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希少疾患の患者さんのために

前回の記事では、私事で恐縮ですが、私がUbieに入社した経緯や、Ubieでのチャレンジついてお話させて頂きました。

前回も触れさせて頂いた通り、Ubieはミッションとして「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」を掲げていますが、「人々」と一口に言っても多種多様な人々がいるかと思います。

その中でも、今回は特に「希少疾患の患者さん」に焦点を当てて、「Ubieとして希少疾患の患者さんに貢献できること」についてお話出来れば思います。

希少疾患って知っていますか?

希少疾患は、文字通り「希少(レア)」な疾患のことです。地域によって多少定義は異なるものの、「患者さんの数」で定義され、日本では「国内で5万人未満」、米国では「国内で20万人未満」、EUでは「人口1万人あたり5人未満」と定義されます。

一方で、希少疾患は身近な存在であるというような、一見矛盾するような研究結果がフランスの研究機関より発表されています。その研究結果によると、

世界人口の100人に4人が希少疾患を患っており、その数は3億人にのぼる(出典:https://www.nature.com/articles/s41431-019-0508-0)

とのことです。

本研究では3,585の希少疾患が対象とされているようですが、実際にはそれ以上の希少疾患があるとされ(フランス国立保健医学研究所が統括するOrpanetでは6,000を超える希少疾患が登録されているようです)、希少疾患に悩まされている患者さんは更に多いかもしれません。

希少疾患の治療の進化は目覚ましい

そのように実は意外と身近な疾患である希少疾患ですが、皆さんの中には希少疾患のもう一つのイメージとして「良い治療手段がない」と思われている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

実は希少疾患の治療は日進月歩で進化しています。

IQVIA INSTITUTEの2019年時点のレポートでは、

2019-2023年の間に平均54の新規有効成分が上市されるが、そのうち45%が希少疾病の薬剤である
(出典:https://informatori.it/wp-content/uploads/2019/03/the-global-use-of-medicine-in-2019-and-outlook-to-2023.pdf)

ことが示されており、今後も続々と希少疾患の治療薬が開発されることが期待されます。

希少疾患に潜む「隠れ患者さん」

ただし、いくら良い治療が開発されたとしても、その治療を受ける患者さんが見つからなければ意味が無いですよね?

希少疾患はレアな疾患であるからこそ、患者さんは勿論、医師にとってもレアです。それ故に、例えば下記のようなケースによって、発見までに長期間を要したり、そもそも発見されないような「隠れ患者さん(未診断・未治療の潜在的な患者さん)」がいるのです。

ケース①:隠れ患者さんが疾患によっては症状が軽度で受診さえしない
ケース②:隠れ患者さんが自身の疾患に適切な医療機関に受診できない
ケース③:医師が隠れ患者さんの病状から適切に診断できない
ケース④:医師が隠れ患者さんの病状から適切な専門医に紹介できない

隠れ患者さんをどのように見つけるか?

では、どのように隠れ患者さんを見つけたらよいのでしょうか?

先ほどのケースを考慮するに、「隠れ患者さん」や「隠れ患者さんを診察する医師」に対して、適切に行動変容を促すことができれば、隠れ患者さんの早期発見・診断が実現できそうです。

しかしながら、大きく2つほど障壁があると考えています。

1つ目は、「隠れ患者さん」や「隠れ患者さんを診察する医師」を特定することが難しいこと。両者に対して適切に行動変容を促すためには、まずはその特定が肝要です。

しかしながら、「隠れ患者さん」は未だその希少疾患の治療もされていなければ、診断もされておらず、探す手がかりはほとんどありません。従って、現状は「隠れ患者さん」、「隠れ患者さんを診察する医師」を特定する情報はこの世に無いと言っても過言ではないということです。

2つ目は、「隠れ患者さん」や「隠れ患者さんを診察する医師」に希少疾患を自分事化してもらうことが難しいこと。

仮に「隠れ患者さん」や「隠れ患者さんを診察する医師」を特定し、アプローチできたとしても、行動変容に繋げることは容易ではありません。
「隠れ患者さん」は、普段は自分が希少疾患であるとは思っても無いはずで、例えばリビングでゆっくりテレビを見ている状態で情報を受けても全く刺さりません。

同様に「隠れ患者さんを診察する医師」も、普段は一人一人の患者さんの病状を詳細に思い出すことは難しいはずで、例えば通勤中の電車でスマホを見ている状態で情報を受けても「隠れ患者さん」の存在に気づくのは容易ではないのです。

AI問診プロダクトは隠れ患者さんを見つけるイノベーティブなソリューション

Ubieが展開するAI問診プロダクトは上記の障壁を突破できる、今までにはないソリューションであると考えています。

1つ目の障壁に対しては、AI問診はAIによって患者さんの回答に応じて、症状や歴情報を深く詳細に聴取し、最終的に参考病名を提示することができます。

「隠れ患者さん」に対して、その希少疾患を疑う際に必要な情報も問診によって聴取することができ、「隠れ患者さん」の特定に繋げることができます。

2つ目の障壁に対しては、AI問診プロダクトは患者さんや医師が、受診/診療行動にかかわる意思決定をする際に活用するために、自分事化を促しやすいことです。

一般生活者向けのユビーAI受診相談は、患者さんが何か症状に違和感を覚えた際にAI問診をして頂き、最適な受診行動を支援するサービスです。患者さんが自身の症状に興味関心が高く受診を検討する段階でアプローチが可能です。

医療従事者向けのユビーAI問診は、患者さんが医療機関に受診した際にAI問診をして頂き、診療室で問診結果を医師にフィードバックし、医師の問診・カルテ作成業務効率化を支援するサービスです。医師がまさに患者さんを診療し、次の診療行動(検査、治療、紹介など)を検討する段階でアプローチが可能です。

希少疾患の隠れ患者さんを見つける取り組みは、既に数多くの製薬企業と取組みを始めています。

今後は、より多くのステークホルダーの皆様とのコラボレーションの輪を広げていきながら、希少疾患の患者さんのために邁進していきたいと思っています。

最後に

今回は特に「希少疾患」をテーマにしてお話をさせて頂きましたがいかがでしたでしょうか?少しでもUbieの取り組みについてご興味を持って頂けましたら幸いです。

また、先日、Ubieでは製薬事業の新組織であるUPCを立ち上げたことをきっかけとして、Ubieの代表の阿部、UPCのディレクターを務める岡との対談記事を公開しました。

こちらについても、もしよろしければチェック頂けたらと思います。

Ubieは、UPCをはじめとして多くの事業・職種で採用強化中ですので、採用サイトをご確認の上、ご連絡・ご応募頂けますと幸いです。

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