やっぱりヒノテルはすごかった。
ヒノテルがひょこっとスタジオのドアを開けて顔を出したのには驚いた。
キャノンボールアダレイ縛りのバンド、アンコ型弾丸ブラザースというバンドをやっているんだが、そのリハを11時ごろからピットインのスタジオでやっていた。そしたら演奏中に急にドアが開いて、ヒノテルが顔を出し「いいサウンドしてんじゃん、誰がやってるのかと思って」。
リハ中にドアを開けるとはさすがに大物だ。
「へー、アマチュアなの、すごいいい音してんじゃん、俺一人で練習しに来たんだよ、がんばってなー。」
さすがである。
その後休憩の時に隣の部屋をのぞいてみたら、あのヒノテルが譜面台を前に座って、基礎練習をしていた。すげーよ。
で、視線があったら、入ってこいと言われて「マウスピース何使ってるの?」「ちょっと吹いてみて」「うん、いいとこあたってる」とトランペットトーク。「俺、いまアンブシュア直してんだよ。70も後半になって。」
すげーよな。
アンブシュアを直すって、トランペッターにとっては人生に1回か2回という大仕事であって、師匠の原朋直先生は、ウィントンに言われてアンブシュアを直したけど、その時半年は仕事を休んだそうだ。
音が出なくなるところから自分の唇と吹き方を再構築するし、成功するとは限らない、リスクもある。
それを、もう大御所の大御所である日野皓正さんがやってるなんで、感動的だ。ぜんぜん守りに入らない。常に前進を目指してる。
まだまだ50台(ギリギリ)の俺なんて、守りに入っている場合じゃないよな、とケツをケッとばされた気がする。Kick my assってやつですわ。
そして写真を撮っていいですか、といったら、いいよと。
しかも撮ろうとしたら、「俺の方が慣れてるから撮ってやる」と。
さらに俺は修正しなくちゃいけないから、とiPhoneの写真編集機能をササっと使いこなして補正までしてくれた。
もう、恐れ入りました。これからもガンガン勉強させていただきます。
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