弟を訪ねて3千里

この前、弟を訪ねて上京した・・・
いや・・・
正確には探して・・・だ
妹、母、おれの三人での旅だった

しかし・・・
この展開なら普通は、久ぶりにあって、うまい酒でも飲んで、
感動の再開を喜ぶ・・・というのがあたりまえだろう

そうなれば、いいんだろうけど、そうはいかなかった・・・
この時、おれは・・・いや、妹も母も弟を、𠮟りつけてやろう!というのが本音だったろう

なぜ、このような状況になったのか?
それは、3年前に遡る・・・祖父も90を超え、その年に91で亡くなった
その遺産を継いだのが、父・・・

しかし・・・
父はその遺産で車を買ったり、通販で無駄な買い物をしたりと、
ほとんど使い果たしていた・・・

しかも・・・そんな父も、罰があったったのか、祖父が亡くなった僅か、
1年半後ガンで亡くなった・・・71だった

この前後、千葉で生活していた弟と連絡が取れなくなっていた
いつの間にか、携帯も解約され、lineも既読もつかないような状況になり、その安否が気がかりになってきた

まさか!何かの犯罪に巻き込まれたのでは????

高校を卒業してから、大阪の専門学校を卒業して関東に就職していた
真面目で、言葉少なくその性格は、俺とは違い、父に似ていた

そんな中、父の遺産を妹が継いだ
しかし・・・
法律は俺たち相続人に厄介な宿題を突き付けてきた
相続人全ての、承諾が要だったのだ!

連絡がつかない弟の承諾・・・???

さて、相続人は3人、おれ、妹、弟・・・
母は離婚しており相続人から外れていた

祖父の葬儀にも出ず、
ましてや、父の危篤の時も連絡しても無視・・・
そして、葬儀にも帰ってこなかった・・・

おれは、実の弟ながら、はらわたが煮えくり返っていた・・・

妹と母が千葉に行く!と言ったとき、おれは反対した!
いるか、いないか、わからないような所に、行くリスクのほうが高いと思ったからだ

しかも、母は74歳と高齢であるのも、心配だった

でも・・・この相続人である弟の承諾がどいうしても必要だというので、
おれも行くことに決めた!

そして今月・・・
飛行機でいざ!東京へ!!
東京につき、その次の目的地の千葉へ

お昼に東京についたが、千葉についた頃にはもう時間は午後4時を回っていた・・・

しかも・・・天気も味方をしなかった
朝から曇っていた空から、大粒の雨が!!
しかも、雷雨になり、雷が激しくなっていた

一番誤算だったのが、目的地である弟が住んでるアパートの住所を、
誰も把握していなかった・・・

母が実際に行ってから、20年の月日が経っていた・・・
その月日は、周りの景色を大きく変えていた・・・

タクシーの運転手さんに聞いたり、グーグルマップを活用するものの、
中々たどり着かない・・・

その間にも雨は容赦なく降り続く・・・

しかし!!!!
約1時間半彷徨って、それらしきアパートにたどり着く!!
ドキドキしながら、俺が呼び鈴を押す
・・・・
・・・・
誰も出てこない・・・

あたりは、天候の悪さもあって、だんだん暗くなっていく・・・
何回呼び鈴を押しても誰も出てこなかった・・・

3人は、ため息と、怒り、懸念、疲れ・・・いろんな複雑な感情が顔ににじみ出ていた

そこで、妹がメモを郵便受けに入れて立ち去る

千葉寺駅近くの交番で、捜索願の相談をお巡りさんとする
明日、千葉中央署での手続きの段取りをしてくれた!
ありがたい!

しかし・・・
母の体力が限界だった、足がつって動けない・・・
仕方なくタクシーでホテルに帰ることに・・・

次の日の朝、諦めきれず、またアパートへ向かう
呼び鈴を押すも、やはり、誰も出てこない
仕方なく、目的を諦め、千葉中央署へ
途中、願いを込めて千葉寺(せんようじ)にお参り

しかし!
このお参りが神に通じたのか、その後奇跡を起こす!!!

会うどころか、連絡も依然つかないまま、
千葉中央署へ着くが、悉く、天に見放されていた

担当だった刑事さんが急遽、事件で対応できないことに!(涙)
相談の結果、日曜日だったこともあり、帰るしかなかった・・・

しかも、時間は正午過ぎ・・・
やはり、行くだけ時間の無駄だったのか・・・・

もう、愛媛に帰るしか方法がない・・・と、
トボトボ歩いて千葉駅に着いた時だった!!!!!

妹の携帯に、弟から、lineが!!!!!!
ついに、途絶えていた連絡が初めてついた!!

そして、時間があるので会うことに!

残された時間は約1時間半・・・これを過ぎると、
飛行機の時間には厳しい・・・

千葉駅を待ち合わせにして、3人で待つことに・・・
・・・
・・・
・・・
1時間待っても、それらしき人物は見当たらない
ギリギリ1時間半待つも、彼は現れなかった・・・

そして、落胆して3人は帰りの電車に乗り込む・・・

その時だった!!

今着いた!との連絡が!!
しかし・・・

全てが遅かった
もっと早ければ・・・

結局、目的の弟に会う・・・ということは叶わなかった
でも、もう会うこともかなわないかもしれない・・・
と思っていた妹や母は、安堵した顔に見えた

おれは、このような輩は、例え弟でも許せなかった
連絡もせず、祖父や父の葬儀もほったらかし・・・

これ以上、彼を擁護できない理由は十分だった
俺は会ったら、一発ぶん殴ってやろう!とさえ思っていた

さて・・・
一応連絡はついた、居所も分かった
また、莫大な時間と旅費をかけて、
もう一度、彼とは会わなければならない
大事な要件をすませるために・・・

続く・・・


 



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