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グルーブを深めるためにアルバム単位で音楽を聴く。

ジャズトランペット奏者原朋直さんのレッスンに通っている。そこで聞いたのが、グルーブを深めるためにはアルバム単位で音楽を聴くといいという話だ。

レイ・ブラウンやジャコパスがグルーブがわかりやすいという話の流れで一曲を聴くだけでなくアルバム単位で音楽を聴くといいとお話が出た。

レッスンの短時間の講話ではちょっとわかりにくかったが、以下自分なりに解釈してみる

グルーブとは曲を推進させる力であって、特にベースに顕著にそれが現れる。
曲は始まりがあって、いろいろなストーリーがあって終わりを迎える一つの流れであって、そのストーリーを推進するのがグルーブである。
そのストーリーをいかに力強く、あるいは美しく、あるいは気が利いた洒落たモノにするか。それはグルーブにかかっている。
ここまでは一曲単位のお話。

アルバム単位でというのは、さらに大きなストーリーがアルバムにはあって一曲目と間の曲と終りの曲ではそれぞれ役割が違う。一曲というストーリーを組み合わせたアルバムという単位でのストーリーをどう作るのか、そこにグルーブは大きな役割を果たすのだと思う。
CDではなくて一晩のライブでも、だからライブを見るのは本当に勉強になる。それとライブ盤でもそれは同じだろうな。

ちなみに通常のアルバムならミュージシャンはあまり変わらないので、アルバムに含まれている早い曲やバラードなど、様々なタイプの曲を、同じベーシストとドラマーがどんなアプローチでどんなグルーブを出すのかも聞くことができて、これも結構重要かなと思う。

自戒を込めていうが、自分自身ここ数年ちゃんとアルバム単位で音楽を聴くことがなくなった。ある曲を聴いていても、CDを買わなくなったこともあるが、サブスクリプションだって、アルバム単位で聴くことができるから、それは言い訳にならない。
何かの曲を聴いていてもザッピングのようにすぐに飛ばして他の曲を聴いてしまう。

私は近年で最もアルバム単位で聴いて、これは素晴らしいと感動したのはダフトパンクのアルバムだった。あれは頭から終わりまでビシッとよくできていた。

Daft Punk - Random Access Memories (Full Album)
https://www.youtube.com/watch?v=ff7XiWrvkoc

原さんは「アルバムの1曲だけ聴くのは、映画のDVDで好きなシーンのチャプターだけをみるようなもので、やっぱりそのシーンの良さは全部見ないとわからないですよね」と言ったが、まったく同感だった。

キングクリムゾンやピンク・フロイドがサブスクリプションで公開されていないのは、アルバムで聴いて欲しいというアーティスト側の強い思いがあるからかもしれない。

「一週間で一枚でいいので、アルバム単位で聞いてみてください」
というのが原さんからの宿題なのでやってみようと思う。

(ちなみに曲の宿題は別にあってそれはシダー・ウォルドンの「Ugetsu(Fantasy in D)」


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