令和の先攻ワンキル100%イグナイト【先行ワンキル】
1.はじめに
はじめまして、慧紀(@KeiKi_Pacifis)という者です。普段は主にイゾルデ1枚初動やイグナイト2枚初動を中心にソリティアを嗜んでいます。
今回はイグナイト基盤で先攻ワンキル100%のデッキが完成したものの、その説明がTwitterに載せるには少々長すぎたために、こうして解説がてら記事を書いています。
主にカード解説や展開ルート8種類の文章量が非常に多いですが、興味のある部分のみでも構いませんのでお読みいただければ幸いです。
そもそも僕が先攻ワンキル100%を目指そうと思ったきっかけは、自分が過去に作ったイグナイトDDBの展開を数日前に見返したことでした。
この展開ルートはEX消費が6枠とかなりコンパクトなので気に入っているのですが、これを見返して以下のことを考えました。
「これと反対に、メインデッキのコンボパーツの枠を最小限に留めて先攻ワンキルできないか?最小限にすれば先攻ワンキルの成功率を100%にできるのではないか?」
ここに端を発し、3日ほどかけて完成したのが今回の先攻ワンキル成功率100%のイグナイトデッキとなります。
2.先攻ワンキル手段の選定
※本項以降、初出のカードには公式データベースへのリンクを付けています。
現代遊戯王において、先攻ワンキルの手法は様々です。バーンであれば《トリックスター・スイートデビル》や《ダーク・ダイブ・ボンバー》など、ライブラリアウトであれば《精気を吸う骨の塔》や《ネクロフェイス》など、特殊勝利であれば《封印されしエクゾディア》や《ゴーストリックの駄天使》など、数えきれないほどあると言えます。
しかし、メインデッキのコンボパーツを最小限に留めるとなると、適性のある先攻ワンキル手段は限られてきます。例えば先ほどの【DDBワンキル】の場合、《ギャラクシー・クィーンズ・ライト》及びそれをサーチする《銀河の魔導師》、《幻獣機アウローラドン》から特殊召喚する《幻獣機コルトウィング》など、メインデッキに大きく依存していることが分かるかと思います。
しかし、メインデッキのコンボパーツがごく少量で済む先攻ワンキル手段が1つ存在します。それが《究極幻神 アルティミトル・ビシバールキン》、《転晶のコーディネラル》、《No.33 先史遺産-超兵器マシュ=マック》の3体を使用したバーンギミック、通称【マシュマックワンキル】です。
マシュマックワンキルは《ビシバールキン》でお互いの場に邪眼神トークンを大量に特殊召喚し、《コーディネラル》で《ビシバールキン》を送り付けたのちに、自身の効果で攻撃力が8000以上になった《ビシバールキン》を《マシュマック》で参照して一撃必殺のバーンを与えるギミックです。
このギミックに必要なモンスター3体は全てEXデッキのモンスターであり、さらに《コーディネラル》は邪眼神トークン2体から適当なリンク1モンスター2体を経由するなどして準備できるため、《ビシバールキン》と《マシュマック》を準備してモンスター数が足りれば先攻ワンキルが成立します。
イグナイトにおいてこの要求値を考えると、《ビシバールキン》を出すためのチューナーは《焔聖騎士-リナルド》と《アストログラフ・マジシャン》を素材にS召喚できる星8Sチューナーの《炎斬機マグマ》、非チューナーは《アストロ》などを素材に特殊召喚でき展開にも使える星8の《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》、《マシュマック》の素材の星5モンスターは星5イグナイトの2体などを使用可能と、全てイグナイトの動きから無理なく準備できる範囲であると判断し、これを目指してルートの構築を始めました。
3.構築および採用カード
構築
構築は以下の通りです。
メインデッキのパーツは、イグナイト(8種24枚)、デッキ圧縮札(5種11枚)、コンボパーツ(5種5枚)の計40枚で、EXデッキのカードは融合1枚、シンクロ2枚、エクシーズ1枚、リンク8枚の計12枚で構成されています。
カード解説
それでは各採用カードの解説をしていきます。
イグナイトのことを全く知らない人でも分かるように、全カードについて解説を記載していますが、その弊害でクソ長いため、「イグナイトの基本くらいは知ってるよ」という方や「別に興味ないよ」という方は、知らない部分のみ読んで頂ければと思います。最悪展開ルートだけ見てもらう形でも分かるかと思いますので。
※以降、以下の略称を使用します。
・SS:特殊召喚(Special Summon)の略。
・回収:(何かしらの手段で)手札に加える。
・サーチ:デッキから手札に加える。
・サルベージ:墓地から手札に加える。
・リクルート:デッキから特殊召喚する。
・イグナイト(8種24枚)
イグナイトPモンスターは全て戦士族・炎属性の通常Pモンスターであり、星3~6にPスケール2のものとPスケール7のものがそれぞれ1枚ずつ計8枚存在するため、3枚×8種=24枚採用できます。当然フル投入です。
全員共通のP効果は、Pゾーンのイグナイト2枚を破壊し、戦士族・炎属性モンスター1体をサーチまたはサルベージするというもの。コンボパーツの《超量士レッドレイヤー》《リナルド》《キリビ・レディ》の回収はもちろん、イグナイトを回収することで実質手札消費1枚でイグナイト2体をEXデッキに送るという使い方も可能であり、状況に応じてサーチ先を使い分けることができます。
・デッキ圧縮札(5種11枚)
先述の通りイグナイトPモンスターは最大24枚しか積めませんが、イグナイトはその恵まれたステータスにより各種サーチカードに対応しています。これと手札コストなしで1ドローできるカードを採用することで、コンボパーツ以外のスロットは全てイグナイトという状況を疑似的に作り出すことができます。
イグナイトをサーチできるカード3種。《増援》と《苦渋の決断》は下級イグナイトを、《召喚師のスキル》は上級イグナイトをそれぞれサーチできます。《増援》は《リナルド》と《キリビ》にも対応しているのが偉いですね。《苦渋の決断》で落としたイグナイトを《リナルド》で回収する動きも一応可能ではありますが、基本的には使用しません。
《苦渋の決断》はデッキのイグナイトの枚数が減ってしまうため、手札に応じてサーチ先及び展開ルートを柔軟に変える必要があります。
制限カードである《増援》と名称ターン1のある《苦渋の決断》はそれぞれ1枚ずつ、《召喚師のスキル》は3枚の採用です。
手札コストなしで1ドローできるカード2種。《無の煉獄》は自身も含めて手札が3枚以上の場合しか発動できず、《チキンレース》は1000LPのコストが必要となります。
今回は【マシュマックワンキル】ギミックにより1撃で相手のLPを0にするため、《チキンレース》の①効果を気にする必要はありません。2枚とも3枚ずつの採用です。
・コンボパーツ(5種5枚)
最強Pモンスターの一角の制限カード。自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に、自身を手札からSSしこのターン破壊されたモンスターの同名モンスターをサーチする効果を持つ、星7闇属性Pモンスターです。
イグナイトのP効果による自壊に反応してSS&サーチが可能であるほか、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》とも非常に相性がよく、《エレクトラム》の②効果でこのカードを回収すると、即座に効果を起動してSS&サーチができます。
使用する上での注意ですが、「このターンに破壊された」モンスターとして参照できるのは、破壊されて最初に送られたゾーンから動いていない場合のみです。そのため、Pゾーンで破壊されたのちにP召喚してEXデッキから離れたイグナイトを参照することは不可能である点に注意しましょう。
イグナイトにおいては、《エレクトラム》から容易にアクセスできる上に、効果を使用する度にイグナイトをサーチすることができ、非常に強力なカードです。また星7であることから《マグマ》のS素材になれるため、どの展開ルートでも必ず使用します。
自分フィールドにモンスターが存在しない場合に手札からSSできる星5戦士族・炎属性モンスター。
星5イグナイトと違って素材にした後墓地に行くため、《武神姫-アハシマ》で釣り上げて《マシュマック》の素材にするモンスターとして適しています。
主にイグナイトのP効果でサーチしてイゾルデの素材にしますが、盤面にモンスターが存在しない状況でなければ①効果でのSSができないため、ドロー次第ではこのカードを使用しないこともあります。
イグナイトに革命を起こした星1戦士族・炎属性モンスター。自分フィールドに戦士族・炎属性モンスターが存在する場合に手札からチューナー扱いでSSできる①効果と、SSした場合に戦士族・炎属性モンスター1体または装備魔法カード1枚をサルベージする②効果を持ちます。
星1戦士族であるため《聖騎士の追想 イゾルデ》の効果で《焔聖剣-デュランダル》をコストにリクルートでき、そのまま②効果で《デュランダル》を回収できます。また、言うまでもなく戦士族・炎属性であるためイグナイトのP効果や《デュランダル》でサーチ可能です。
イグナイトのP効果で手札・墓地から回収でき、イグナイトや《キリビ》がいる場合に①効果によりチューナー扱いでSSできることを利用して、《アストロ》と共に《マグマ》の素材になります。どの展開ルートでも使用する重要カードです。
自分フィールドに戦士族モンスターが存在する場合に自身を手札からSSする効果と、フィールドの自身を墓地に送って手札から下級戦士族をSSする効果を持つ、星1戦士族・炎属性モンスターです。
《リナルド》と比べると優先度は低いですが、こちらも星1戦士族であるため《イゾルデ》の効果で《デュランダル》をコストにリクルートできます。この動きはリナルドを素引きしている場合にデュランダルにアクセスするために使用します。
基本的にイグナイトのP効果や《デュランダル》でサーチし、《レッドレイヤー》と併せて①効果により召喚権を使わずにイゾルデを作るのに使うカードです。手札次第ではサーチする代わりに《イゾルデ》でリクルートし、②効果で手札の下級イグナイトをSSしたりもします。器用な動きのできるカードであり、こちらも全展開ルートで使用します。
装備されている場合に、星5以下の戦士族・炎属性モンスターをサーチし自壊する効果を持つ、少々変わった装備魔法。
《イゾルデ》のコストとして優秀であると同時に、素引きしても盤面にモンスターがいればサーチ効果でイグナイトや《リナルド》、《キリビ》に変換できます。《イゾルデ》のコストとして墓地に送った後に《リナルド》で回収する動きは必要デッキスロットの少なさに反して大変強力であり、《デュランダル》登場以来イグナイトの王道ムーブの1つになっています。
サーチ効果を使用済みのこのカードを《リナルド》で回収すると、《エレクトラム》の②効果と《アストロ》経由で実質的にイグナイトに変換できます。また、サーチ後に自壊する効果も地味ながら優秀であり、アストロの①効果のトリガーになります。これらの動きはそれぞれ一部のルートで使用します。
《リナルド》と《キリビ》を両方素引きした場合はこのカードに触る手段が無いため、使用頻度はコンボパーツ5枚の中で一番低いです。(と言ってもその確率は1%程度ですが…。)
・融合(1枚)
闇属性Pモンスター2体をリリースして特殊召喚できる星8融合モンスター。素材には《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の①効果で闇属性にしたイグナイトと《アストロ》を使用します。
効果は、フィールド・墓地のモンスター1体のカード名と効果をコピーするというもの。これで《エレクトラム》をコピーすることで、《アストロ》を回収してその①効果を再度使用できます。
今回のルートでは《エレクトラム》をコピーして《アストロ》の使用回数を増やすだけでなく、星8非チューナーであることを活かし《ビシバールキン》の特殊召喚に使用します。
・シンクロ(2枚)
S素材に縛りのない星8シンクロチューナー。効果は特に使用しません。
星8チューナーであることを活かし《ビシバールキン》の特殊召喚に使用します。
星8以上で同じレベルのチューナーと非チューナーを墓地に送った場合のみ特殊召喚できる特殊なSモンスター。星8である《マグマ》と《覇王スターヴ》を使って出します。
効果は、攻撃力がフィールドのモンスターの数×1000アップし効果で破壊されないという①効果と、お互いのフィールドに邪眼神トークンを同じ数だけ可能な限り特殊召喚する②効果の2つ。邪眼神トークンは自身の攻撃力の増加に貢献するだけでなく、《コーディネラル》や《警衛バリケイドベルグ》のリンク素材にも重宝します。
①効果で攻撃力が大幅に上昇したこのモンスターを相手に送り付けて《マシュマック》でバーンするのが展開の終着点となります。邪眼神トークンを無駄に消費しすぎてしまうと火力が足りなくなるので注意しましょう。
・エクシーズ(1枚)
元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを参照し、その差分のダメージを相手に与えてその数値分自身の攻撃力をパンプする効果を持つランク5モンスター。
攻撃力8000以上になった《ビシバールキン》を参照することで8000バーンを与えるフィニッシュカードです。素材が星5モンスター2体と少々重いですが、星5イグナイトや《レッドレイヤー》を《アハシマ》の効果で特殊召喚してX召喚します。
・リンク(8枚)
最強リンク2の一角。戦士族2体を素材に指定しており、リンク召喚成功時に戦士族モンスターを縛りを付けてサーチする①効果と、デッキの装備魔法をコストにその枚数と同じレベルの戦士族をリクルートする②効果を持ちます。
①効果でサーチしたモンスター及びその同名モンスターは通常召喚・特殊召喚・モンスター効果の発動を封じられますが、P効果は封じられないため、サーチしたイグナイトのP効果は問題なく使用可能です。通常召喚やP召喚を含む特殊召喚はできないため注意しましょう。
リンクマーカーが斜め下であることからイグナイトのP召喚をサポートし、①効果でイグナイトをサーチできるほか、②効果で《リナルド》や《キリビ》をリクルートできることから、初動として非常に優秀なリンクモンスターです。今回のソリティアでは《レッドレイヤー》《リナルド》《キリビ》のうち2体を素材にリンク召喚されます。
最強リンク2の一角である制限カード。Pモンスター2体を素材に指定しており、リンク召喚成功時にデッキからPモンスター1体をEXデッキに加える①効果、自身以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を破壊しEXデッキの表側表示のPモンスターを回収する②効果、自分のPゾーンのカードがフィールドから離れた場合に1ドローする③効果を持ちます。③効果のみ名称ターン1であることに注意しましょう。
①効果及び②効果は《アストロ》と非常に相性がよく、①効果でEXに送った《アストロ》を②効果で回収することで、回収後即座に《アストロ》の①効果を発動できます。
また、②効果に何故か名称ターン1がついていないために、《覇王スターヴ》でコピーするともう1度使用することができます。これによって《アストロ》の①効果を複数回使用し、その都度イグナイトをサーチします。
③効果のドローは不確定であるものの、デッキ内のコンボパーツ5枚がデッキ内に残っていない状態で発動すると、手札が3枚以上の場合イグナイトに変換できます。(後述)
主にP召喚したイグナイト2体を素材にリンク召喚しますが、《アストロ》を素引きした場合は《アストロ》を素材とすることもあります。
最強リンク2の一角である制限カード。素材指定も効果モンスター2体と緩いです。よく使われるのは「融合」「フュージョン」をコピーする②効果ですが、今回は①効果でイグナイトを闇属性に変更して《覇王スターヴ》の素材にするために使われます。
岩石族の汎用リンク2。素材指定は効果モンスター2体と緩いですが、通常モンスターである邪眼神トークンは素材にできないため、リンク1効果モンスターである《リンク・スパイダー》などを経由します。
コントロール交換効果を持つ唯一のリンクモンスターであり、これで《ビシバールキン》を相手に送り付けて《マシュマック》で参照できるようにします。
LVP3のウルトラレアでありながら、非常にお財布に優しいエクシーズサポートのリンク2。素材指定が同じレベルのモンスター2体とエクシーズ召喚チックですが、リンク召喚はエクシーズ素材にはできないトークンも素材にできるため邪眼神トークンを素材にできます。
今回使用する①効果は、リンク召喚成功時に手札と墓地から同じレベルのモンスターを効果無効で特殊召喚し、その2体のみを素材としてX召喚するというもの。《星導竜アーミライル》や《鎖龍蛇-スカルデット》などの手札からモンスターを展開できる他のリンクモンスターと異なり、盤面のモンスターの数をリンク召喚前から減らさずにX召喚できるのがポイントです。
リンク先に特殊召喚するなどの指定もないため、《コーディネラル》で《ビシバールキン》を送り付けたのちに、邪神眼トークン2体を素材にこのモンスターを作り、《マシュマック》に繋げます。
いい効果をしているのに色々と悪用されがちなリンク2。素材指定もカード名が異なるモンスター2体と非常に緩く、《アナコンダ》と邪眼神トークンでリンク召喚できます。
使用する①効果は、リンク召喚成功時に手札を1枚捨てることで、エンドフェイズに墓地の永続魔法かフィールド魔法を回収するというもの。回収タイミングがエンドフェイズであるため墓地に該当カードが存在しない場合でも発動可能であり、先攻で手札を墓地に送る手段として優秀です。
基本的には使用しませんが、手札次第では《レッドレイヤー》をイゾルデの素材として墓地に送れないものが存在し、そちらのパターンで星5モンスターを墓地へ送るのに使用します。
リンク1効果モンスターの2体。素材指定がそれぞれ通常モンスター1体とレベル1モンスター1体であり、邪眼神トークンから《コーディネラル》のリンク素材を調達するのに使用します。効果は一切使用しないため、計2枚あればどちらか一方のみでもOKです。
4.手札パターン7種の分類
※本項以降《》(二重山括弧)は省略します。また、引用機能を用いてルートなどを記述していますが、単に見分けやすくするためであり特に引用ではありません。
まず初手にデッキ圧縮札が存在する場合は全て使用します。ドローゆえにランダム要素のある無の煉獄及びチキンレースを全て使用した後に、サーチである増援、苦渋の決断、召喚師のスキルの3枚を全てイグナイトに変換しましょう。
その後の手札は、素引きしたコンボパーツの枚数とその種類によって以下の32通りが存在します。
この32通りの手札は、その内容によって以下の7種のパターン+特殊ケース(パターン7’)に分けられます。
5.エレクトラムのドローについて
各パターンごとの展開ルートに入る前に、不確定要素であるエレクトラムのドローについて補足します。
手札3枚以上なら必ずイグナイト
エレクトラムは自分のPゾーンのカードがフィールドから離れた場合に1ドローする効果を持っています。この時、デッキ内にコンボパーツが残っていない場合、手札に加わるのはイグナイトまたはデッキ圧縮札のどちらかです。デッキ圧縮札のうち発動条件があるものは無の煉獄だけなので、無の煉獄の発動条件を満たしている場合、すなわち自分の手札が3枚以上の場合、エレクトラムのドローは必ずイグナイトに変換可能です。
したがって、デッキ内にコンボパーツが残っていない場合、展開ルートではエレクトラムのドローで手札が3枚以上になるよう調整した上で、ドローするカードは適当なイグナイトとしています。なお、デッキ内にデュランダル以外のコンボパーツが残っている場合は、そのカードを引く可能性も含め記述しています。
アストロのサーチ先の素引き問題とそのケアについて
遊戯王において同名カードは3枚までしか採用できないため、基本的にアストロで同じカードをサーチできるのは2回までです。
そして、エレクトラムのドローは不確定であるため、アストロで参照する予定だったイグナイトをドローしてしまう可能性があります。この場合、アストロでイグナイトをサーチできず展開が止まってしまう恐れがあります。
これをケアする(以下ドローケアと呼びます)ためには、エレクトラムのドロー後にアストロで参照可能なカードを2種類以上用意しておくか、アストロでのサーチを1回スキップしても大丈夫な展開にするかのどちらかが必要になります。
また、各展開ルートでは下級イグナイトや星5イグナイトなど特定のレベルのイグナイトをサーチしますが、イグナイトの種類が被っている際にはなるべく手札や公開領域に見えていないイグナイトをサーチする、P召喚するイグナイトは同名カードが複数見えているものにする、などといったプレイングもドローケアには重要になります。
6.手札パターン別の展開ルート
それでは、各パターンごとの展開を順番に解説していきます。
パターン1:リナルドとデュランダルを両方とも引かない場合(8通り)
イゾルデからリナルドをリクルートする、最も基本的なパターンです。イグナイト5枚の場合を始めとした8通りの手札がこれに該当します。
基本となるイグナイト5枚の展開ルートは以下のようになります。
アストロ、キリビ、レッドレイヤーを引いた場合の変更点はそれぞれ以下のようになります。いずれにおいてもイグナイト5枚展開に比べ手札のイグナイトが1枚多くなるため、覇王スターヴで回収したアストロの効果によるイグナイトのサーチは不要です。
・イグナイト4枚+アストロ:キリビサーチ時にアストロ効果で自身をSSしイグナイトをサーチ。エレクトラムの素材をアストロとイグナイトにし、下級イグナイトを召喚せずに盤面に残ったイグナイトを下級イグナイトの代わりにアナコンダで闇属性にする。
・イグナイト4枚+レッドレイヤーorキリビ:引いていない方のみ最初のイグナイトのP効果でサーチする。
・イグナイト3枚+アストロ+レッドレイヤーorキリビ:引いていない方のみを最初のイグナイトのP効果でサーチする。後はエレクトラムの素材にしたイグナイトをエレクトラムの②効果で回収すればOK。
・イグナイト3枚+レッドレイヤー+キリビ:最初にイグナイトのP効果で適当なイグナイトをサーチするだけ。
・イグナイト2枚+アストロ+レッドレイヤー+キリビ:最初にイグナイトのP効果で適当なイグナイトをサーチする。後はエレクトラムの素材にしたイグナイトをエレクトラムの②効果で回収するだけ。
パターン2:リナルドを引いた上で、キリビとデュランダルを両方とも引かない場合(4通り)
イゾルデからリナルドをリクルートできないため、代わりにキリビをリクルートしてデュランダルにアクセスするパターンです。
基本となるイグナイト4枚+リナルドの展開ルートは以下のようになります。
アストロやレッドレイヤーを引いた場合の変更点はそれぞれ以下のようになります。
・イグナイト3枚+アストロ+リナルド:エレクトラムの①効果で適当なイグナイトをEXに送り②効果で回収するだけ。
・イグナイト3枚+レッドレイヤー+リナルド:最初のイグナイトのP効果で適当なイグナイトをサーチするだけ。
・イグナイト2枚+アストロ+レッドレイヤー+リナルド:最初のイグナイトのP効果で適当なイグナイトをサーチし、エレクトラムの②効果で適当なイグナイトを回収するだけ。
パターン3:デュランダルを引いた上で、アストロを引かない場合(8通り)
デュランダルを素引きしているため、イゾルデのリクルート効果が使えないパターンです。盤面にモンスターがいればデュランダルのサーチ効果を使用できるため、これを使って必要パーツを回収します。
また、イゾルデのリクルート効果が使えない分モンスターが1体少なくなりますが、サーチ効果を使用済みのデュランダルをリナルドの②効果で回収することにより、エレクトラムの②効果の破壊対象を確保できます。
基本となるイグナイト4枚+デュランダルの展開ルートは以下のようになります。
レッドレイヤー、リナルド、キリビを素引きした場合の変更点はそれぞれ以下のようになります。
・イグナイト3枚+レッドレイヤーorキリビ+デュランダル:引いた方のサーチが不要になるため、その代わりに適当なイグナイトをサーチする。
・イグナイト3枚+リナルド+デュランダル:エレクトラムのドローでリナルドを引いた場合と同じ。
・イグナイト2枚+(レッドレイヤー、リナルド、キリビのうち2枚)+デュランダル:最初のイグナイトP効果により足りないパーツをサーチし、デュランダルで適当なイグナイトをサーチする。後はエレクトラムのドローでリナルドを引いた場合と同じ。
・イグナイト+レッドレイヤー+リナルド+キリビ+デュランダル:デュランダルで適当なイグナイトをサーチし、イグナイトP効果でまた別の適当なイグナイトをサーチする。後はエレクトラムのドローでリナルドを引いた場合と同じ。
パターン4:アストロとデュランダルの両方を引いた上で、イグナイト2枚以上を引いている場合(4通り)
パターン3と違いアストロを引いているためモンスターを1体多く展開でき、下級イグナイトの召喚が不要になります。一方で、アストロを引いている都合上エレクトラムのドローによるサーチ先ドロー事故が発生しやすいため、ドローケアのためパターン3から展開を少々変更します。
基本となるイグナイト3枚+アストロ+デュランダルの展開ルートは以下になります。
レッドレイヤー、リナルド、キリビを引いた場合の展開の変更点はそれぞれ以下のようになります。
・イグナイト2枚+アストロ+レッドレイヤーorキリビ+デュランダル:最初のイグナイトP効果で足りない方を、デュランダルで適当なイグナイトを、それぞれサーチすればOK。
・イグナイト2枚+アストロ+リナルド+デュランダル:デュランダルの自壊の処理後に、アストロ効果で自身をSS&イグナイトのサーチを行う。後はリナルドをサーチする工程をスキップすればOK。
パターン5:コンボパーツを全て引いた場合、もしくはリナルド、キリビ、デュランダルのいずれか1枚を残して全て引いた場合(4通り)
手札のイグナイトが少なく、P召喚するイグナイトが1体のみとなるルートです。
基本となるアストロ+レッドレイヤー+リナルド+キリビ+デュランダルの展開ルートは以下の通りです。
・イグナイト+アストロ+レッドレイヤー+リナルドorキリビ+デュランダル:足りない方をデュランダルでサーチすればOK。
・イグナイト+アストロ+レッドレイヤー+リナルド+キリビ:デュランダルでイグナイトをサーチする工程をスキップすればOK。
パターン6:リナルドとキリビの両方を引いた上で、アストロとデュランダルを両方とも引かない場合(2通り)
デュランダルを引いておらず、リナルドとキリビの両方を引いているため、デュランダルを使用しないルートです。
基本となるイグナイト3枚+リナルド+キリビの展開は以下の通りです。
イグナイト2枚+レッドレイヤー+リナルド+キリビの場合は、最初のイグナイトP効果で適当なイグナイトをサーチすればOKです。
パターン7:アストロとリナルドとキリビを全て引いた上で、レッドレイヤーを引かない場合(2通り/例外としてパターン7’あり)
レッドレイヤーに依存しない稀有なルートです。イグナイト2枚+アストロ+リナルド+キリビ、イグナイト+アストロ+リナルド+キリビ+デュランダルの2通りが該当します。
この2通りの手札では、前者はイグナイトのP効果でレッドレイヤーをサーチした時、アストロを出せばレッドレイヤーが出せなくなり、アストロを出さなければ手札のイグナイトが足りずにP召喚ができません。一方後者は、そもそも盤面にモンスターを出さなければレッドレイヤーをサーチできません。
したがって、このパターンではレッドレイヤーをサーチせず、代わりにリナルドとキリビでイゾルデを特殊召喚します。この場合レッドレイヤーを初動で墓地に送ることができないため、代わりに星5モンスターをバリケイドベルグで手札から墓地に捨てる工程が必要になります。
また、リソースがギリギリであるため、この展開では同名星5イグナイト2枚+アストロ+リナルド+キリビの場合ドローケアが不可能です。なので、この手札の場合はまた別の展開(パターン7’)を使用します。
基本となる(同名星5イグナイト2枚でない)イグナイト2枚+アストロ+リナルド+キリビからの展開ルートは以下のようになります。
イグナイト+アストロ+リナルド+キリビ+デュランダルの場合は、イゾルデを出した後にデュランダルで適当なイグナイトをサーチすればOKです。
パターン7’:同名星5イグナイト2体+アストロ+リナルド+キリビの場合(パターン7の特殊ケース)
パターン7の展開は、初手のイグナイト2枚が同名かつ星5であった場合、1回目のアストロ効果でアストロでその3枚目をサーチすることになります。そのため、手札が同名星5イグナイト2体+アストロ+リナルド+キリビの場合にパターン7の展開をすると、エレクトラムの③効果で星5イグナイトをドローした場合、3回目のアストロ効果で持ってくるはずの星5イグナイトが無くなり詰みます。
そのため、以下の展開でドローケアします。
このように、パターン1~7’のいずれの場合においても先攻ワンキルを100%決めることができます。
7.終わりに
ソリティアを嗜む者として、100%先攻ワンキルはいつか考えたいなぁと思っていたので、今回実現できて非常に嬉しいです。
このデッキは1人回しには向いていますが、対人戦では成功すると先攻ワンキルになる反面、相手の妨害1つで簡単に止まるというように、言うまでもなくクソゲーになっておりますので、くれぐれも「誘発入ってないんでw」などと言ってカジュアル対戦に持ち込まないようご注意ください。
このnoteの記載内容に万が一ミスなどありましたら、コメント欄やTwitterのDMなどにご連絡を頂けると助かります。
それでは本noteは以上となります。最後までご覧頂きありがとうございました!
追記:アナコンダ禁止でも問題なし!
2022/04/01より《アナコンダ》が禁止になりますが、問題なく100%を維持できます!
詳しくは下の記事をご覧下さい!