わってしまったり、色が緑色になる。
ここでいう「葉化」とはいったんは花になるべく作られる植物の器官が、細菌の影響で花になり切れず、葉と花の混ざったような状態になってしまうということです。普通ではありません。


ニリンソウは「がく」を白くすることで花びらの代わりをさせている

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そうそう、きちんとおはなししていませんでしたが、ニリンソウの花びらは正確には「がく」です。がくは花びらを支えるものと考えられていますが、花は花粉をはこんでくれる虫や鳥などを呼ぶためのものなので、がくが花びらの役割をしても問題はないわけです。それなら花びらは要らないと、退化させてしまったようですね。

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昔はそのがくが緑色だったということは、前述の先祖返りの話ももうなずけます。一方でミドリニリンソウはファイトプラズマによるものだと断定している人もいます。

先祖返りの説は昔から言われていたことですが、ファイトプラズマの研究も進んでいます。ホントのところはどうなのでしょうね?


ミドリニリンソウは増えている!?

私が上高地に来た最初のころは、今ほど森でニリンソウの緑色の花を見かけることはあまりなくて、しかもそんなに見向きされなかった気がします。

けれども最近、「しあわせのミドリニリンソウ」 なんて言われてもてはやされるようになりまして、なぜか森の中に数が増えてきたようにも思います。もしかしたらそれは、ファイトプラズマ感染がごくゆっくりですが広がっていることの表れかもしれません。(※植物が感染していても人には害はありません)

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それでもかわいらしく思う

しあわせのミドリニリンソウも、ふたを開けてみると細菌の巧妙な戦略が隠されています。(ここではファイトプラズマの生態についてはあまり詳しくは書きませんでしたので興味のある方はお調べくださいね。)

けれども、ミドリニリンソウのなかには、とてもかわいらしいものも多くあり、見つけられたら、やっぱりちょっと嬉しくて気持ちが幸せになります。

全体が緑色を帯びているミドリニリンソウもあれば、ちょっと緑が混ざっていたりするお花が見つかることもあります。

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いろんなタイプのミドリニリンソウを探し出して、カメラに収めるのもまた楽しいものです。

ミドリニリンソウが見たい!

ミドリニリンソウが見たいと思ったら、ニリンソウの咲く時期に、ぜひ上高地にいらしてください。ニリンソウのたくさん咲いている場所へは、少し遊歩道を歩くことになりますので、スニーカーやトレッキングシューズでどうぞ。

ミドリニリンソウを見つけやすいのはニリンソウ群落の縁、遊歩道からでも花を近く低い位置で観察できるところです。最初は見つけるのが大変と思うかもしれませんが、一度目にすると、一輪、また一輪と続けてみるけることもできると思いますよ。ぜひ探して写真にとってシェアして、あなたのその幸運をみなさんにも分けてあげてくださいね。

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